Etranger


来生たかお大百科 >『I Will...』←自作曲→『With Time

※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

概要

1987年にリリースされた13枚目のオリジナルアルバムである。

前作の『I Will...』がポップなイメージだった為*1、本作に関してディレクターからクロード・ルルーシュが監督したフランス映画『Un homme et une femme/男と女』(1966)のイメージという提案があり、アルバムコンセプトは「ヨーロッパ風」になった*2。来生は、打ち込みが多用され、コンテンポラリーな仕上がりになったと語っており*3、高音部の伸び等はCD媒体を意識したという*4

また、これまでのアルバム制作は切羽詰まった状態で行う事が多かったが、本アルバムでは充電をしながらという雰囲気で、良いのか悪いのかは判らないが、焦らずに出来たと述べている*5

収録曲の「楽園のDoor」は、元々オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会員向けに先んじて録音されたもので、来生は、アルバム全体のイメージの基になっている気がすると述べている*6

新たな編曲がなされた「Goodbye Day」は、当初は収録の予定はなかったが、アルバムコンセプトに調和し、また、幾度となく歌い込んで来た同曲を今ならばもう少し上手く歌えるのでは、という思いで選ばれた*7。ただ、ファンの思い入れもある楽曲なので、余り雰囲気を変えないようにしたという*8。因みに、いつもレコーディングが終わった後になって満足の行かない点が見付かる為、この時点で既に、何れまた歌い直す時が来るかも知れない事を匂わせている*9

来生えつこによれば、時代劇の主題歌として使用される為に内容を変更せざるを得なかった「時を咲かせて」や、他の作詞家の手による「楽園のDoor」が収録されており、歌詞の面では満足していないという*10

1987年8月6日に『夏 長崎から さだまさし』にゲスト出演した翌朝、空路で帰京したその足で本アルバムのレコーディングを行うキティ伊豆スタジオに向かい、同地で夕食を摂った後、小雨の降る中、同行したテニスコーチ3人に指導を仰いだ*11。翌日、雨の上がった隙に海まで散歩に出掛けたが、再び降り出した雨の中、戻って来た来生が余りにずぶ濡れだった為、スタッフが訊ねた所、岩場で足を滑らせたとの返答だった*12。しかし、その後の「Goodbye Day」のレコーディングは、肩の力の抜けた秀作に仕上がったという*13

音楽ソフト販売店「テイトムセン」で本アルバムを購入予約した者の中から抽選で5名が同店主催のファンの集いに招待され、購入者にはファンの集いの模様が収録された小冊子『来生たかお』が進呈された。

収録曲

※収録時間はLP版、CT版、CD版に記載がないので通販サイト等に準拠

トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間
LP/CTCDLP/CTCD
SideA-11静けさのメニュー来生えつこ来生たかお中西俊博4:01SideB-16夜にエトランジェ来生えつこ来生たかお萩田光雄4:02
SideA-22時を咲かせて来生えつこ来生たかお清水信之4:22SideB-27Goodbye Day来生えつこ来生たかお清水信之5:23
SideA-33グリサンド来生えつこ来生たかお清水信之4:34SideB-38避暑地に陽炎来生えつこ来生たかお萩田光雄4:56
SideA-44風のエピローグ来生えつこ来生たかお萩田光雄4:53SideB-49そしてほのかに夏は行く来生えつこ来生たかお清水信之4:07
SideA-55楽園のDoor小倉めぐみ来生たかお清水信之4:42SideB-510素顔の明日へ来生えつこ来生たかお萩田光雄5:10

参加ミュージシャン

  • Piano:フェビアン・レザ・パネ(SideA-1)、倉田信雄(SideA-4/SideB-5)、松田真人(SideB-1,3,5)
  • Electric Piano:倉田信雄(SideB-3)
  • Keyboards:倉田信雄(SideA-4)、松田真人(SideB-1,3,5)、永田一郎(SideB-5)
  • Electric Guitar:松原正樹(SideB-3,5)
  • Acoustic Guitar:笛吹利明(SideB-3,5)
  • Guitar:北島健二(SideB-1)
  • Bass:中村幸司(SideA-1)、渡辺直樹(SideB-1/SideB-4)、美久月千晴(SideB-3,5)
  • Drums:滝本秀延(SideB-1)、島村英二(SideB-3,5)
  • Chorus:比山清(SideA-4/SideB-3)、木戸康弘(SideA-4/SideB-3)、広谷順子(SideA-4/SideB-3)、鳴海寛(SideA-5)
  • Duet Chorus:新居昭乃(SideA-3)
  • Strings:前田グループ(SideA-1)、金子飛鳥グループ(SideA-5/SideB-4,5)、加藤グループ(SideB-1)
  • Synthesizer Operation:清水信之、森達彦(Hammer)、梅原篤(Tight Rope)伯耆弘徳(The Phenomenon Studio)、鳥山敬治(Sun Musical Service)
  • Flute:赤木リエ(SideA-1)
  • Oboe:市川清志(SideA-1)
  • Horn:山岸博(SideA-1)
  • Harp:朝川朋之(SideA-1)
  • All Instruments:清水信之(SideA-2,3/SideB-2,4)
  • All Instruments(except Strings):清水信之(SideA-5/SideB-4)

