3日目


3日目(月曜日)

正式転入

[自室]
朝。
新しい天井にもようやく慣れてきたみたいだ。
「ふあぁ…」
布団の中で伸びをしつつ、時計を確認する。
針はいつも目が覚める時間よりちょっと早い時間を指していた。
今日は登校初日だし、早めに準備するにこしたことはないだろう。
早起きは三文の得って言うし。
そう思い、体を起こそうとすると」
「意外に早く起きるのだな。結構結構、早起きは朝立ちの得というからな。」

状況を整理しよう。
こいつは隣の部屋に住んでいる同級生で名前は……………
忘れたから”テクノ”でいいか
それはいいとして、ここは俺の部屋で、昨日はちゃんと鍵をかけてから寝たはずである。
にもかかわらず朝起きたらベッド脇にこいつがいたと
「うわあああああああああああ!!」
「いきなり大きな声を出すな。騒々しい」
な、なんでこいつがいるんだ!?鍵はかかっていたはずだろ!
「せっかく来たのに挨拶もなしなのか?」
「ああ、そうか…お、おはよう」
相手の慇懃さに思わず挨拶をしてしまう
「よろしい。さて早速だが朝一番の下半身の健康状態を見させてもらうとするか」
「ぅえっ!?」
そう言うやいなや闖入者は俺の寝間着に手をかけてきた
「っ…!」
あまりに突然の出来事に混乱し、身動きできないままパンツごと脱がされようとするその瞬間
「涼〜!おっはよ〜!!」
元気過ぎる声と共に夏希が勢いよくドアを開けて入ってきた
「起きてる〜?今日から正式に転入…だ、ね…」
「はぁはぁ…ああ、夏希か。ちょうどいいところに来た。」
息を荒げながら俺のパンツを脱がそうとしているテクノとなすがままにされている俺
そのままの格好で固まる夏希
最高のタイミングだが最悪のタイミングでもあった。
「これから新しい隣人の下半身の調子を見るんだが一緒にどうぶべらっ!」
テクノが夏希の投げつけたカバンを顔面に受けて吹っ飛んでいった
とりあえず貞操が奪われる危機は去ったが…
「ダメダメダメダメ〜〜〜〜〜〜!!男同士なんて絶対ダメ〜〜〜〜〜ッ!!
アブノーマルな関係を持つところなんて姉弟そっくりだよぉ〜〜〜!!」
「落ち着け、夏希!誤解だ!起きたらすでにこいつが部屋に入ってきてて…」
「ぅぅ〜、涼の、ばかーーーーーーー!!!」
ベシッ!
…円姉、あなたの通っていた学園は本当に楽しい人達ばかりですね

夏希にひっぱたかれた頬をかばいながら朝の身支度をする。
ちなみにテクノはのびたままだ。
&color(green){「それならそうと早く言ってよ〜。ホントにびっくりしたんだよ〜」 平手打ちされた後、俺をぶってしまった自分に対してもパニックになった夏希をどうにかなだめ、事情を説明したのだが…
「いやいや、俺も言おうとしたんだよ?でも誰かさんが聞く耳を持たなかったからさー」
「あ…、うん…ごめんね。私ったら酷いことしちゃったね」l
「でも元凶はこいつだな。夏希は悪くないよ」
白目を向いて無様に横たわる隣人に目を向ける
そういえばどうやって入り込んだんだ?後でなんとか聞き出さないとまた勝手に入られかねないし。あぁ…考えただけで寒気が走る
「そういえば涼も酷いよ。鬼畜だよ」
「うん?」
いきなり非難された。俺何かしたか?
「昨日のことだよ。」
「安心しろ。お前の頭がひどいのは今に始まったことじゃない。」
「誰も頭の機能の話はしてないよ!」昨日だよ。き・の・う。イエスタデイ。」
「アルファベットで書くと?」
「iestaday」
人差し指でエア文字を書く幼馴染。
とりあえず、最初の文字だけで幼馴染の酷さが分かる。
まあ、何を言いたいのかは分かるから良しとしよう

「昨日?…ああー」
何か忘れてると思ったら。
「ああー、じゃないよ。私ずっと待ってたんだからね!」

「それは悪かった。千里ちゃんの手伝いをしてたんだ。」
「へ?ちーちゃんがどうしたの?」
ちーちゃんって…。いや、まあ話の流れから誰のことだか分かるけど
「何か大量に荷物を持って辛そうだったから手伝ってあげてたんだよ。」
我ながらものすごく嘘臭い理由だ。いや、まあ事実なんだけどね。
でも、夏希のことを頭からふっ飛ばした本当の理由を話す気にはならなかった。
昨日、

