無線伝送方式


無線通信技術

概要

  • 固定端末通信とは違い,複数ユーザが1つの基地局に集中アクセスする
    • 無線通信特有の効率的な通信技術が必要となる
  • 無線では、送信される基本的な電波(搬送波)がある
    • その搬送波をどう変えるかで、電波に情報を持たせる

種類

変調方式

  • 送信したい音声やデータ信号を,無線信号に変える技術
    • 無線じゃない変調だと,高周波電気や光信号などに変える-アナログ変調
  • アナログ変調
    • AM
    • FM
  • デジタル変調
    • ASK
    • FSK
    • PSK
    • QAM
    • OFDM

符号化,圧縮

  • 符号化,圧縮
    • 音声などのアナログ情報を、どのようにしてデジタル信号に変換するか
    • 無線の場合はその情報をさらに圧縮する
  • 符号化
    • PCM
      • 標本化(サンプリング)
      • 量子化
    • 復号
  • 圧縮
    • PDC
    • 3Gの圧縮方式

多元接続方式

  • 一定の周波数帯を多くの携帯電話で利用するための仕組み

デュプレクス(二重通信)

  • デュプレクス(二重通信)
    • FDD
    • TDD
    • 多元接続との組み合わせ

その他の特徴

電波伝播特性

  • マルチパス
    • 複数の経路で電波が到達する
      • 直接届く電波
      • 反射して届く電波
      • 回折して届く電波
  • フェージング
    • マルチパスで受信した電波の位相のずれでうまく受信出来ない事
      • 遅れて届く電波もあるため
    • マルチパスフェージングともいう
  • 空間ダイバーシティ
    • 2本のアンテナを内蔵して,受信状態の良い方のみを利用する
  • レイク受信
    • マルチパスで受信した電波を,電気的に合成して位相の揃った電波に復調する技術
      • CDMA2000/cdmaOneの場合3つの波を合成してる

セルラー方式

  • 無線アクセスネットワークが半径500m〜2km程度の多くのセルによって成り立つ事
    • 1978年にNTTによって世界に先駆けて実用化された
    • それまでの米国の半径10kmのエリア(大ゾーン方式)と比べて小ゾーン方式と呼ばれた
  • メリット
    • 周波数の繰り返し利用が出来る
      • 4つの周波数チャネルを用意すれば全てのサービスエリアを構築可能
    • 送信出力が少なくてすむ
      • 基地局と端末の距離が短い
  • 指向性アンテナ
    • 扇形のセルによる構築
    • 当初は,指向性を持たないオムニアンテナ(無指向性アンテナ)
  • CDMA方式の利点
    • FDMA,TDMAと違い,隣接するセルでも同じ周波数が利用できる
      • セルの配置設計が不要
      • セル間干渉はやっぱり起こってしまう

送信電力制御方式

  • 遠近問題
    • CDMA技術での最大の課題
    • 基地局が端末から受け取る電波の強度はまちまち
      • 基地局から遠い端末ほど弱い信号になってしまう
  • 送信電力制御(送信パワーコントロール)
    • 基地局に届く電波の強さを均等にそろえる制御
    • Qualcommが実用化
    • 3Gでは下りも同じ制御をしている

ハンドオーバ技術

  • 基地局・端末主導型
    • 携帯電話
      • アナログ時代から,基地局主導型
      • デジタルでは端末主導型も可能だが,結局は基地局の方で回線を切り替える制御
    • PHS
      • 端末主導型

*1 Frequency Division Multiple Access
*2 Time Division Multiple Access
*3 Code Division Multiple Access