Moible IP上での多対多通信を考慮したマルチキャストプロトコルの提案


文献まとめ

基本事項

scope

  • IPv6での、パケットの有効範囲を規定する仕組み
    • scope内のマルチキャストはscopeの外へ配信されない
    • インターネット全体のグローバルスコープでもいいが、ムダが多くなる
  • scopeの内と外ではアドレス変換が必要となる

提案手法

目的

  • モバイル端末同士の多対多通信を想定したMobile IPv6上でのマルチキャストプロトコルの提案
    • Tunneling Convergence Problemを解決
    • 複数のMN間での共同作業を実現
      • MNが送信者になった場合の効率の用意マルチキャスト

解決する問題点

  • マルチキャストグループのアドレス解決
    • Mobile IPならではの問題点
  • Tunneling Covergence Problem
    • 複数のMNが同じFNにいったときに同じパケットが届いてムダみたいな

提案する要素

MBR*1

  • scope毎に導入して、さらにscopeをマルチキャストを用いて接続する
    • 外部のへのアドレス変換
    • 内部のマルチキャストグループにマルチキャストアドレスを付与
    • 内部のMNにMLD*2を使ってグループメンバーの確認

解決される問題点

Tunneling Convergence Problemの解決

  • 多対多通信で顕著になるscope間の帯域消費がまとめられて低減できる
    • scope間のマルチキャスト通信となるから

HAの負担軽減

  • HAはマルチキャスト管理をしなくてすむので、MNの動向のみに集中できる
    • マルチキャスト管理はMBRが行うので
    • HAの一点障害性問題を防止する

コンテンツ配信のフィルタがかけられる

  • 通常だと、ハンドオーバ後はすぐにマルチキャストグループに登録をして受信を開始する
    • 必ずHAに問い合わせを行うので許諾の確認がとれる

評価

評価方法

シグナリングオーバヘッド

  • シーケンスにおけるシグナリング回数の比較を行った
    • MoMと同等の回数でマルチキャストグループに参加できる事が分かる

HAへの負荷

  • トンネリング処理はBMRが行うので、マルチキャストによってHAに負荷はかからない

scope間の帯域消費

  • MoM
    • 個々の端末からそれぞれ送信された場合
      • 外部scope数が1の場合
    • 外部のMNの数によって帯域消費は増加するが、消費量は他の方法と比べて最も低い
  • MoM Extended
    • HA-FA間でフローの集約が行われた場合
      • 外部scope数が2の場合
    • scope内への帯域消費量は同じであるが、scope外への帯域消費量は一定となる

評価結果

  • 提案手法が従来のプロトコルと比べて効率が良く、負荷分散を期待できる事が分かった

今後の課題

  • scopeが階層的に重なりあってる場合についての考察
    • 今回は、scopeが全てフラットな配置の場合を想定している

*1 Multicast Border Router
*2 Multicast Listener Discovery