勇者指令Another第一話

学校の終わりを告げるチャイムが鳴る。普通の高校生なら部活動や友達と遊んでいるだろう
だが誰も近寄らず暗い雰囲気を周囲に出している少年がいた。嵐宮翔。

「ショウ、また雑兵が現れたわ。至急撃破に向かいなさい」
「…了解。すぐに向かいます…」
彼が常に左手につけている子供のおもちゃのようなブレスレットから声が出る。無線機のようだ
下校する為に階段を下りると思いきや彼は上へ屋上へと向かう。
それを不思議そうに見つめる女子がいるとは気づかずに…

……………

屋上につくと扉の隣に荷物を置き屋上の中央に立つ
彼は周囲に誰もいないのを確認して
「トライダグオン！」 と叫んだ。
腕に付けているブレスレット《ダグコマンダー》を下に引くと
翔の体が風に包まれ、風が消えると同時にそこには緑のマントを羽織り、ヒーローのような姿の人がいた
「ストーム・ショウ！」「現れろ！ストームジェット！」
天空から飛来した緑色の戦闘機に人とは思えない跳躍。

「うそ…あれ…翔君…なの…？」
藤本煉。翔のクラスの学級委員である

……………

雑兵《ソルジャー》が４体。街を破壊しながら暴れている
ソルジャーは背中から翼を生やした3〜4mの竜頭の人型である
その一体が人だかりに狙いを定め息を吸い込む。火を吐くようだ

「ストームカッター！」
無数の風の刃がソルジャーの腕、頭を切り落とす、空から深緑の戦闘機が現れる

「俺が相手をしてやるぜ！ドラゴ星人共！融合合体！ダグ！ストォォムッ！」
ストームジェットが人型に変形し、力強い足で大地に降りた。腿の部分から小型の銃を取り出し構える
「ストームブラスタァァ！」渾身の一撃がソルジャーの中心を貫く
「ギィィィィィ！」雑兵は悲鳴を上げて倒れた。更に勇敢にも別の一体がダグストームに正面 から鋭い爪を振り上げ突撃する

「！ストームパァァンチ！」
突っ込んできたソルジャーを殴りつけ、後方まで吹き飛ばした。

「ギ…ギギィィィィィィィィ！」
最後の一体が空へ叫ぶ。倒された三体のソルジャーが集まり一つとなる
すると六枚の翼が生えた禍々しい色をした巨大な竜になった
「ゴアァァァァァァァァァァ！」 「雑魚はいくら集まろうが雑魚だぜ！現れろ！ストームウイング！」

空を見下ろす太陽の輝きを纏い巨大な翼―ストームウイング―は現れり
「行くぞぉ！たぁっ！」
ストームウイングにダグストームが飛び乗り、腕を組み、仁王立ちをしている

（省略）

「風翔合体！ストォォォムッダグッオンッ！」
巨人と邪竜が真正面から互いを睨みあう。先に手を出したのは竜。
「グガアァァァァァァァァァァァァッ！」
口からあふれ出んばかりの炎を吐く。放たれた業火は触れた物体を融解させながらストームダグオンへと飛んでいく
「そんなもの、俺には通用しないぜ！ディフェンストームゥ！」
片腕を火に向けると強風が起き、火を一瞬でかき消す。更に風は勢いを強め邪竜を囲むように渦巻く
ストームダグオンは両翼の先端を外して繋ぎ、右手に持つ。その腕を大きく振り上げ――

「切り裂け！ストォームゥブーメラン！」
力を込めて全力で横投げ。刃は周囲の風を集めて巨大化していき竜を一閃。
「ギ…ギャアァァァァァァァァァァァ！」
弧を描くように飛んだ刃は翼と腕を切裂いていく。

「これで決める！バァニシングゥ……」
腕を斜め十字に組むと、体は淡い緑色に輝きだす。
が、最後の抵抗、竜の切り落とされた腕、翼が鋭い刃物となってストームダグオンへ飛んでいっった
「ストォォォォォォォムゥ！」
ストームダグオンが緑の球体（楕円状）となり一直線に突撃する。竜の体の一部も球体に巻きこまれる
全力の力で突撃したそれは回転が掛かり、竜の体を貫通し、その直後竜の体は爆散。

「ダグオンがいる限り地球の平和は乱させない！侵略者よ！掛かって来い！」
巨大な爆発が起こる。それを遠くから見ている者がいた
「チッ！なんてやつだ……まぁいい。次は俺が相手をしてやるよ。カハハハハハ！」
山の奥より高らかな笑い声が響く。その声の主は巨大な翼と側頭部から二本の猛々しい角を生やした人だった…

……………

街の郊外にある浜辺の奥深く。宇宙警察機構使用の広い空間があった
「お疲れ様。今回も良い戦いだったわ」
彼女はリオン　ショウの上官であり叔母である
「ありがとうございます。それで…さっきの話ですが…」
「…現地人に宇宙警察機構の秘密を見られた…と。」
「はい……自分の不注意でした…」
「分かったわ。私の方で対処するわ。では任務に戻りなさい」
「了解です」
学生服を纏い眼鏡を掛け《表の服装》になる