天空勇者フライトナー番外001


天空勇者フライトナー

『誕生!超AI!』


「さぁ、動いてくれよ……。俺の最高傑作……」
 一人の青年が巨大なコンピュータに向かい呟いた。
 目の前の大画面モニターに機械的な顔が映し出される。
「私の名前は、"AH-1"。ご質問は?」
 それはそう喋った。
 そう。これは超AI誕生の瞬間。機械に命が吹き込まれた瞬間である。
「…………! よし!動いたぞ!」
 青年はそう言ったかと思うとすぐにキーボードを叩き始めた。

 ピピッ
 ―音声入力プログラム起動―
 ―映像入力プログラム起動―


 マイクとカメラが起動する。
 青年はマイクを装着し、こう続けた。

「今からお前をこのチップに書き移す」
 傍にあったケースの中から、さっと1枚のチップと携帯端末を取り出す。
「ふむ。それでどうするんです?」
 しっかり相槌もうつ。

「そしてこの携帯端末に埋め込む」
 その端末にチップをあてがい埋め込む動作をする。
「それは、小さすぎませんか」
 そして不満もいう。

「……。この端末にはお前を動作するためのすべてのプログラムが入っている」
 端末の電源を入れる。画面には 「All Ready. Please Slot In.」と出ている。
「まぁそれならいいんですが」
 いいのか。

「よし。さぁ、書き移すぞ」
 チップを装置に取り付け、横のボタンを押す。
 装置の上のモニタに―Writing Now―と表示される。
「ちょっと待ってくだs……」
 音声は途中で途切れてしまった。


 そして、数分後。
「……完璧だ」
 青年はニヤリと笑う。
 その手にはふてくされたような顔つきの"AH-1"が映し出された端末があった。
「やっぱり、狭いんですが」
 どうも小さいのは苦手らしい。
「……。感情を持つ機械か……。少々危険かもしれない。だが試してみる価値はある。
 これが世間に認められれば……認められれば世界は変わる……絶対に」
 そう言いながら青年は、開発室を飛び出して行った。

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