勇者飛翔ファルブレイク第七話


189 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 13:56:32 ID:iz/8k/xL
流れぶった切って申し訳ありませんが・・・第7話、行きます・・・

「くくくくく・・・遂に、遂に始まった!ブレイバーズの最期を飾る戦いが遂に始まったのだ!!」
合体した暴雷牙を見て、早くも勝利を確信した荒木は笑いだす。
「さあ暴雷牙よ!殺せ!潰せ!破壊しろ!この世界を殺戮と破壊の嵐を巻き起こすのだ!ハハハハハハ!」
痛々しい程の勢いで笑い続ける荒木。が、
「断る」
「・・・は?」
予想外の暴雷牙の反応に、荒木は静止した。
「私は強い相手と戦いたいだけだ。殺戮や破壊がやりたいなら余所を当たってくれ」
「な・・・何だと・・・!?」
あまりにも予想外のやる気のない反応に、荒木は言葉を失って凍り付いた。
そんな荒木を無視して、暴雷牙は前進する。
「さて・・・行くぞ、ブレイバーズ・・・」

第七話 ファルブレイクVS暴雷牙 前編

「くっ!博士、ファルコンウイングを出撃させて下さい!」
「分かった!」
シンヤの要請に応え、5分も経たない内にファルコンウイングが現場に姿を現した。
「行くぞ!ブレイク!」
「おう!」
シンヤの掛声と同時に、ブレイクは跳躍する。
「ウイングフォーメーション!」
ファルコンウイングは即座に変形し、ブレイクと合体した。
「飛翔合体!ファルブレイク!」
合体完了したファルブレイクは名乗りを上げた。

「ふっ、中々ノリが良いじゃないか、ブレイバーズ」
そう言うと暴雷牙は背部から剣を取り出し、手甲に装着した。剣の形状はファルソードとほぼ同じだが、取り付け方のせいか、殆ど別物の
様な印象を受ける。
「ノリが良いもなにも、ここでお前を止めない訳には行かないからな」
「おいらも同意だよ」
ファルブレイクとソウトーガは、互いの武器を構えた。
「隊長、まずはオレに行かせて下さい」
シンヤは眼で合図を送った。
「分かりました。気を付けて下さい・・・」
武藤もそれに答える。
「ふっ・・・行くぞ!」


190 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 13:57:20 ID:iz/8k/xL
剣を構えた暴雷牙が、即座に突進を仕掛けて来る。
「うおぉぉっ!!」
すかさずファルブレイクも突撃する。
次の瞬間、二つの剣がぶつかり合う、鈍い音が響いた。
「ぐっ・・・」
互いの剣の勢いは完全に拮抗している。
「ふっ、楽しませてくれよファルブレイク・・・戦いが私の生き甲斐なんだからな・・・」
「お前の生き方に難癖を付ける気は無いが、こちらはお前と楽しんでいる暇は無い!」
「そう連れない事を言うなよ!」
暴雷牙が先に鍔迫り合いを振り切った。
「戦いはまだ始まったばかりだ!」
一閃がファルブレイクに振り下ろされる。
「くっ!」
その一撃を、ファルブレイクはファルシールドで受け止めた。
「はっ!はあっ!」
すかさず暴雷牙は二度、三度と一閃を加える。その度にファルブレイクは後退する。
「どうした!受け止めるだけか!」
「くっ、調子に乗るなあっ!!」
ファルブレイクは隙を突いて蹴りを繰り出す。
「がっ!?」
その一撃は暴雷牙の左肩にヒットし、暴雷牙は一瞬姿勢を崩す。
「うおぉぉっ!!」
今度はファルブレイクがファルソードを振り下ろした。