参加スタッフ

  • Director:高橋良一
  • Recording & Mixing Engineer:清水高志(MIX)
  • Assistant Engineer:渡辺省二郎、荒井優、Shinichi Tomita、田中是之(Mix)
  • Recorded Studio:KRS Studio, HITOKUCHIZAWA Studio, ONKIO HAUS
  • Mixing Studio:KRS Studio, KITTY IZU Studio
  • Executive Producer:多賀英典
  • Art Director:蓮井幹夫
  • Photographer :山中学
  • Stylist:Yuko Yosida
  • Hair, Make-up:高野孝喜
  • Coutume:Doman
  • Special Thanks to:竹脇隆(Kitty Artists Inc.)、宮崎真哉(Kitty Music Corp.)、大森俊之(P.H Sound Studio)

録音

  • 日付記載なし/KRSスタジオ、一口坂スタジオ、音響ハウス、KRSスタジオ(リミックス)、キティ伊豆スタジオ(リミックス)

初出 & 復刻

発売年月日メディア:規格品番発売元/レーベル備考
1987.11.25LP:28MS-0149キティレコード○LPとCDのバックインレイ(裏ジャケット)は別デザイン
○LP:オリコン最高36位(売上累計3,410枚)/CT:オリコン最高35位(売上累計5,460枚)/CD:オリコン最高26位(売上累計9,310枚)
CT:28CS-0149
CD:H33K-20106
1991.04.25CD:KTCR-1058キティレコード
1995.07.21CD:KTCR-1568キティエンタープライズ/キティレコード○歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター
○帯に「20th anniversary」の記載
○Q盤CD選書シリーズの1枚
2007.03.21CD:KTCR-1058ユニバーサルミュージック○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1995年版を収録
○帯なし
2019.01.30CD:UPCY-9892ユニバーサルミュージック○限定
○ボーナストラックに「夢旅行」を収録
○紙ジャケット仕様
○デジタルリマスター
○SHM-CD

アルバムタイトルの表記

ジャケットケースの側面部
LPエトランジェÉtranger「エトランジェ」
CT※帯がないので該当なしÉtranger「エトランジェ」
CDオリジナル版エトランジェÉtranger「エトランジェ」
1991年版エトランジェÉtranger「エトランジェ」
1995年版ÉtrangerÉtrangerÉtranger
2007年版※帯がないので該当なしÉtrangerÉtranger
2019年版エトランジェ(復刻LP版)
Étranger +1(新版)
Étranger「エトランジェ」

パッケージの体裁

  • オリジナル版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、歌詞カード)を挿入/バックインレイはLPの歌詞カードに用いられた写真を使用
  • 1991年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入/バックインレイはLPの歌詞カードに用いられた写真を使用
  • 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー)を挿入/バックインレイはLPと同じ写真を使用
  • 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)/バックインレイはLPと同じ写真を使用
  • 2019年版CD:紙製ケースにLP版のものを基調とした歌詞カード(及び、ボーナストラック分の別紙歌詞カード)を挿入

帯のコピー

  • CT(紙製ケースの側面):テレビ東京ドラマ<花の生涯>主題歌「時を咲かせて」、「グッバイ・デイ」ニュー・バージョン収録。
  • LP:ゆるやかに時を止めて、ひとときのメロディ・トーク。テレビ東京ドラマ<花の生涯>主題歌「時を咲かせて」、「グッバイ・デイ」ニュー・バージョンを収録のニュー・アルバム。
  • オリジナル版CD:ゆるやかに時を止めて、ひとときのメロディ・トーク。テレビ東京ドラマ<花の生涯>主題歌「時を咲かせて」、「グッバイ・デイ」ニュー・バージョンを含むニュー・アルバム。
  • 1991年版CD:※記載なし
  • 1995年版CD:ゆるやかに時を止めて、ひとときのメロディ・トーク。 「Goodbye Day」(Bran-new Version)を含む、13thアルバム。
  • 2019年版CD(復刻LP版コピー/新版コピー):ゆるやかに時を止めて、ひとときのメロディ・トーク。テレビ東京ドラマ<花の生涯>主題歌「時を咲かせて」、「グッバイ・デイ」ニュー・バージョンを収録のニュー・アルバム。来生たかおオリジナルアルバム18タイトル 紙ジャケット・コレクション ゆるやかに時を止めて、ひとときのメロディ・トーク。「時を咲かせて」「グッバイ・デイ」ニュー・バージョンを収録のニュー・アルバム。 静けさのメニュー 時を咲かせて グリサンド 風のエピローグ 楽園のDoor 夜にエトランジェ Goodbye Day 避暑地に陽炎 そしてほのかに夏は行く 素顔の明日へ ボーナス・トラック「夢旅行」収録

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*1 NHK-FM『高橋基子のニューサウンズスペシャル』(1988.01.16)
*2 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.55(ベイシック/1998.02)
*3 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987)
*4 『|月刊CDay シーデイ』1987年創刊2号“アーティストが語るワタシのCD新譜 ヨーロッパ的な今風のサウンドを志向”(デジタルネットワーク/1987.12.01)
*5 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』VOL.77“TAKAO CLUB VOL.47”(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987.10.25)
*6 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987)
*7 NHK-FM『高橋基子のニューサウンズスペシャル』(1988.01.16)
*8 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987)
*9 NHK-FM『高橋基子のニューサウンズスペシャル』(1988.01.16)
*10 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987)
*11 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』VOL.76“TAKAO CLUB VOL.46”(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987.09.25)
*12 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』VOL.76“TAKAO CLUB VOL.46”(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987.09.25)
*13 「キティサークル」の総合機関誌『HEAD ROCK』VOL.76“TAKAO CLUB VOL.46”(キティ・ミュージック・コーポレーション/1987.09.25)