科学哲学の冒険-サイエンスの目的と方法をさぐる
- 歴史をさかのぼると、科学者が同時に哲学者でもあった事例がたくさん見つかる。その事例をよく検討してみると、そこでは科学と哲学が密接に関係し合っていることが分かる。
- したがって、科学と哲学を両極端の活動であるかのように分離して考えるのは事実に反するし、実り豊かな態度でもない。
- 科学哲学の第一目標は科学をまるごと理解することである。この目標は、科学を批判することでも科学を基礎づけることでもなく、科学という営みを理解することである。
- 科学哲学という専門領域があることには二つの理由がある。
- 科学についてのさまざまな考え方を戦わせ、蓄積していくためのフォーラムが必要であること
- 科学について語るためのさまざまな概念の分析が必要であること
- 科学の探究に先だって、哲学独自の方法で科学の方法論を整備しておこうという立場を「第一哲学(first philosophy)」という。
- これに対して、第一哲学という理想を捨てましょうという考え方を「自然主義(naturalism)」という。この立場では、科学哲学の仕事は科学の基礎づけではなく、科学による科学の自己理解を助けることである。
- 「科学的実在論(scientifical realism)」は、(1)科学が理解しようとしている世界は、目に見えないミクロなものも含めて、科学とは別にあらかじめ存在しているということ(独立性テーゼ)、(2)科学は科学と独立に存在している世界の本性についてだんだん詳しく分かってきているということ(知識テーゼ)、を主張する立場のことである。
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- 第1章 科学哲学って何? それは何のためにあるの?
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