勇者戦記アークインペリオス第二話


311 名前: 251こと勇者戦記 [sage] 投稿日: 2008/09/13(土) 23:06:00 ID:80673zO7
先日お叱りを受けたのですが・・・
皆さんの熱いss見てたら我慢できなくなってしまったので投下しますorz
読んでいただけると幸いです。
でわ


第二話 「合神」 

叫び声と同時に空中から落ちかけていた車はそのボンネットの部分がせりあがりバクンと前に折れた。
次に屋根の部分が真ん中から二つに割れ座席の下からでできたものと接合され前面に出てきて腕を形成、同時に荷台も割れ脚を形作る。
そして折りたたまれたボンネットのちょうど折り目の部分か顔が出でくる。
ボンネットが左右に開き銀色の、真ん中に赤い宝石が輝いているエンブレムがあらわれる。
そしてそのツインアイに光がともる。
蒼い装甲に銀色の間接を有す巨人。
その脚で地上に降り立つ巨人の姿は誰もが待ち望んだものであった。

「アーク・・・」

現在、日本いや世界でツヴァイに一対一で対抗しうる唯一の機体。
何度もツヴァイを退け、国民からは勇者、Geからは少々の厄介者としてみられている。

「行け。地球人。ここは私が抑えておく。」
落ち着き払ったアークの声が唖然としていた宙を現実へ引き戻す。
そのツインアイタイプの顔は自律金属なのか確かに表情があった。
厳格な顔立ちの中に優しさを秘めたまさしく勇者の顔だった。


遠方ではツヴァイが瓦礫をおしのけ立ち上がっていた。
「ガァァァ!!」
「ゆくぞ!」
ほぼ同時に叫びお互いの距離が一気に狭まる。
全長20mはあろうその巨体はスラスターをふかし地面を蹴る。
足跡がはっきりと残された地面にその身体は押し返されるように加速する。
一瞬で詰め寄りその勢いに乗せて拳を相手に叩き込む。
同じように猛烈な勢いのツヴァイはその勢いを維持したまま機械とは思えないほど柔らかな動きで軽く身を捻り拳を回避、
すれ違いざまに身体を返し回し蹴りを叩き込む。
背後からの一撃で前のめりに倒れこみそうになるアークだったが、
勢いを利用しそのまま前方に手をつき一回転をして追撃を防いだ。
対峙する2体の巨人。
先に仕掛けたのは、アークだった。
「アークガン!!」
言うが早いか、動くが早いか太ももの部分の装甲がせりあがり人間で言うところの拳銃が飛び出してきた。
素早く手に取り三発立て続けに発砲した。
高速で迫る弾丸をツヴァイは、自らの手で掴みとった。
機械でありながらも、人間的な動きで握られた拳を開く。
チャラチャラと弾丸が落ちる。一発を残し。
またニタァっと不気味な笑みを浮かべて大きく振りかぶり手に残された弾丸を投げた。
拳銃から打ち出されるのと変わりない速度の弾丸。
数瞬後アークは大きく吹っ飛んだがその身体を捻り華麗に着地した。
そしてその手には、先ほどの弾丸がちょうど人差し指と親指でつままれていた。
それをピシッとつぶすと「どうだ?」っと言わんばかりの不適な笑みを浮かべた。


312 名前: 勇者戦記 [sage] 投稿日: 2008/09/13(土) 23:17:51 ID:80673zO7
「ギィィィ!!!」
叫びながら突っ込んでくるツヴァイ。その踏み込みによって周りのビルのガラス窓が盛大にわれた。
「ほう、少しは知性がある奴か。それでこそ倒しがいがある。」
事態は加速を続ける。
こちらに向かっていたツヴァイはアークの目前で飛んだ。
不足の事態に一瞬戸惑うアーク。
その一瞬を見逃さず、ツヴァイは上空で再び発光し始める。そして膨大な熱が発せられた。
「はぁあ!!」
状況を把握したアークは気合と共に前方に手を突き出した。
その手には刃が握られていた。
「小刀・一式! 」
小刀に直撃したビームはものすごい勢い何本にも裂けて地面を抉った。
腰を屈めて片手で柄のの下を抑えながらアークは一気にスラスターの推進力を爆発させビームを裂きながらツヴァイに急接近をしかけた。
「うぉぉぉ!!」
叫びながら相手の胸に刃を突き立てた。
身体中から閃光が漏れて爆発が起こる。
その中からアークは飛び出し着地、刀を振って腰に戻し、
「任務完了」
冷たく言い放った。

