来生たかお大百科/コンサート
解説 †
来生自らが選曲した昭和の名曲だけで構成されたコンサート。
既に、前年『来生たかお Stand Alone 2018 Christmas Color』の東京公演では開催自体を、大阪公演では開催都市を含めて告知されていた。普段は他人の良い楽曲を聴いても自分で歌いたいとは思わない来生が*1、他作家作品を纏めて歌うのは、2006年の『来生たかお マンスリーソロライブ Stand Alone Another Side』以来、13年振りであり、全曲が他作家作品で構成されたコンサートは、初めての試みだった。
各会場共、2回公演で行われ、それぞれ通常のコンサートより短い約1時間半のステージで、MCは基本的に各楽曲の作者や原歌唱者、構成や来歴等の紹介程度に抑えられた。
チケットは、一般予約受付に1週間先んじた各会場の会員向け販売の段階で残り僅かの状態になり、早々と完売になった(その後、キャンセル等により若干数の販売はあった)。
選曲は、1960年代から1970年代の「余り知られてはいないが良い楽曲(歌謡曲)」という基準で行われたが*2、『来生たかお マンスリーソロライブ Stand Alone Another Side』やオリジナルアルバム『余韻』でのカヴァー、自身がパーソナリティーを務めた『THE MUSIC OF NOTE 来生たかお ノスタルジーへの誘い』のオンエアー曲等が事実上、下地になっており、また、1980年代のヒット曲(村下孝蔵「踊り子」)も含まれた。
美術 †
各演者の譜面台はビッグバンド風に作られ、全てに「Takao Kisugi」と記されていた(「T」「K」は赤文字)。
オープニングは、メンバーが登場した後、小林亜星のインストゥルメンタル曲「過ぎ去りし日々」をBGMにし、ステージ後方に提げられたスクリーンを用い、オリジナルアルバム『余韻』のジャケット(小津安二郎の戦後モノクロ作品のタイトルバック)を彷彿とさせるデザインワークに、公演名や出演者名(「出演」と表示されると、観客から笑いが起きた)、来生の写真等が提示され、その後、1曲目の「おもいで」のイントロと共に来生が登場した。
楽曲 †
1曲目の「おもいで」の間奏で、客席から拍手が起きた。ステージによっては、他の楽曲でも同様の反応があった(下記の各公演を参照)。
「君のスープを」「学生時代」は、2006年の『来生たかお マンスリーソロライブ Stand Alone Another Side』以来の選曲だった。
「異邦人」の1番は、キーボードのみで始まり、途中からギターが加わった。
「雨に咲く花」は、最後にリフレインが付け加えられた。
「ギターをひこう」は、イントロからサビ前までは、ギターのみの伴奏だった。
「今日でお別れ」は、オリジナルアルバム『余韻』収録のアレンジを基調とし、本公演で唯一、RYUMEIがコーラスを付けた。
アンコール曲の「踊り子」を歌う前、来生が村下孝蔵の名前を出すと、観客が響いた。
アンコール前は、サポートメンバーはステージを捌けず、そのまま来生の再登場を待った。
ドラムは、通常のスティックの他に、「君のスープを」「いいじゃないの幸せならば」「あいつ」「あなたの心に」「雨に咲く花」ではワイヤーブラシが、「あなたの心に」「ギターをひこう」ではカホンが使用された。また、ギターはセミアコースティックギター1本だけだった。
その他 †
1曲目から4曲目、12曲目、13曲目は金色のヴィンテージマイクを前に、眼鏡を外し、スタンドマイクで歌われた。なお、その際はステージ前方部の床に設置されたプロンプターで歌詞が確認出来るようになっていた(以降、スタンドマイクで歌う際はプロンプターが使用されるようになる)。
衣装は、チェック柄が入ったグレーのジャケットにネクタイ、シャツは裾出しスタイルで、整髪料で髪を固めたヘアスタイルだった。山崎、藤谷共にネクタイを締め、藤谷はハットを着用した。
通常のコンサートとは異なり、どの会場でもサポートメンバーが登場した時点で観客から拍手が起きた。
事前の告知では、桜井正宏の表記は「桜井マサヒロ」、RYUMEIのそれは「リュウメイ」だった。また、来生はピアノも担当する記載があったが、実際は歌唱に徹した。後に、演奏パートに一部誤りがあったとして、オフィシャルサイトで訂正された。
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| | グッズ等
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全会場でCDやDVD等の販売はなかった。
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各公演 †
- 1日目(東京都)
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| | ... |
ステージ後方に4本のスタンドライトが均等に配置され、楽曲によってはミラーボールが使用された。
両ステージ共、撮影用のビデオカメラが入っていた。
- 1st Stage
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| | 主なMC
