開始


病める者の生活

まずは生活する

はじめに言っておきたいのは「ストレスのない生活は、どんな家財より貴重」ということです。

暮らしを整えると、病気の負担がましになります。

満足行かない物を買って後悔するのでは…という心配もありますが、以下の理由からそう心配しなくていいと言えます。

  • 組み上げてから不満を指摘するほうがやりやすい=早く理想の生活になれる
  • 設計のプロじゃないんだから、トライ&エラーでいいじゃない
  • 「失敗」というのはありません。生活できたらいいんです

生活でストレスをためないようにしよう

生活用品は充分な量を。不足がないように

  • ホテル並みのバスタオル3枚
  • 普通のタオル15枚以上)
  • トイレットペーパー24ロール
  • 下着20日分
  • 同じ柄の靴下5〜10足
  • 箱ティッシュ10箱
  • 砂糖
  • 醤油

生活用品が足りない&充分な機能を果たさないと、すごくいらいらします。なんだか、毎日の生活で常に我慢するような状況になりますし、1日でも洗濯しないとやっていけないようでは、自分の失敗をさらに責め続けたり、予期不安のもとになったりして病状が悪化します。

「だらしない生活しなきゃそんなにそろえなくていいよ」とも言われると思いますが、これは心の健康法だ!と割り切って、正当な批判から身を守りましょう。いくら正当でも、病気の身には堪えますからね。

南野自身、そういう考えがありましたが、生活用品をそろえて(服や本と違って替えがきくものなのに無駄にお金を使って)自分を甘やかすようになってから、緊張や心拍数の急上昇がおちつき、仕事に専念できるようになりました。

完璧を求めなくてよい状況を

初めて一人暮らしをする家は、ぶつけ放題の中古車のようなものだと思うと気が楽です。たとえその家に続けて5年住む予定があっても「ここは仮の住まい」だと思ってください。

車でもそうですけど、最初に中古車を選ぶ理由は「はじめの運転では失敗するから」です。周りのオシャレさんの、いかにも「成功してる」って感じの部屋や、一人暮らし経験者の「無駄なことをして!」というアドバイスに圧倒されて、はじめから成功しなきゃいけないと思いがちです。実際、すみかって簡単に変えられませんしね。

けど、失敗するのがセオリーです。そして、そこは貴方が「暮らしの何もかもわかった末に建てた家」ではありません。まったくの他人が、何年も前のセンスで作った物です。そこに、とりあえずすみかが欲しくて貴方は移り住んだはずです。つまり、その状況じゃうまくいきようが無いんです。

狭くて生活機能のないホテルの部屋でも、貴方はいごこちがいいと感じたはずです。その感覚で「決して理想ではなく、自分のキャラにも合わない借り物の空間」だと認めると、好みではないのに居心地は悪くなく、それを突っ込まれても多少は楽になる…はずです。