Linuxディストリビューション


Linux

ディストリビューション

  • フリーウェアと、商用ソフトを含めた有料のディストリビューションもある

RPM系

  • Red Hat Package Managerが元の語源(今はRPM Package Manager)
  • パッケージ管理のデータベースとして、Berkeley DBが使われている
    • パッケージ管理のrpmコマンドにこの処理も含まれている

Red Hat Linux

  • 日本では通称、「赤帽」
  • 現在では2つに分かれている
Red Hat Enterprise Linux
レッドハット社による有料サポートを含む企業向け
Fedora Core
Fedora Projectによりコミュニティ開発されている
  • デスクトップOSとしてFedora、サーバ用OSとしてRed Hatを想定しているらしい

Fedora Core

  • レッドハットがスポンサーとしてついているRed Hat Linuxの後継ディストリ
  • Fedoraは、「中折れ帽子」という意味
  • 早いサイクルで新しいバージョンが出てくる
    • 新しいもの好きには好評
    • 自宅サーバなど安定志向の人には敬遠されがち

Mandriva Linux

  • Red Hat Linuxをベースにして作られたMandrakeが元
  • フランスのMandrakeSoftが、ブラジルのConectiva社を買収した事による名称
  • 創業者のGaël Duval氏は解雇され、目下新たな Linux ディストリビューションの開発に従事してるらしい

SUSE

  • ドイツのSUSE LINUX AG(ズーザ リナックス アーゲー)社によるディストリ
  • ヨーロッパを中心として、世界第2位のマーケットシェア
  • ドイツ語のSystem und Software Entwicklung(システムおよびソフトウェア開発)の略称
  • KDEのデスクトップ環境で、少し古臭くても安定性を求めている
  • ユーザコミュニティ開発を開放して、フリーのopenSUSEが出来た

Turbolinux

  • 国産の歴史ある商用ディストリ
  • 渋谷にあるターボリナックス社により開発された
  • 日本では、Red Hatに先駆けて発売されている
  • アジアのマルチバイト文字に対応した商用展開で根強い人気がある
  • 様々な先進的活動が目立つ
    • 早い段階でのLinuxカーネル2.6の採用
    • Windows Mediaを再生できるソフトウェアを取り入れる
    • Microsoft Windowsとの互換性を考慮

Vine Linux

  • これも国産の、日本では人気の高いディストリ
  • インストールCD-ROMを1枚に抑えてあるのでインストールが容易
  • 日本語によく配慮されている
    • マニュアルやエラーメッセージの日本語化(jmanによるマニュアル)
    • Emacsなどのデフォルト設定
    • プログラミング環境
    • TeXの設定など教育も含めた親切設定
  • 使用目的
    • Linux入門用OS
    • 安定性を求めたサーバ用OS
      • その代わり、新たな機能の取り入れには時間がかかる

PS2 Linux

  • Play Station2で動くLinuxで、現在は販売していない
  • SCEIの久夛良木(くたらぎ)社長が、Linux協会の生越会長に言ったセリフがきっかけ
    • 「(PS2で動くLinuxは)出そうと思えば明日にも出せる」
    • ネット上で、「PlayStation2で動作するLinuxの発売を求める署名運動」が開始
  • だが、色々と問題があって人気は急速に衰えた
    • PS2の性能をいかしたプログラミングは難しい事が判明
    • DVD-ROMやメモリカードの読み書きが出来なかった
    • Linuxマシンにしては、ハードの性能は貧弱だった
  • 結局、PS2 Linuxは試験的に数千本を提供したのみで販売停止

Red Flag Linux(赤旗Linux>>紅旗)

  • 中国政府の威信をかけて、中国科学院で開発されている
  • 中国は国産のソフトを推奨してるので、Windowsを締め出す噂も流れるほど

Debian系

  • 世界で1000名以上のDebian Projectによって開発(うち日本人は40名程)
  • プロジェクトの抱負として、いくつかのDebian社会契約を掲げている
    • 100%フリーウェアであること
    • バグなどの報告をすること
  • ソフトウェアガイドラインに適合しないものはDebianの肩書きはもらえない
  • メンテナンスが簡単
    • パッケージ管理システムを備えているので、ソフトウェアの更新が楽
    • パッケージマネージャのAPT*1
      • apt-getコマンド