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全て他人の楽曲を歌うのは初めて/1960年代や1970年代は音楽で喜んだり興奮したりした事、同年代の人は往時に思いを馳せ、若い人は良い歌だと思ってくれたら嬉しい/「おもいで」は作曲者の平尾昌晃版の後に布施明版でヒットした/多くの楽曲を歌いたいのでMCは早口になる/「今は幸せかい」は同じ中村泰士作品でも「喝采」よりも好きで、出だしの「遅かったのかい」はこれ以外のメロディーはないと思う/「君のスープを」は名曲ではないが姉の友達が弾き語りで歌うのを聴いて好きになった/「いいじゃないの幸せならば」は刹那的、退廃的な歌詞にさり気ないメロディーで仕上がっている/「あいつ」「学生時代」の作者は好きな作曲家の1人である平岡精二だが、いずみたくと同様に早逝した/「あいつ」は石原裕次郎版も良い事、「真冬の帰り道」は汚れのない青春時代が甦って胸がキューンとし、作曲者である喜多嶋修は内藤洋子と結婚した/「あなたの心に」は都倉俊一のデビュー作で、「五番街のマリーへ」「ジョニィへの伝言」への布石に感じる/「異邦人」は1970年代の秀逸の1曲で、サビで急にメジャー調になる所や、ヨーロッパ風のメロディーに中近東風の編曲をした萩田光雄は素晴らしい/「雨に咲く花」は小学生時代に口遊んでいた歌だが、もう井上ひろしの歌声が聴けないのは残念/「ギターをひこう」はオープニングの「過ぎ去りし日々」と同じ小林亜星の作品で、加藤登紀子の2枚目か3枚目のシングルで*3、サビで急にメジャー調になるのが斬新/「ふれあい」もいずみたく作品/今回の選曲には悩んだ/三橋美智也の「古城」や春日八郎の歌は当会場には似合わないと思って止めた/正に昭和の歌である「今日でお別れ」に描かれた男女が何故別れるのか想像して欲しい/「踊り子」の村下孝蔵が存命ならば更に良い楽曲を作っていただろう
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- 2nd Stage*4
客席には、来生夫人や、歌手の亜海れい子が居た*5。
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| | 主なMC
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この日の為にTBS系のドラマ『3人家族』、成瀬巳喜男監督作品『乱れる』、小津映画を観て、どっぷりに昭和に浸って来た/「今は幸せかい」のように簡単そうな楽曲程、実際は作るのが難しい
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- 2月目(愛知県)
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| | ... |
東京公演とは逆に、ステージに向かって右側にベース、左側にギターが配置された。
アンコール後、来生が捌けても、客席からアンコールの拍手が起きた。
- 1st Stage
整髪料で固めた前髪が、他の公演に比べて幾らか乱れ気味だった。
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| | 主なMC
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全て他人の楽曲を歌うのは初めて/1960年代や1970年代は音楽で喜んだり興奮したりした/同年代の人は往時に思いを馳せ、若い人は良い歌だと思ってくれたら嬉しい/「おもいで」は冒頭8小節が哀愁があって素敵で、作曲者の平尾昌晃版の後に布施明版でヒットした/多くの楽曲を歌いたいのでMCは簡潔になる/「今は幸せかい」は同じ中村泰士作品でも「喝采」よりも好きで、出だしの「遅かったのかい」はこれ以外のメロディーはなく、簡単そうな楽曲程、実際は作るのが難しい/「君のスープを」は姉の友達が弾き語りで歌うのを聴き、作曲のきっかけになった/「いいじゃないの幸せならば」は刹那的、退廃的な歌詞にさり気ないメロディーで仕上がっている/「あいつ」を歌った旗照夫は恰幅が良くてダンディーでフォーマルな格好で歌っていた/平岡精二の作では「学生時代」の他に「爪」も好き/「真冬の帰り道」は汚れのない青春時代が甦って胸がキューンとし、ザ・カスケーズ「悲しき雨音」を思い出す/「あなたの心に」は都倉俊一のデビュー作で、爽やかで初々しく、「五番街のマリーへ」「ジョニィへの伝言」への布石に感じる/「異邦人」は1970年代の秀逸の1曲で、サビで急にメジャー調になる所が面白く、ヨーロッパ風のメロディーに中近東風の編曲をした萩田光雄は素晴らしい/「雨に咲く花」は歌詞の意味も解らずに小学生時代に口遊んでいた歌だが、もう井上ひろしの歌声が聴けないのは残念/「ギターをひこう」はオープニングの「過ぎ去りし日々」と同じ小林亜星の作品で、「ふれあい」もいずみたく作品/正に昭和の歌である「今日でお別れ」に描かれた男女が何故別れるのか想像して欲しい/「踊り子」の村下孝蔵が存命ならば更に良い楽曲を作っていただろう
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- 2nd Stage*6
「おもいで」の他、「今は幸せかい」「いいじゃないの幸せならば」「踊り子」等の間奏でも、客席から拍手が起きた。
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| | 主なMC
