【街】ドリアクター


基本設定

 港湾都市ドリアクターはヴァンスター帝国の大陸側、エルーラン王国との国境近くにある帝国でも有数の規模の都市である。
 帝国がエルーラン王国侵攻、及び大陸側への足掛かりの一つとして近年作られた新造の街であり、エルーランよりさらに東にある国々との交易の場として、また対エルーラン王国の城塞都市として目覚ましい発展を遂げている都市である。
 港湾都市であり城塞都市であるドリアクターには一定の自治権が認められており、現在の管理を任されているのは、商人ギルド「森羅カンパニー」代表であるガーロック=ヴァインシュタインである。
 この街の特徴として、街の中心から東西南北の四方向へと伸びる「絶望と希望の街道」を軸にしたシンメトリー型の街であることと、最前線に立つ兵士の養成所として「騎士養成所」と言う学校があることである。
 騎士育成所は他の街にあるような冒険者育成という意味はなく、メインクラスとなる四職の戦闘部分に関して特化させた形で、一流の兵士を養成するのを主眼においた初の職業兵士育成機関である。
 地理的要件として、ドリアクターの東には死人の沼地が、北には賢者の街エルクレストがある。
 また数ヶ月前、とある冒険者の一団によってドリアクター近郊にエルダの造ったと思われる風の時代の遺跡が発見された。  しかし、帝国の調査チームではその遺跡内部へと踏み入れることができなかったので、最近になってエルクレストからの調査団が派遣されたという噂が流れている。
 そのため最近の街中では、遺跡はエルダ達の財宝を隠した迷宮であるのではないかと言う噂で持ちきりとなっている。

歴史

 この街は新造の街であり、帝国の街として機能してから数年しか経っていない。
 しかしそれは、帝国の都市としてのドリアクターの歴史であり、それ以前にも人間は住んでいた。ただ、ここに元々いた先住民達は帝国侵攻の際に、逃げ出している。
 唯一逃げ出さなかった人間が、この都市の中心で祭器シャムロックに祈りを捧げる神子である。祭器シャムロックの監視者としての彼女は、帝国侵攻の際に逃げ出さないばかりか、その祭器の重要性を皇帝ゼダンに進言し、この場所に都市を築かせたのである。
 そのため、この都市は祭器シャムロックを外敵から護る殻として、シンメトリー型に造られており、一種の結界となっている。

主な施設

  • 森羅カンパニー本社
     帝国でも有数の巨大商人ギルドである森羅カンパニーの本社。
     強力な商会などとは契約せず、中小の個人商人などが森羅カンパニーを構成している。
     森羅カンパニー所属の商人は帝国内だけではなく、他国にも多数存在する。多国籍企業としてエリンディルの経済を担っている。そのネットワークの持つ力は想像に難くない。
     現代表はガーロック=ヴァインシュタイン。
  • 騎士養成所
     身分の差に関係なく、帝国兵士になる人間が通う養成所。
     街の西側、絶望街道の西の端にある。
     基本四職(ウォリアー/シーフ/メイジ/アコライト)の特に戦闘技術を叩き込まれる。
     そのためここの出身者はピュアブリード(笑)であることが多い。(メインもサポも同職であるということ)
     素養のあるものは1ヶ月間、ないものでも半年で一流の兵士としての技術を身につけられると言われている。
     養成所にいる間の衣食住が保証されているため、それを目当てで通う人間も多い。  また、卒業後最低一年間の兵役義務が課せられる。
  • ドリアクター港
     東方世界との交易に於いて、エリンディルではどうしてもエルーラン王国を経由しなければならなかったため、その市場はほぼエルーラン王国の独占とも言える状態であったが、このドリアクター港開設以降、この港にも少しずつではあるが東方の品物が入ってくるようになった。
     また、軍港としての側面も持ち、帝国海軍の三割が集まっていると言われている。
  • 希望と絶望の交差点
     街中央にある東西南北に延びる道の交差点。それを東に進むことによって死人の沼地へと続き、南へと進むことによってヴァンスター本土への海路へと続いていることからその名が付いた。
     そのため南北に通る道は希望の街道、東西に延びる道は絶望の街道という名が付けられている。
  • 絶望の神殿
     絶望街道の東端にある神殿。死人の沼地方面へ行く冒険者への祝福やギルド結成などを主業務とする。
     その上で、死人の沼地への監視を常に行っており、異常があれば森羅カンパニーへ報告する義務がある。
     現神殿長はセーゲル=プリペイ。
  • 聖隷騎士団詰め所
     ドリアクター在駐の正規騎士団。騎士養成所で訓練が終わった人間は必ず一回はここに配属される。  現騎士団長は創設以来変わらずの人間でリアン=メージ。
  • 祭器の神殿
     一般には知られていないが、絶望と希望の交差点の地下深くに存在する神殿。
     この場所を知っているのは皇帝ゼダンとガーロックの二人だけである。
     神殿には一人の神子が住んでおり、祭器シャムロックを封じるための祈りを捧げている。
  • 風の時代の遺跡
     ドリアクターより北へ半日ほど行ったところにある、草原の中に建っている遺跡。
     遺跡と言っても、その外観はただ一枚の石でできた扉があるだけで、その扉以外には周囲は草原なのである。(イメージとしてどこでもドアが立っているようなもの)
     扉にはスリットがあるのと古代神聖帝国の紋章が刻まれているだけで他に変わった様子はない。このスリットに何かしらの物を入れることが遺跡への道だと最近の研究で判明した。