一方宙は、
「うおぉぉぉ!?!?」
落ちていた。ものすごい勢いで。美羽を抱えながら。

それは少し前のこと。
アークに助けられた宙は戦火とは逆の丘の方角へ走っていた。
「ここまでくれば、」
と言いながら丘を囲う塀にもたれかかったのとほぼ同時に遠い向こうで爆発が起こった。
「おぉ!倒したのか!!」
美羽を抱えながら嬉しそうに言った。
これで美羽を医者に連れて行けると安心したときもたれていた塀が急に無くなった。
そして、
「ぐぁ!」
ある程度落ちた先は硬質な物の上だった。
しっかり自分が下になり美羽に衝撃がいかないようしていたのは流石だろう。
「いってぇ・・・美羽!?」
とりあえず呼びかけるが反応はない。
「くそ・・・」
辺りを見渡すが暗くて何も見えない。半球型の場所という感じか。なかなかの広さのようだった。
ブォンっという音と共にその空間の真ん中辺りに球体が浮かび上がり、その周りだけ薄明るくなった。

「その娘を守りたいか?」
何処からとも無く声が聞こえる。戸惑う宙。
「今度はなんだよ? 幻聴か? 俺もそろそろ末期だな。」
「汝に問う。守るための力が欲しいか?」
先ほどよりはっきりした声で謎の声は尋ねる。
「え〜誰でしょうか」
顔を引きつらせながら答える。偉そうな態度に少しひいている。こんな状況であろうと彼は自分に正直だ。
「我、地球を守りしもの。」
「あぁ〜確かに聞こえんなぁ・・・でもよ、さっきのツヴァイとか言う化け物は車ロボがやっつけたろ?だったらなにから守るんだ?こいつを助けてくれんのか?」
不思議な現象は事実と何とか理解させいろいろ尋ね返す。
声は無言だったが、目の前のモニターに光がともり映像が映し出される。
「なっ・・」
モニターには先ほどのロボとその巨体のさらに3倍はある機械、ツヴァイが戦っていた。
「何だよあれ!? さっき!?」
二人だけの空間で叫ぶ。
「やつらが、本格的に侵攻してきたということだ。」
「は? なんの話しだよ?」
「今は話している暇など無い。 アークがピンチだ。 蒔かれた種よ、どうする。」


313 名前: 勇者戦記 [sage] 投稿日: 2008/09/13(土) 23:20:04 ID:80673zO7
時は遡りツヴァイが爆発したところ。
上空から金属の塊が飛来、爆発したツヴァイを取り込み巨大化、変形をした。
その形状は先ほどまでの人型ではなく洋ナシのような形から触手が何本も伸びているものだった。
その触手でアークを捕らえ巨体で体当たりという先方で追い詰めていた。
アークも反撃はするが相手はびくともせず防戦一方であった。
「ぐあ! くっ強い・・・」
その人間にしたら、おそらくかっこいい部類に入る端整な顔立ちをゆがませている。
「グギャァァ!!!」
触手が一斉にアークめがけてあたっていった。

「さぁ、どうする。力を欲するなら我に触れよ。」
再び尋ねらられる。球体が強く輝く。
宙はそっと美羽を寝かせ立ち上がる。
「俺はただ何事も無く平和に暮らしたいんだ。それによ、お前みたいな偉そうな奴の言いなりになるのは嫌だ。」
一拍おく。
「でもなあのロボには借りがある。」
そう言いながら歩き出す。拳を握り締めて。
「力を求めればあいつが救えるなら、いいじゃねぇか!」
球体の前で立ち止まり強く言い放つ。
そして、自分の運命を変える一言。
「やってやるよ!」
球体に触れる。同時に辺りが命を宿したように明るくなる。
それはさまざまな機械に光がともったあかし。再び命が動きだしたあかし。
辺りよりさらに明るい光に包まれた宙は叫ぶ。
「ただしなぁ!<感謝する。>美羽のことも頼んだ、ぞ!?」
先ほどの声が割り込みさらに言い終えた後に硬質な床が開き、落ちる。
「うおぉぉぉ!?!?」
「頼んだぞ『芽』よ。」

