寺田君の一言


2/11発売ファミ通より

参戦作品

─今回、"終焉の銀河へ"というサブタイトルがつきましたが、その理由というのをお聞かせください。

寺田:2000年から始めた『α』シリーズの総括と言う意味も込めて、サブタイトルをつけました。じつは『α』のときから三部作にしようというのは決めていまして、実際は一作増えたんで四部作になっているんですけど(笑)。ただ、大まかな構想は最初からありました。今回復活した『トップをねらえ!』が、『α』のときに最後まで話が進まなかったのは、今回まで取っておこうという狙いがあったということです。これまでの『スパロボ』は、最後は地球まわりで話が終わるものがほとんどなんですが、今回は『トップ』や『マクロス7』もいるので、話の舞台は銀河へと移行していきますね。あと『イデオン』はスミマセン、最初から『3次α』に出そうと思っていました。この作品は内容的にもシリーズ最終作にしかだせないですから。そういう意味では『α』で広げた風呂敷を、どこまで畳めるかという感じですね。本当にスケールの大きな原作が多いので、まとめやすかったり、まとめにくかったりしている状態です(笑)。

─新規参戦作品ですが、とうとう『SEED』が参戦となりましたね。これはファンの声が非常に多かったのではないかと思うのですが。

寺田:そうですね。『SEED』は『2次α』の頃からユーザーさんから要望がかなりありましたし、人気のある作品ですから。『ガオガイガー』は本当はテレビ版の話で終わらせようと思っていたんです。でも話のスケールが大きくなったので、やはりOVA版までフォローしないとファンの方も納得いかないだろうということで、『FINAL』まで入れました。じつは参戦作品に関しては、『2次α』のときには、ほぼ決めていたんですよ。『マクロス7』も、そのころに参戦を決めていましたね。

バーチャロン参戦

─『電脳戦機バーチャロン』シリーズの参戦には驚かされました。

寺田:ドリームキャスト版『α』に、『機甲武装Gブレイカー』が登場したりと、ゲームからの参戦の前例はあるんです。そうした前例も踏まえて今後の可能性を広げるためにも、ゲームからの新たな参戦作品を…と思っていたところ、2年程前にヒットメーカーの瓦さんとお話をさせていただく機会がありまして、「ぜひ」というお返事をいただけましたので、『バーチャロン』の参戦を実現する事ができました。瓦さんには設定の慣習などでいろいろとご協力いただいています。

─他社のゲームのキャラクターを出すということで苦労された点は?

寺田:原作のイメージを壊すことなく、『スパロボ』という作品で、どう味付けをするかという点ですね。あとは、もともとが3Dで表現されているバーチャロイドを、2Dにして、さらにSDにすることになりますので、そういう部分では、いろいろと気を使って作業しています。

システム

─参戦作品が多いということもあって、今回も小隊システムになるのかなと思ったのですが。

寺田:『2次α』の後継であるという意味も含めて、小隊システムを継承しています。ただ今回は、さらに小隊システムにも改良を加えていますので、ご期待ください。

─なるほど。敵も味方もかなりの数のユニット数になりますよね。

寺田:バッフ・クランや宇宙怪獣など、数で圧倒する敵が多いので、物量戦を再現するには、やはり小隊システムかなと。あとは『イデオン』や『マクロス7』のシステムなども当然用意しています。イデオンのゲージに怯えながら戦うドキドキ感を、また味わってもらえれば(笑)。

戦闘演出

─今回、さらに派手になった戦闘アニメーションですが、そのコンセプトというのは?

寺田:細かい動きと、エフェクトにこだわると言う点ですね。あと、2回目を見て味が出るようなものになっています。1回目だけではわからない。2回目を見ると「ああ、細かい所にもこだわっているな」と気づいてもらえるような内容にしています。バルキリーとかも、トドメを刺すときと刺さないときとで、ちょっと演出が変わっていたりするんですよ。どうせ同じシーンでしょと思って飛ばしたら、じつはこんな演出が最後のほうに用意されいていた*1!という発見があると思うので、ぜひ何度も見ていただければと(笑)。

─カット割りも細かいですよね。

寺田:カット割りに関しては『2次α』と『MX』をふまえて、いろいろと工夫しています。それと、ダンクーガのカットイン原画で、『スパロボ』のユーザーでもある大張正己さんにも、ご協力いただいたりとか、新たな試みもしていますね。


オリジナルキャラクター

─バンプレストのオリジナルキャラクターはどうなるんですか。

寺田:登場します。大きな組織のひとつに『α』の敵だったバルマー帝国というのがあるのですが、今回ついに全貌をあらわします。『2次α』で何故バルマー帝国が出てこなかったのかとか、名前だけが出ていたキャラクターの正体など、いままでの伏線が明らかになると思います。また、今回もオリジナル主人公キャラクターがいます。どんなキャラクターになるのかはまだ秘密ですが(笑)。

─シリーズをプレイされているファンの方には、いろいろ疑問に残るエピソードがあると思うのですが。

『α』でのエクセリオンの結末ですとか、『α外伝』のあとに宇宙へ旅立ったマクロスの面々はどうなったのかとか。そういった前作までの疑問には答えていきたいですね。そういう意味では2000年からやってきた『α』の総決算、ここでひと区切りしたいなと。『α』のシリーズは『スパロボ』にとって大きなターニングポイント。それに相応しい内容にしようと思っていますので、それにお付き合いいただければ非常にうれしいですね。


*1 原文ママ