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MCは簡潔にしなければならないが、時間厳守の1st Stageと違って2nd Stageは自由/この日の為に山田太一のドラマ『3人家族』、成瀬巳喜男監督作品『乱れる』『乱れ雲』(後者は、普段は訳の解らない現代音楽を作る武満徹の音楽が素晴らしい)、小津映画を観て、どっぷりに昭和に浸って来た/「君のスープ」は加山雄三主演ドラマの主題歌だった事、多くの名曲を作ったいずみたくの「いいじゃないの幸せならば」のメロディーはコロンブスの卵で、もし今の時代に例えば竹内まりやが歌ったらヒットは間違いないだろう/「あいつ」は石原裕次郎版も良い/「真冬の帰り道」を作曲した喜多嶋修の奥さんは内藤洋子/小学3年生の夏休みに東京都下に引っ越した時に流行っていた「雨に咲く花」は、センチメンタルなメロディーが子供心にシビれた事、「ギターをひこう」はオープニングの「過ぎ去りし日々」と同じ小林亜星の作品で、サビで急にメジャーに変わるのが斬新/当会場はこの年の6月から禁煙になった/昔のテレビ番組でフランク・シナトラが煙草を吸いながら歌っていた
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- 3日目(大阪府)
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| | ... |
会場外の受付には、この日のコンサートではオリジナル曲を歌わない旨が掲示された。
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スケジュール †
No. | 日付 | 会場 | 開場/開演 | 料金/席種 | 備考 |
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1 | 2019.07.06(土) | 東京都・Billboard Live TOKYO | 1st | 15:30/16:30 | サービスエリア8400円/自由席 | カジュアルエリアは1ドリンク付き |
カジュアルエリア7400円/指定席 |
2nd | 18:30/19:30 | サービスエリア8400円/自由席 |
カジュアルエリア7400円/指定席 |
2 | 2019.07.11(木) | 愛知県・NAGOYA Blue Note | 1st | 17:30/18:30 | ミュージックチャージ8400円/指定席 | |
名古屋ブルーノートメンバーズ会員8100円/指定席 |
2nd | 20:30/21:15 | ミュージックチャージ8400円/指定席 |
名古屋ブルーノートメンバーズ会員8100円/指定席 |
3 | 2019.07.13(土) | 大阪府・Billboard Live OSAKA | 1st | 15:00/16:00 | サービスエリア8400円/自由席 | カジュアルエリアは1ドリンク付き |
カジュアルエリア7400円/指定席 |
2nd | 18:00/19:00 | サービスエリア8400円/自由席 |
カジュアルエリア7400円/指定席 |
出演 †
- Vocal:来生たかお/Keyboards:山崎教昌/Electric Guitar, Chorus:RYUMEI/Electric Bass:藤谷一郎/Drums:桜井正宏
セットリスト †
開演前BGM=小津安二郎の映画作品より「サセレシア」他
- オープニングBGM=過ぎ去りし日々(作曲:小林亜星/インストゥルメンタル〈1985年/昭和60年〉)
- おもいで(作詞:水島哲/作曲:平尾昌晃/原歌唱:布施明〈1961年/昭和36年〉)
MC
- 今は幸せかい(作詞・作曲:中村泰士/原歌唱:佐川満男〈1968年/昭和43年〉)
- 君のスープを(作詞:岩谷時子/作曲:弾厚作/原歌唱:加山雄三〈1966年/昭和41年〉)
- いいじゃないの幸せならば(作詞:岩谷時子/作曲:いずみたく/原歌唱:佐良直美〈1969年/昭和44年〉)
MC
- あいつ(作詞・作曲:平岡精二/原歌唱:旗照夫〈1960年/昭和35年〉)
- 学生時代(作詞・作曲:平岡精二/原歌唱:ペギー葉山〈1964年/昭和39年〉)
- 真冬の帰り道(作詞:水島哲/作曲:喜多嶋修/原歌唱:ザ・ランチャーズ〈1967年/昭和42年〉)
- あなたの心に(作詞:中山千夏/作曲:都倉俊一/原歌唱:中山千夏〈1969年/昭和44年〉)
- 異邦人-シルクロードのテーマ-(作詞・作曲・原歌唱:久保田早紀〈1979年/昭和54年〉)
MC〜メンバー紹介
- 雨に咲く花(作詞:高橋掬太郎/作曲:池田不二男/原歌唱:井上ひろし〈1960年/昭和35年〉)
- ギターをひこう(作詞:水木かおる/作曲:小林亜星/原歌唱:加藤登紀子〈1967年/昭和49年〉)
- ふれあい(作詞:山川啓介/作曲:いずみたく/原歌唱:中村雅俊〈1974年/昭和49年〉)
MC
- 今日でお別れ(作詞:なかにし礼/作曲:宇井あきら/原歌唱:菅原洋一〈1967年/昭和42年〉)
MC
- 踊り子(作詞・作曲・原歌唱:村下孝蔵〈1983年/昭和58年〉)
- エンディングBGM=過ぎ去りし日々(作曲:小林亜星/インストゥルメンタル)
※14:アンコール
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