ドンっと落ちるのが終わるとそこは座席だった。
辺りに光がともる。
目の前には小さなモニターがありその周りには計器がたくさんあった。
「なんだここ!?」
「よろしく、マスター。ぼくはゼロ。この機体そのものさ。久々に身体を動かすなぁ。・・・」
なんだなんだっと目を丸くする宙に無邪気な子供のような声が語りかける。
カシャンと外でなにかかせり出した。
「あっ操縦は僕がするから安心して?それじゃいくよ?」
ゴゴゴっとなにかくすぶる音がする。
「ナンデショウカネ?モウ、ワカリマセンヨ。」
つぶやくと同時に一気に身体にGがかかる。
外でゴウっと爆発音。
「っつ? なんだ?」
「いっけね、けっこう衝撃強いよ?あーあとハッチ開けるの忘れた。ぶち破るから気をつけて?」
「気をつけろたって、うあぁ!!」

それは暗い、滑走路を駆け抜ける。大空を駆けるために。
立ちはだかる障害を破壊して。

轟音と共に鉄片やら土やら撒き散らしながらある空き地の地面からそれは出てきた。
2、3度旋回し急降下。 
「アーク兄ちゃん待ってってね!」
銀色に輝く戦闘機が空を裂き、音を裂き飛んでいった。


314 名前: 勇者戦記 [sage] 投稿日: 2008/09/13(土) 23:26:57 ID:80673zO7
アーク触手に捕らえられ身動きが取れないでいる。
「くっ、もはやここまでか。」
諦めかけたそのとき、無数の熱量が触手を襲った。
「ガァァ!」
それにより開放されたアークはつぶやく。
「ゼロか、遅いじゃないか。」
そして空を見上げる。その先には、

銀翼の戦闘機が一機。

「新たなマスターよ、今こそ合神の命を!」
叫ぶアーク
「はいぃぃ!?」
とりあえず形だけでもと操縦桿を握っていた宙は戸惑う。
それはまぁなんの説明も無しじゃそうはなる。
「ガーズ・コネクトっていいから言って!!」
促すゼロ。
「やけくそだぁ!! ガァアアァズッ・コネクトォォォッ!!!」

「承知!!」
「了解!」

叫び声と同時に、ゼロの後方に2つの機影が見える。
先端にドリルを持つランドアークの2機が復活に呼応して射出されていたのだ。

飛び上がるアーク、速度はそのまま、ちょうど三角形を描く3機のサポートメカの中心に入る。
ゼロが急停止。そのままコックピットから先が折れてその空間にアークが頭からすっぽりと入りコックピットがちょうど胸の位置より少し上にに来る。
ランドアークは前後に分離して、後ろ側が一度開き脚を覆うようにバクンと閉じてさらに足の甲が展開した。
手は前方からグローブのように入っていき先端のドリルが割れて中から拳が出てくる。外側の装甲が上方向にスライドし開き肩当のようになる。
最後にあたまが出てきてさらにそれを覆うように下側から一回り大きい防護用の顔が出てくる。煌びやかな角飾りがされた顔のツインアイに光がともる。
一度身を縮め一気に開く。
「守護合神・アークインペリオス!!」

スラスターをふかしながらゆっくりと降り立つ巨人。
蒼と銀の織り成す高貴なまでの美しさで後にこう呼ばれる。

勇者皇帝と。

以上で第二話終了です。むしろ1-2ですかね?
とりあえず三話目でこのつかみが終わります。どうしても長くなってしまいますね。
気をつけます。
駄文、長文失礼しました。

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