NPC一覧及び概要

  • ガーロック=ヴァインシュタイン
     種族:ヒューリン
     年齢:50
     性別:男
     髪の色:やや白髪
     瞳の色:茶がかった黒
     肌の色:白
     森羅カンパニー代表。ヴァンスター帝国全域に情報網を持つが、商売人として大成功を収めているということはない。
     その広大な情報網持ってすれば、ヴァンスター帝国では随一、他国の商人と比べても引けを取らない豪商となっていてもおかしくはないくらいの情報網だと噂されている。
     そうなっていないのは、その情報網は何か別のものに使われているのではないかというのが、他の商人達の間でささやかれている。
     ガーロック当人は自分に商才がないのだとその噂を否定しているが。

 PCとの接点:主に依頼人となることとなる。少々高額のマジックアイテムを報酬に渡したいときなどに。

  • セーゲル=プリペイ
     種族:エルダナーン
     年齢:38
     性別:男
     髪の色:金
     瞳の色:緑
     肌の色:白
     絶望の神殿神殿長。危険と判っていて死人の沼地へ行く冒険者達へ祝福を与えている。
    非常に温厚な性格で、滅多なことでは怒らない人物。
    過去に一度だけ怒りを見せたことがあり、その時に怒りの対象となった人物がガーロックであると言われている。
     元々、魔都ベルヴェを監視していたエルダナーンであったが、その役目を弟に託し、新たに死人の沼地の監視人となる。

 PCとの接点:死人の沼地の周辺の捜索依頼など死人の沼地関連の依頼人となることが多い。また、アコライトであれば彼の侍従という形でもいい。

  • リアン=メージ
     種族:ヒューリン
     年齢:42
     性別:男
     髪の色:黒
     瞳の色:黒
     肌の色:浅い黒
     騎士養成所の指導教官にして海軍将校であり、聖隷騎士団長。
     唯一の本土より派遣された騎士であり、ドリアクターの武の全権を担っている。
     養成所出身の人間は非常に様々であるが、その人間を取り纏めることができるだけの器量を持つ。
     兄貴肌の人間で、兵役義務は1年しかないのに対し、その人間性を認めた多くの兵士が兵役を志願している。

 PCとの接点:対他国戦や都市防衛戦などへの協力要請としての依頼人。また、兵士養成所出身者であれば彼の部下という形でも良い。

  • メディア=ダナン
     種族:ヒューリン
     年齢:18(?)
     性別:女
     髪の色:緑
     瞳の色:緑
     肌の色:肌色
     祭器の神殿で祈りを捧げている神子。
     唯一の先住民であり、ヴァンスター帝国に対して、この場所に都市を築くように説いた人物。表舞台に立つことはなく、現在も地下深くにて祈りを捧げている。

 PCとの接点:ガーロックからの依頼などがない限り出会うことはないと考えていい。依頼があったとすれば彼女は護衛対象になることが多いだろう。

舞台となったシナリオ

 One Coin Dream @ 
 時に縛られた王 @ `05/8/20
 プリベント・ウィンド @ `05/9/18