「え?何?俺のこの扱い。」
「通学路」
「」

テクノと夏希の3人で登校する。
今まで1人で登校するのが普通だったため、なんとなく違和感を感じる。
「ん?どうしたの?涼?」
「今までずっと1人で登校してたから、こうやって誰かと登校するのが何か変な感じで。」
「「……」」
何かすごく憐れみを含んだ目で見られた。
「私。これから毎日涼の部屋訪ねるからね。一緒に学園行こ」
「ああ。学園行こうぜ。俺達は身友だろ?」
「あんたが言うと気持ち悪い」
「なんでだよ。」
幼馴染は正直だった。
「ほら。さっさと行くぞ。転校初日から遅刻とか嫌だし」
「うん」
ギュッ
隣を歩く幼馴染にいきなり手を握られた
何?
「クラス。一緒だから。」
「へ?」
「また、私と一緒だから。」
「ほら。早く行こ。転校初日だからいろいろあるだろうし。」

[教室]
転校の挨拶。円の弟であること、円の後釜として祭司になることがクラス中で騒がれる
一番前の席なのに手をふり、はしゃぐバカ
窓の外を眺め無反応の冷血人間。

周囲の好奇の視線に多少の居心地の悪さを感じる
昼休み時、耐えきれなくなりSFCの部室に移動。
「俺、人の視線を浴び続けると気分が悪くなる体質で…」
「涼。それ引きこもりの理屈だよ…」

夏希と二人でSFCの部室に移動。
部室には既に千里と英理香がお茶会をしていた。(千里がお菓子とお茶を作った)
千里がSFCの部員であることを涼太はここで初めて知る。
千里と涼太が知り合いであることを夏希と英理香が知る
百合香の冷たい態度を千里に相談する
千里が昨日のうちに叱ってあることと、涼太を理不尽に殴ってしまった負い目があり、どう話していいか分からず、戸惑っているという話を聞く。
「昨日叩いてしまったことの負い目もあって上手くお話できないんだと思います。百合姉ちゃん。ああ見えてテレ屋なんです」
「ああ、百合香ちゃんはツンデレさんなんですね」
「それはちょっと違うと思います」

昨日の美奈との出会いについて話す。
ここで初めて美奈の名前を知る
放課後に生徒会室に来るように英理香に言われる
放課後に夏希に生徒会室に行く。生徒会室には会長、副会長、英理香が揃っている
ここで会長と副会長と初めて出会う。紹介もする

祭の準備を生徒会が中心として行っていることを聞く。
副会長から美奈との和解も求められる。(祭司が二人いるような状態は祭の性質上望ましない。)
副会長達の話が終わったら夏希やテクノと一緒に帰る

会長と副会長の会話を会長視点で挿入

英理香の認証で女子寮に入る。
英理香は黒櫛家の用事で付き添うことができない。夏希に付き添いを頼もうと考えるが、夏希の部屋も知らない。携帯で連絡できるが、プレートを頼りに部屋を探すことにする。
美奈の部屋を見つけるが、留守。
あきらめて部屋に帰る。
ここから、美奈SIDEのとこまで削ります。しかし、由佳の話はいずれ使います。個人的に気に入っているので。
部屋に帰ろうとするが、途中で夏希と遭遇
由佳なら美奈がどこにいるか知っているかもということで
夏希の案内で由佳の部屋へ向かう。

おっ邪魔〜
失礼しまう
由佳ちゃんの部屋に入る。
由佳ちゃんのへやはあの子の第一印象に反して、しっかりと整理されている。
意外に几帳面なのかもしれない。
部屋には大きな本棚もあり、たくさん本が並んでいる。
並んでる本の背表紙を見てみると

人の心を掌握するには
独裁者のカリスマ
表と裏
今すぐデキル!催眠術! これであの人も思いのまま…

今すぐ帰りたい……
何読んでいるんだこの子

他には…
悪女の心得 ー第1集 小悪魔編ー
気になる彼もこれでイ・チ・コ・ロよ♡
夜のご奉仕入門

結局何がしたいんだろう…この子

由佳に美奈の所在を訪ねるが、今は知らないと言われる
ただ、よく屋上に出て星を見ているという情報を得る
円もよくそこで星を見ていたという情報も得る
屋上に行ってみる
屋上に着くが、美奈はいない。
円の真似をして星を見てみるが、知識もなければ、興味もない涼太は一般的なことしか知らない 夏希と星座について話している最中に美奈が涼太の間違いを訂正しながら登場。
涼太は美奈に生徒会に来るように言うが、美奈は気にも留めない。

美奈に屋上から追い出される
夏希と別れ、部屋に戻る。

美奈SIDE
いつものように空を見上げる。
あの人に影響されて好きになった星空も今日はなんとなく味気ない
理由は分かっている
「城崎…涼太」
あの人がいつも話してた人
彼の話をしている時、あの人はいつも楽しそうだった。
特別な人なんだと。大切な人なんだと。傍にいる私には分かった
「似てるわね」 男女の違いがあっても分かった。
彼はあの人の弟だと。
そして、私にはない特別な絆があると。
それを少し羨ましく思った。
もし、あの人が今生きていたら…
彼がこの街に来たことを喜ぶだろうか?
そしたら…
「くだらない」
頭を振り、ありえもしない想像をやめる。
どちらにしろ、あの人はもういない。
私はもう一人で生きていかないと。
しっかりしなければ。
「あの人はもういない…」
もういないのよ…
いろいろな気持ちがごちゃまぜになった、もやもやした気分のまま
私は屋上から去り、部屋に戻った。

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