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「トルシエには絶対にスキを見せないぞ.あいつには何でいちゃもん
つけられるか,わからないからな」という緊張感を持って,みんなギ
リギリのところで神経をすり減らしながら働いた.
『山本昌邦備忘録/トルシエジャパンの1369日』(講談社) p.46
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トルシエが不思議なのは「走ってろ!」と怒ったことを,言ったそばから
忘れていることだ.怒られて困惑している西澤に「走ってこいと言っ
ているから,とりあえず走ってろ」と私が言う.西澤も私も,トルシ
エがいいと言うまでずっと走っていなければならないと思う.が,ト
ルシエはガーッと練習に集中すると,そんなこと忘れてしまう.私が
「西澤,どうする?」と聞くと,「オー,戻せ.いつまで走ってるんだ」
『山本昌邦備忘録/トルシエジャパンの1369日』(講談社) p.21
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そのうち,選手とトルシエ,スタッフとトルシエの間に入って,お互いの温度
を,トルシエが熱くなっていたらトルシエに水を足し,お互いが熱くなってい
たら両方に水を足して,適当な温度にしてから話をさせるような役回りを務め
るようになっていた.
『山本昌邦備忘録/トルシエジャパンの1369日』(講談社) p.158