※原則的に、来生たかおは“来生”に省略。
2017年にリリースされた、CD、DVDの2枚組の企画アルバムである。
来生は全作曲及びサウンドプロデュースを、漫画家のさくらももこは全作詞を、7名のアーティストがヴォーカルを務めている。
2017年3月28日、来生たかお Takao Kisugi Official Web Siteにアップロードされた「40th Anniversary 40周年記念特集』内の近況報告第二弾「タバコについて」の中で、サウンドプロデュースを務める事になった旨が触れられ、正式には同年9月5日に同サイトで発表された。また、続く9月15日には参加アーティスト名が発表された。更に、同年10月30日、動画投稿サイト「You Tube」及びオフィシャルサイト内にて、プロモーション動画「OneWeek? promotion」が公開された。
参加アーティスト及びレコーディングスタッフの一部も、先駆けて制作の模様を公開していた*1。
さくらのオフィシャルブログにおいては9月19日に発表され、来生ファンとしては1曲でも作曲して貰えたら良いと思っていた所、全曲を手掛けて貰え、あり得ないような幸運で、本当に感激した心境を記している*2。
参加アーティストの人選はさくらによるもので、来生は既知の太田裕美や辛島美登里以外の5人には不安があったが、歌声を聴いた瞬間、その素晴らしい才能に感心したという*3。
3、4年程前、さくらは不図、1週間が7曲の歌になっていたら面白いと思い、彼と結婚したいと思っている20代後半から30代前半くらいの割とお洒落に暮らしている独身のOLという設定を元に、作曲者や歌手を決めずに曜日毎に歌詞を書き始めた*4。イメージの源泉は、さくらが夢中になって読んでいた『別冊マーガレット』の少女漫画の雰囲気で、日々の中で恋が重要な未婚女性の事を考えた為、全体的に「女子な感じ」になったと語っている*5。
また、完成した歌詞に曲を付けたいと思った時に不図、中学時代から好きだった来生の事が浮かび、1曲でも良いからと駄目元で依頼した所、全曲を手掛けて貰え、驚きながらも嬉しく、1曲目から「来生の世界」で、来生が歌ったデモテープも素晴らしく、今では宝物と語っている*6。来生によれば、作曲の依頼に際し、35年来のファンである旨が書かれた手紙と共に、好きな来生作品を纏めたCDが届き、アルバム収録曲が多かった為、さくらが自分の楽曲をよく聴いてくれている事が解ったという*7。
さくらは、制作陣が来生を始め凄いメンバーだったので、大船に乗った気分だった半面、軽い思い付きが展開して行き、緊張していたが、歌詞に曲が付いたらどうなるか、歌い手が歌ったらどうなるかというプロセスがとても楽しかった為、今後も漫画と並行して作詞をクリエイティブな仕事の1つと位置付けたいと改めて考えさせられたと語っている*8。
一方の来生によると、最初の依頼は2015年8月にあり、セルフカヴァーベストアルバム『夢のあとさき』の制作やコンサートツアー『40th Anniversary 来生たかお Symphonic Concert 2015-2016 夢のあとさき』が控えていたタイトなスケジュールと*9、歌詞が先に作られるというパターンが久方振りだった事で、当初は余り自信がなかったと述べている*10。
しかし、依頼に対して1、2曲しか作れなかったと思われるのは癪であると同時に*11、それぞれの歌詞に良いフレーズが浮かんだ為、全てに曲を付けてしまったという*12。また、さくらの個性的な歌詞にメロディーを乗せるのは難しかったものの、集中的に書く事が出来*13、ほのぼの且つ切なくウェットな世界に沿ったものになったと語っている*14。
また、曲が出来上がったにも拘わらず、さくら側から一向に音信がなく、来生は、お蔵入りになったとしてもそれはそれでしょうがないと思っていた所、2017年に入って制作が決定したという*15。しかしながら、2018年8月15日にさくらが急逝した折り、上記の音信が途絶えていた期間について来生は、さくらが体調を崩している事を内密にしており、もし静養が長引いた場合は企画がなくなる可能性があった旨を明かしている*16。また、体調が回復して会食をした際、デモテープに感激するさくらは少女のようだったと語っている*17。
編曲や演奏では、長年コンサートのサポートを務めているryumei odagi(Ryumei)と山崎教昌が参加しており、イメージ以上のサウンドが出来上がった事に、来生は感謝の意を表している*18。
因みに、本作をきっかけに、さくらが自分のファンという事実を初めて知った来生は、嬉しく思ったという*19。
ジャケットのイラスト及び20ページのブックレット内のイラストは、さくらが手掛けている。DVDには、各楽曲をイメージし、ダイジェスト形式で使用したショートアニメーションが収録されている。
2017年10月30日より、「TEN YEARS ONLINE SHOP」にて購入予約の受付が始まり、特典としてクリアファイルが進呈された。また、幾つかのオンラインショップ(「Amazon.co.jp」「TOWER RECORDS ONLINE」「楽天ブックス」「ローチケHMV」「Joshin webショップ」等)や実店舗(「山野楽器 銀座本店」等)では、歌詞カードのイラストを元にした7種類のポストカードがそれぞれに進呈された。
トラック | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 収録時間 | トラック | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 収録時間 | |
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1 | 月曜日の朝 | さくらももこ | 来生たかお | ryumei odagi/山崎教昌 | ※記載なし | 5 | 金曜日の夢 〜朝か夜かの物語〜 | さくらももこ | 来生たかお | ryumei odagi/山崎教昌 | ※記載なし | |
2 | 火曜日の昼 | さくらももこ | 来生たかお | 6 | 土曜日の恋人 | さくらももこ | 来生たかお | |||||
3 | 水曜日の夕方 | さくらももこ | 来生たかお | 7 | 日曜日の昼下がり | さくらももこ | 来生たかお | |||||
4 | 木曜日は雨 | さくらももこ | 来生たかお |
◆各歌唱アーティスト
1:小谷美紗子/2:辛島美登里/3:青葉市子/4:柳原陽一郎/5:中納良恵/6:太田裕美/7:原田郁子
※記載なし
発売年月日 | メディア:規格品番 | 発売元/レーベル | 備考 |
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2017.11.08 | CD+DVD:TEND-1120 | TEN YEARS/TEN YEARS RECORD | ○制作:テン・イヤーズ ○厚紙製収納ケース付き ○オリコン最高253位 |