Debian GNU/Linux

  • Debian Projectが作成しているディストリ
  • Debianのコードネームはディスニーの「トイ・ストーリー」のキャラクタ名
    • 過去にDebianのプロジェクトリーダを務めたペレンズ氏が、トイ・ストーリーを製作したPixar Animation Studios社の社員であったため
      • 1.1:buzz
      • 1.2:rex
      • 1.3:bo
      • 2.0:hamm
      • 2.1:slink
      • 2.2:potato
      • 3.0:woody
      • 3.1:sarge
      • 4.0:etch
      • ?.?:sid

Ubuntu

  • イギリス王室属国のマン島を本拠地とする有限会社Canonicalにより開発される
  • Linux for Human Beingsを標語として掲げ、初心者でも使えるようなディストリを目指している
  • 様々な派生がある
    • 異なるデスクトップ環境
      • Kubuntu:KDEデスクトップ環境
      • Xubuntu:Xfceデスクトップ環境
    • 教育用
      • Edubuntu
  • ディストリウォッチで長い間1位の人気ディストリ

KNOPPIX*2

  • CDまたはDVDからブートすることに特化したディストリ
    • CD:light(軽量版)1枚のCD-ROMで起動できる(1CD Linuxという)
    • DVD:maxi(大容量版)大量のアプリケーションが利用可能
  • ハードディスクにインストールする必要がない
    • Windowsマシンでもハードディスクに変更なしで利用出来る
    • 出先や他国語のマシンでもROMから起動するだけで簡単にLinuxが使える
  • PCに接続されたハードウェアの高い認識力もウリ
  • 幅広い応用性
    • HDD上のディスクイメージ
    • USBメモリ
    • コンパクトフラッシュ
    • ネットワーク経由でサーバから
  • http://unit.aist.go.jp/itri/knoppix/
    • isoファイルをCDに焼けばいいだけ
    • リリースノート見て,最新の日本語版のファイル名等を確認してからダウンロード

Lindows

  • GUIに特化し、Windows風のKDEのデスクトップ環境
  • アメリカLinspire社がWindows互換のLinuxを目指して開発
    • 結局、互換性は不十分で、デスクトップに特化する方向に
  • 名称もMicrosoftに訴訟を起こされ、Linspireに改名
    • 既に、発売している国もあった
    • 日本でもライブドアが発売していたが、販売中止

Slackware系

  • 歴史は長く、かつては人気はあった
    • 今もまだ根強いファンはいるらしい
  • Slackwareのディストリを使う人をスラッカーと呼ぶ

Plamo Linux

  • 日本で、こじまみつひろ氏によって開発が始まる
  • 名前の通り、Linuxの持つホビー性を大切にするという開発のモットー
  • plamo-maintainer-MLの関係者(約10名)を中心にして開発が行われている

BSD系

  • Berkeley Software Distribution の略語
    • カリフォルニア大学バークレー校(UCB*3)で開発・配布が行われたソフトウェア群
  • AT&T社が配布した元のUNIXを、ライセンス抵触回避のためにほとんど書き直している
    • これを元にしてBSDの子孫が派生していく
    • しかし、AT&T社のUNIXシステム研究所により訴訟を起こされてイザコザも
  • 子孫には、MacOS Xも含まれることがある
    • 一部、FreeBSDの機能を含んでいるから

FreeBSD

  • あくまでも、UNIXに「似た」オープンシステムのOSであるらしい
  • 安定性には定評がある
    • サーバとしてYahoo!やSONYで使われている
  • 比較的UNIXの中では日本人の開発者が多いのも特徴
    • そのため、日本人の使用者も他国に比べて多いらしい
  • インストール後のカスタマイズ次第でどうにもなり、自由度が高い
    • 初めは日本語にも対応していないし、GUIも使えない
    • カスタマイズさえすればクライアントでも、サーバでも利用用途には非常に優れている
    • その分、中身の構造などは理解しやすい

*1 Advanced Package Tool
*2 クノーピクス
*3 University of California, Berkeley