「ふんっ!」
その一撃を、暴雷牙は剣で受け止めた。
「はあっ!」
そして即座にファルソードを振り払った
「くっ!」
ファルブレイクはブースターをふかして空中へ跳躍しようとした。が、
「甘いっ!」
直後、暴雷牙の剣に亀裂が走ったかと思うと、そのまま鞭の様な形状へ姿を変えた。
「食らえっ!」
そして変形した剣は、ファルブレイクの脚へ向かって飛んで行く。
「何っ!?」
予想外の攻撃をファルブレイクはかわす事が出来ず、剣は脚に巻き付いた。
「むんっ!!」
暴雷牙は剣を強く引っ張った。
「があぁぁっ!?」
それに引っ張られ、ファルブレイクの身体も宙を舞う。
「うあぁぁっ!?」
コックピット内では突然の衝撃にシンヤが悲鳴を上げた。そして、
「ぐあぁぁっ!?」
直後、剣に引っ張られたファルブレイクの身体は、地面に叩き付けられた。
「まだだ!!」
再び暴雷牙は剣を引っ張る。
「おおぉぉっ!!」
そして今度は近くのビルに向かって、持ち手を大きく動かした。
「ぐああぁぁっ!?」
ファルブレイクは今度は、ビルの外壁に思い切り叩き付けられる格好になった。


191 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 13:58:47 ID:iz/8k/xL
「だ、大丈夫か・・・相馬・・・」
「あ、ああ・・・お前はどうだ・・・ブレイク・・・?」
「どうにかな・・・だが今の攻撃は・・・」
ファルブレイクの身体は半分外壁に埋もれていた。致命傷では無いが、少しばかり回復に時間を取られそうだった。
「フッ、如何かな?我が剣、暴曼陀亜の一撃は・・・」
変形した剣、暴曼陀亜をゆらゆらと動かしながら、暴雷牙が言う。
「この剣は今見せた様に12個の節をワイヤーで接続した物だ。状況に応じて普通の剣の様に使う事も節を切り離して鞭の様に使う事も出来る。故に・・・」
そう言うと暴雷牙は切っ先を近くの電柱に走らせた。それぞれの節が電柱に絡み付く。
「こんな遊びも出来る!」
そして再三持ち手を引っ張った。電柱は根元からへし折られ、暴曼陀亜に引っ張られて宙を舞った。
「はあぁぁっ!!」
暴雷牙はそれをハンマーの要領で振り下ろす。標的は無論、ビルに横たわっているファルブレイクだ。
「ブレイク!」
「くっ!」
ファルブレイクはどうにか起き上がり、一撃を交わした。ビルに激突した電柱が粉々に砕け散る。
「ほう・・・まだ避ける気力は残ってるか・・・だが、いつまで持つかな・・・?」
暴雷牙は不敵な笑みを浮かべた。が、
「おいらを忘れてもらっちゃ困るんだよねー!」
後方からソウトーガがソウトーボウを振り上げて迫る。
「ぬっ!?」
暴曼荼亜で攻撃を抑える暴雷牙。
「フッ、威勢のいい奴だ!」
暴雷牙は攻撃を振り払う。
「褒めたって何もあげないよ!」
ソウトーガは後方へ大きく跳躍する。
「あんたにあげるのは、この一撃だけだよっ!必殺!百花繚乱!」
叫び声と共に、ソウトーガは乱激を叩き込んだ。
「ぐっ!?」
暴雷牙は顔を覆った。直後に、土煙が舞い上がった。

「どうだいっ!」
着地したソウトーガは勝ち誇った表情をする。が、
「・・・残念だったな・・・確かに強烈な攻撃だったが、まだ私を倒すには至らんよ・・・」
土煙が晴れ、暴雷牙が歩み寄って来る。
「・・・あんちゃん・・・やっぱりこいつ相当しぶといよ・・・」
「みたいですね・・・」
武藤は頭を抱えた。
「今度はこちらの番だ!」
そう言うと暴雷牙はブースターを使ってソウトーガに迫る。
「うぉっとぉ!」
ソウトーガは跳躍して一閃をかわす。が、
「ふっ」
瞬時に暴雷牙は暴曼陀亜を鞭に変形させ、ソウトーガに向けて刃を走らせた。
「うわぉっ!?」
暴雷牙の攻撃は更に続いたが、ソウトーガは間一髪でかわし続ける。
「ははははは!いつまでもかわし続けられると思うなよ!」
暴雷牙は笑いながら鞭を振り回す。その精度は確実に上がっており、ソウトーガの俊敏さを持ってしても少しずつかわすのが難しくなっていた。
「あんちゃん!ちょっとマズいかもよ!?」
「くっ!相馬君!」
武藤はブレイアームズに向かって叫んだ。


