CANALAZZO 54号


CANALAZZO 54号

2007/01/11(木)発行

━━━(1面)【海外】フランスに反攻計画か?━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、フランス宮廷内部で外征計画の検討がはじまっているという内容の、 駐フランス大使からの報告書が十人委員会にもたらされていることが 明らかになった。

報告書によれば、現在仏宮廷内部では、 ヴェネツィアへの反攻を指向する計画と、 一転して北海への進出を図る案がそれぞれ検討されているという。
前者では、ヴェネツィアの東地中海の拠点カンディア襲撃、 黒海の制海権掌握、 さらには、アドリア海の奥深く侵入し ヴェネツィア人の心胆寒からしめるといった侵攻計画が練られている と記されている。
一方、後者では、 北海の帝国自由都市ブレーメンへの進出に絞っての検討がなされている としている。
また、可能性は低いとしながらも、東南アジアに艦隊を派遣し、 当該海域でのフランスの覇権を確固たるものにするという 遠大な野望を語る貴族もいることに触れている。
グラデニーゴ委員長はあくまでもノーコメントを貫いているが、 消息筋によると、引き続きの情報収集を命じるとともに、 海軍への警備強化の勧告を行なわれた模様である。

━━━(2面上段)【海外】ベイルート問題東地中海全域に拡大━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

昨年末のベイルート沖海戦と前後して、 またも持ち上がったベイルートをめぐる経済紛争は、 1月に入って拡大の様相をみせている。
東地中海のベイルートと黒海のセヴァストポリを ヴェネツィア同盟港へと鞍替えさせる東地中海商船隊の試みは、 ベンガジの不安定化といったフランス側の反撃を招きつつも、 ベイルートの旗を二転三転とさせることとなった。

一時は、フランス側が約60隻からなる大商船隊を組織して、 1月8日にベイルートへ入港。
ハーイル・ベイを歓待するなどの諸行動を起すことによって 絶対的な優位を確保し、収束するかに見えたが、 ヴェネツィアの商船隊もさらにファマガスタへと資金投入を図るなど 意欲が衰えていない姿勢をみせている。
1月10日現在では、セヴァストポリに金獅子旗が舞っているが、 フランス側は武力行使も視野に入れた奪還を目指しているともされており、 その行方が注目される。

━━━(2面下段)【海外】スラバヤに金獅子旗 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

新年早々、ジャワ島のスラバヤ港が ヴェネツィア同盟港となったことが確認された。
このマジャパヒトの影響の色濃く残る港は、 カリカットのグジャラート財閥も注目するジャワ更紗をはじめとした 特産品の輸出で栄えており、 今後北にあるバイジェルマシンとともに、 ヴェネツィアの外洋貿易の新たな牽引役になると期待されている。

━━━(3面上段)【海外】サンジョルジュでは交渉継続 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度元首官邸は、 西アフリカのサンジョルジュ港に対する商業権益に関する見直し交渉を 継続するとの姿勢を改めて明確にした。
現状、サンジョルジュとの交渉は、 イスパニア外交官が隣室で耳をそばだてているという状況で、 難航を極めているとされているが、 相手の出方を伺いつつ地道に進めていきたいとしている。

━━━(3面下段)【社会】ヴェネツィアでアカデミー大会開催へ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1月10日、国際アカデミー連盟は、 第四回アカデミー大会の開催地の選定を行い、 次回開催地について、 ヴェネツィア・アムステルダム・マルセイユの三都市共催という決定を下した。 開催は1月12日から14日の予定。

今回、ようやくヴェネツィアは開催地の座を射止めたものの、 三都市共催という決定に、 ミケランジェロ氏は、

「何であの男と一緒に…」

と困惑の色を隠せない様子だ。

大会事務局は、「国際協調の現れ」と謳っているが、 一説には、事前交渉の段階で、 ヴェネツィア開催でまとまりかけていたものの、 ある大西洋沿岸国家の代表から、 「ヴェネツィアは遠すぎる」との異論が出て会議が紛糾、 妥協の産物としての共催案とも噂されている。

━━━(4面)【投書欄】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

先日、セビリアの港に行ったところ、 とんでもない出来事に遭遇し、我が目を疑いました。
立ち寄った酒場のお手伝いさんから、 新年のご挨拶ということでプレゼントを頂いたのですが、 なんとその中身が火縄銃だったのです。
とても子どもには見せられる中身ではありません。
もともと、かの国の主幹産業のひとつが銃火器製造・輸出であるための、 (そして、新年の初荷からという)短絡的なセレクトに笑ってしまいましたが、 こういうところから、カリブや新大陸、 また、東インドへの暴力的装置の輸出が始まるのかと思うと 薄ら寒い気がします。
そのうえ、とても持ち帰れるものではないので、 最後に酒場の娘さんにお見せすると 「えっ、いただいていいんですか?ありがとうございます!」と、 それは嬉々として受け取るのです。
どんなに在庫があっても、火器をためらいなく引き受けるという行為は、 いわゆるバルパル交易の構図そのもので その衝撃にへたりこんでしまいました。
このような酒場に入り浸る航海者の将来が非常に心配です。
あの国はいったい何処に進んでいくのでしょうか。 (45歳 行商人)