ジェイド:すみません。研究について話があるのですが・・・
スピノザ:バルフォア博士?珍しいですな
ジェイド:ええ。すみません。皆さんは外で待っていて下さい。ちょっと長くなると思います。
ルーク:まあ俺達が聞いててもわかんないもんな
ジェイド:私たちと協力する前の話になると思いますが、アッシュがあなたのところへ来ませんでしたか?
スピノザ:!
ジェイド:多分話題は、ワイヨン鏡窟で行われていたディストの実験について
スピノザ:・・・確かにその通りです。アッシュはコーラル城で自分とルークがただの同位体ではなく 完全な同位体であることを知ったようでした。
ジェイド:それで、ワイヨン鏡窟のチーグルが自分たちと同じ完全同位体ではないかと気づいた
スピノザ:はい・・・・。そしてそれは正しかったのです。
ネイス博士はバルフォア博士の理論を元に、ルークレプリカ作製時の事故を実現したのです。
何とか完全同位体の作製には成功しましたが、その後音機関は壊れてしまって再現情報も失われてしまいました
ジェイド:アッシュは完全同位体が誕生した場合の被験者の負担について聞きましたか?
スピノザ:はい
ジェイド:では音素乖離による緩やかな放出現象を説明した?
スピノザ:学術的な説明では難しすぎますから
ジェイド:その説明では・・・アッシュが誤解している可能性がありますね
スピノザ:誤解?
ジェイド:いえ・・・・。彼の無謀な行動の理由がようやくわかっただけです。もう・・・手遅れでしょうがね
ルーク:もういいのか?
ジェイド:ルーク。私はこと研究においてあまり失敗したことがありません
ルーク:なんだよ、それ自慢かよ
ジェイド:・・・そうですね。今度ばかりは私のはじき出した答えが間違っていればいい、と思います
ルーク:うん?そうなのか?
ジェイド:まあ、あなたは私の想定外の事をやらかしてくれますからもしかしたらとは思っていますがね
一同:?
ディスト:・・・・なんですか。かつての友の無様な姿を笑いにきましたか
ジェイド:アッシュが死にました
ディスト:! 大爆発ですか?
ジェイド:・・そう聞くと言うことはアッシュの大爆発はそろそろだったと?
ディスト:そうですね。そちらこそその聞き方はアッシュの死が大爆発ではないと言っているようですが
ジェイド:ええ、察しの悪いあなたでもわかるのですね
ディスト:・・・・何が原因で死んだにせよ
この時期なら、大爆発は始まっていたと思っていいでしょう
ジェイド:・・・・始まっていないかもしれません
ディスト:何ですか、それは!あなたが完全同位体の理論をまとめたんじゃないですか!
自分の研究が信じられないのですか!
私の知っている金の貴公子ジェイドはそんなことを言う人ではありませんでしたよ!
ジェイド:気色の悪い二つ名を付けないで下さい
ディスト:それとも・・・・そんなにあのレプリカが大事ですか?この親友であるサフィールより!
ジェイド:あなたと比べれば床の埃だって価値がありますよ
ディスト:いいですか?コンタミネーション現象は免れません たとえあなたの才能を持ってしてもね
ジェイド:分かっていますよ、そんなことは。私は死者の復活に失敗した人間だ。運命は変えられない。
ディスト:・・・・記憶は残るのですよ
ジェイド:いえ、記憶しか残らないんですよ
ジェイド:スター、あなたは被験者ですか?
スター:はいなのです
ジェイド:ではレプリカ−もう一人の自分を作られましたか?
スター:はいなのです。ディストという気持ち悪い人にやられたのです。
ジェイド:やはりディストか。それはいつ頃ですか
スター:多分半年ぐらい前なのです
ジェイド:コーラル城でルークとアッシュが完全同位体と知ったのなら時期は合うな
最後にひとつ。もう一人のあなたはどうなりましたか?
スター:…多分死んだのです
ジェイド:…多分?
スター:実は自分は一回死んだのです
その後何かが入ってくる感じがしたと思ったら、自分は死んでいなかったのです
その時はもう一人の自分はいなかったのです
ジェイド:!
ディストは完全同位体研究を完成させたのか?
ではあの時の研究結果は偶然ではなかった…?
(アッシュぐったり座り込み、光があふれて上っていく)
(歩いていたルークがなにかを感じ顔を上げると、身体が輝き、
土気色のうつむいたアッシュにフェードする)
ルーク:アッシュが……!
アッシュが……死んだ……!?
ナタリア:嘘……!
ルーク:…………
(罠の辺り中略)
ルーク:(アッシュ! 力を貸してくれ!!)
(謎の光と共に罠が消滅)
ルーク:……こ、これは一体
ジェイド:超振動……いや、第二超振動?ばかな……!
ティア:今の力は何?
ルーク:わ……わからない……。
ただ、アッシュのことを考えた瞬間
俺の中で何かが……
まるでアクゼリュスを消滅させたときみたいな……
でもあの時とは違って自分で制御できるみたいで……
シンク:……第二超振動か。冗談じゃないね
アニス:シンク!
シンク:そんな化け物みたいな力を使われちゃ、
ユリアの加護を受けたヴァンにも荷が重くなる
(しばらく略)
ガイ:ジェイド。第二超振動って言ってたな
ジェイド:わかりません。第二超振動は
まだ理論が確立していない
超振動同士が干渉しあうことで全ての音素の効力を無効化する
……と言われていますが
ルーク:……この力が何かはわからない
でももしも第二超振動ならこれをくれたのはアッシュだ。
そうだろう?
超振動を起こせるのは俺と……あいつだけなんだから
ナタリア:そうですわね。
あなたの中にアッシュがいる
アッシュがあなたを認めて力を貸してくれたのですわね
ルーク「・・・アッシュ・・・お前が死んじまうなんて・・・
ぜったい死にそうにないって、心のどこかで思っていたのに・・・。」
ナタリア「・・・アッシュ・・・。せめてもう一度、あなたに逢いたかった・・・。」
ガイ「・・・そうだな。俺たちエルドラントではアッシュに会っていないからな・・・。」
ジェイド「ルーク。辛い話を聞くことになりますが・・・アッシュはどのようにして亡くなったんですか?」
ルーク「・・・オラクル兵に囲まれて、剣を・・・体中に刺されて・・・。」
ナタリア「・・・アッシュ!!」
ジェイド「その後、あなたに何かが入ってくる感じはしませんでしたか?」
ルーク「・・・そういえば・・・。なんだか暖かいものが全身に降ってきたような気はしたけど・・・。」
ジェイド「・・・何かが出ていく感じは?」
ルーク「うん?アッシュが死んだ瞬間、虚脱感はあったけど、別に・・・。」
ジェイド「そうですか・・・。」
ガイ「ジェイド、今のは?」
ジェイド「・・・いえ・・・なんでも・・・なんでもありません・・・。」