192 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 13:59:52 ID:iz/8k/xL

「ブレイク・・・行けるか?」
「ああ・・・大丈夫だ・・・」
ソウトーガが暴雷牙の攻撃をかわし続けている後ろで、ファルブレイクはよろよろと立ち上がり、左手にファルシールドを装着した。
「これ以上、奴の好きにはさせんさ!」
そう言うとファルブレイクはファルシールドを構え、背部のブースターを展開する。
「行くぞぉっ!!ジェットスマッシュ!」
掛声と共に、ブレイクは一気に加速した。

「何っ!?」
暴雷牙は、後方から高速で接近して来るファルブレイクに気付いた。
「無駄な事を!」
そう言うと暴雷牙は再度ソウトーガに向けて鞭を走らせた。
「!しまった!」
今度の攻撃はかわし切る事が出来ず、暴曼陀亜がソウトーガの足に絡み付く。
「味方同士で仲良く玉突き合え!」
そう言うと暴雷牙は思いきり暴曼荼亜の持ち手を引っ張った。
「うわあぁぁっ!!」
そしてハンマーの如く引っ張られたソウトーガが、突進してくるファルブレイク目掛けて飛んで行く。

「ブレイク!ソウトーガが!」
その様子に気付いたシンヤは一瞬目を疑った。
「わあぁぁぁっ!!どいてえぇぇぇっ!!」
叫びながら、ソウトーガがこちらに向かって落下して来る。
「このままじゃ激突するぞ!」
「しかし・・・!」
今から急停止しても、互いに激突は免れられそうに無い距離まで迫っている。ファルブレイクは一瞬戸惑った。が、
「・・・許せ!ソウトーガ!」
そう言うとファルブレイクは空中に大きく跳躍した。そして、
「どへえっ!?」
直後にソウトーガは悲鳴と共に地面に叩き付けられた
ファルブレイクはソウトーガを踏み台にして更に高く跳躍したのである。
「何だと!?」
その行動までは予測できなかった暴雷牙が驚く。
「うおぉぉぉっ!!」
飛べる高さまで全力で跳躍したファルブレイクは、瞬時に背中からファルソードを取り出し、装備する。
「食らえ!ジェットスラッシュ!!」
そしてそのままファルソードを構え、暴雷牙に加速しながら向かって行く。
「くっ!そうは行くか!」
暴雷牙は暴曼陀亜を瞬時に剣に変形させ、ファルブレイクに向かって跳躍した。
「うおぉぉっ!!」
「はあぁぁっ!!」
そして二つの一閃が、空中で相まみえた。


193 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 14:00:44 ID:iz/8k/xL
「がっ!!」
「ぐっ!!」
ファルブレイクと暴雷牙はそれぞれ地面に落下した。
「くっ・・・ブレイク・・・大丈夫か・・・?」
シンヤはブレイクに問い掛ける。
「ああ・・・だが・・・右足が」
「・・・!」
コックピットに映し出されたのは、空中で暴曼陀亜によって膝から下を切り落とされた、ファルブレイクの右足だった。
「・・・立てそうか・・・?」
「・・・どうにかな・・・だが、これ以上戦闘を続けるのは厳しいな・・・」
ファルソードを杖にどうにかファルブレイクが立ち上がる。
「おーい!ファルブレイクの兄貴ー!」
向こうからソウトーガが走って来る。
「酷いじゃないか!オイラを踏み台に・・・」
言い掛けて、ファルブレイクの様子を見たソウトーガは口を噤んだ。
「・・・ごめん・・・」
「謝る必要なんてないさ。こちらこそ、さっきはすまなかったな・・・」
ファルブレイクは苦笑しながらも頭を下げた。
「・・・相馬君、ブレイクと共に、ここから離脱して下さい」
武藤は苦しそうに告げる。
「隊長・・・でも・・・」
分かっている、状況から見てもこれ以上ブレイクに無茶をさせる事は出来ないのは明白だ。
だが、こんな形で戦線離脱しなければいけないのはシンヤにもブレイクにも辛かった。
「・・・心苦しいのは分かります。ですが時には撤退も必要なんです。分かって下さい・・・」
そう言う武藤の表情も苦しそうだった。
「・・・相馬・・・」
「・・・了解・・・後は頼みます・・・隊長・・・」
シンヤは撤退指令を受け入れた。が、
「そうは行くか・・・」

「一度剣を引き抜いたなら、どちらかが倒れるまで戦い続けるのが戦士の常だろう?」
先程の一撃で切り落とされたのだろう、左腕の無い暴雷牙がこちらに向けて歩いて来る。
「・・・あんた・・・まだやる気なのかよ・・・」
ソウトーガは身構えた。
「当然だ。貴様等ブレイバーズを倒す事が私に与えられた唯一の使命だからな・・・」
そう言うと暴雷牙は右手の暴曼陀亜を向けた。
「相馬君、早く撤退を・・・ここは私が引き受けます・・・」
目で合図を送る武藤
「隊長・・・すいません・・・ブレイク」
「分かった・・・」
そう言うとファルブレイクは反対方向を向いた。これだけの動作でも、今はかなりの負担に感じた。
「逃がさんぞ!」
その様子を見た暴雷牙は尚も追撃を仕掛けようと斬りかかって来る。が、
「そこまでだぜ」


194 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 14:01:38 ID:iz/8k/xL
「がっ!?」
突然横からの衝撃を受けて、暴雷牙は姿勢を崩した。
「悪いが、仲間の撤退を邪魔させる訳には行かないんでな・・・」
「トライセイバーの兄貴!」
ソウトーガが叫んだ
そこには、セイバーショットを構えたトライセイバーが立っていた。
「フッ・・・まだいたのか、ブレイバーズ・・・」
「随分な言い草だな。まあいいや。それより、ここは一旦退いて貰えないかい?暴雷牙さんよ・・・どっちにしろあんたもあんま無理が出来る状態じゃ無いだろ?」
「・・・」
トライセイバーに指摘され、暴雷牙は切り落とされた左腕を見た。
「・・・フッ、確かにこの状況で二対一は分が悪いな・・・いいだろう、ここは一旦退こう。が・・・」
そう言うと暴雷牙は暴曼陀亜をブレイバーズに向けた。
「次こそは必ず貴様等の首を打ち取る。首を洗って待っていろ!」
そして暴雷牙は背部のブースターをふかして飛び去って行った。

「き、貴様!何を勝手な真似を・・・!」
飛び去って行く暴雷牙を見て荒木は唖然とする。
「気が変わった。こちらもダメージも軽くない上に予想以上に敵がしぶとくて分が悪い。一旦引いた方が賢明だ」
淡々とした声で答え、暴雷牙は見えない所まで飛んで行った。
「く・・・どいつもこいつも私を馬鹿にしおって・・・」
荒木は舌を噛んだ。

「どうにか退けたみたいだな・・・大丈夫か、ファルブレイク?」
「大丈夫・・・とは言えんな、残念だが・・・」
ファルブレイクはトライセイバーの肩を借りてどうにか起き上がった。
「あーあ、右足がザックリやられてんな・・・おい相馬、手前もブレイクの相棒なんだからもっとしっかりしろや。情けねえぞ」
「・・・すいません・・・」
シンヤには返す言葉も無かったが、藤野の口調もいつもに比べるとそこまでキツくは無かった。
「まあまあ藤野君、とりあえず無事なので良かったではありませんか。司令、博士、一旦基地に戻ります。ブレイクの修理準備をお願いします」

「とりあえずは皆無事の様だな・・・」
乃木坂は額から噴き出した汗を拭った。
「・・・今回の敵をどう思います?司令」
「・・・どうにもこうにも、情報が少な過ぎるな・・・」
腕を組んで麻生は考え込んだ。
「だが・・・超AIをコピーするなど、そんな芸当がそうそう出来るとは思えんな・・・あれはただコピーするだけだとしても生半可な技術力と知識では不可能
な筈だ。それをやってのけるということは・・・」
「・・・司令、まさか彼が関与している可能性は・・・」
「・・・有り得ない話では無いが、それを決め付けるのはまだ時期尚早だな・・・いずれにせよ、今後敵は益々力を増して来るだろう・・・
油断は出来ないな・・・」


195 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 14:02:10 ID:iz/8k/xL
「・・・今回はどうやら失敗の様だな・・・」
モニターでこれまでの様子をモニターで見た村上は顔をしかめた。
「ええい!貴様!どういう事だ!?」
直後に、怒りで顔を歪ませた荒木が部屋に入って来る。
「散々偉そうに言っておきながらなんだあのザマは!しかもあの人を馬鹿にしきった様ないい加減な態度!もう我慢ならん!!」
「そう一々大声で叫ぶな・・・焦らずとも今回の戦いでより多くのブレイバーズのロボのデータを手に入れる事が出来た。これを元に暴雷牙を強化すれば今度こそ
貴様の望む最強の維新機士を造る事も不可能ではない・・・」
「・・・その言葉、本当に信用して良いんだな・・・?」
「勿論だ・・・」
村上の顔が不敵に歪む。
「・・・ならば今一度、貴様の腕を信用させてもらうとしよう・・・」
そう言うと荒木は部屋を出て行った。
「・・・フッ、やはり馬鹿は丸めやすいな・・・」
呆れた様な顔をする村上。
「んっふうん、村上さんも中々怖い人ねえ・・・」
そして部屋の影に隠れていたのか、小坂がいつものなよなよした声と共に姿を現した」
「それにしても本当に良いのかしらぁ?あの暴雷牙って子、それなりに自信作なんでしょぉ?」
「構わんさ、所詮は試作機だ。それに、感情を持った兵器など失敗作以外の何物でも無い事が分かったからな・・・これ以上奴に期待する事は何も無い」
そう言った村上の顔は邪悪に歪んでいた。

「博士、私達に一体どの様な用事なのでしょうか・・・」
帰還後、シンヤと武藤は乃木坂に呼び出され、格納庫にやって来た。
「ん、実は君達・・・今回はブレイクとビーストブラザーズにもだが、聞きたい事があってだな・・・」
「ブレイクとビーストブラザーズにも・・・ですか?」
武藤は顔をしかめる。
「ああ、一言で言うなら、今回の敵、暴雷牙についてどう感じたかと言う事だな・・・ブレイク、ビーストブラザーズ、君達の意見も聞かせて欲しい。」
「どう感じたか・・・ですか・・・」
シンヤ達は考え込んだ。
「一言で言うなら、今までのロボ・・・維新機士でしたっけ、とは大きく違う印象でしたね」
「例えばどの様な点で?」
「そうですね・・・とりあえずは我々と同じく自我を持って行動し、その行動もこれまでの維新機士の様な単純な破壊目的では無く、我々との闘いを最優先している様にすら感じました・・・」
シンヤとブレイクがそれぞれの意見を言う。
「武藤隊長とビーストブラザーズは?」
「そうですね・・・私も相馬君、ブレイクと同じく、闘いだけを生き甲斐に生きている様な感覚を覚えましたね・・・ビーストブラザーズ、君達は?」
「私達はあのライオン型の維新機士としか戦ってないのですが・・・あの雷頑という維新機士も、これまでの維新機士とは異なる・・・兵器というよりは獣という印象でした・・なあ弟よ」
「丁度、我々のモチーフとなったネコ科の猛獣を彷彿とさせるので私達もソウトーガも戦い辛かったですね、兄さん」
ビーストブラザーズは顔を見合わせた。
「そうか・・・戦闘狂と猛獣か・・・今まではただの殺戮マシンに過ぎなかった維新機士に何故その様な人格面での個性を与えようとしたのか・・・分からんな・・・」
武藤は首を傾げた。
「いずれにせよ、暴雷牙が再度君達に戦いを挑んでくる可能性は十分に有り得る、我々も今後はより戦力の強化に・・・」
「オレ達を忘れないで下さいよ、博士」
そこへ、武藤が現れた。
「そうですぜ博士。オレ達もブレイバーズの一員なんだ。そこんとこ、よろしくなッ!」
セイバーヘッドはニッと笑いながら親指を立てた。
「・・・そうだったな・・・ブレイバーズ、今後戦いは更に厳しくなるだろうが、頼んだぞ・・・」
「了解!」


196 :勇者飛翔:2009/01/13(火) 14:02:40 ID:iz/8k/xL
「静かだ・・・この何も無い心地良さが、戦いで火照った私の心を落ち着かせる・・・」
誰もいない格納庫で、暴牙は一人呟いていた。
「グォォ・・・」
そんな暴牙に反応して、横の雷頑が唸り声を上げる。ファルブレイクによって斬られた左脚=左腕が痛むのか、その声は苦しそうに感じた。
「・・・フッ、そうだな・・・お前がいたな、雷頑よ・・・」
暴牙は苦笑すると、雷頑の頭を撫でた。
「・・・雷頑よ、せめてお前だけは、最後まで私の友でいてくれよ・・・」
「グォォ・・・」

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