CANALAZZO 53号


CANALAZZO 53号

2007/01/01(月)発行

━━━(1面)【国際】ヴェネツィア・イングランド連盟軍ベイルート沖で奮戦━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

12月31日、ヴェネツィア・イングランド連盟軍は、 フランス・ポルトガル連合軍との3日間に渡ったベイルート沖海戦を 優位な形で進め、勝利した。
しかしながら、当初の目標であるベイルートへの影響力確保については 目的を達することができなかった。

12月29日、クレタ沖で哨戒中の警備艦隊が、 ヴェネツィア商船隊を襲う不審船と遭遇。
この追跡の最中、これをフランスの警備艦隊が妨害。
ついには、砲火を交える形となった。
この武力衝突は、次第に拡大。
双方がその連盟国とともに次々に艦艇を繰り出し、 最後には威英連盟軍の大艦隊がキプロスの北岸沿いと南岸沿いに分かれて、 ベイルートへと進撃する大規模な紛争へと発展した。

初日は、動員数で上回る威英連盟軍が優位な立場を得て、 カンディアからファマガスタへと拠点を移し、 ベイルート港を南北から包囲する形となった。
一方で、黒海方面にも艦隊が展開。
オスマントルコを牽制しつつ、 ボスポラス海峡封鎖という快挙を成し遂げた。

2日目になると、経済戦も勃発した。
一時は、サロニカがポルトガル同盟港化を宣言。
ヴェネツィア側の交渉団が急遽派遣される騒ぎになった。
とはいえ、補給や艦隊編成支援の弱さといったアキレス腱を抱えつつも、 威英連盟軍はベイルート包囲網を維持し続けた。

しかしながら、3日目に至って、仏葡連合軍は黒海別働隊を強化。
黒海で威英の陽動艦隊を撃滅し、戦況を好転させるという作戦に出た。
一時は、黒海での動員数は、仏葡側が威英を圧倒し、 戦局をも変えるかと思われたが、

「所詮、局地戦での勝利を重ねて、戦略的勝利に結びつけることはできない」
(バルバリーゴ参謀長談話)

と、ベイルート沖での威英連盟軍の優勢が揺らぐことはなかった。
とはいえ、仏葡連合軍もその堅陣を崩すことはなく、 威英側もこれ以上の紛争継続によって、 状況の変化が望めないことから、両軍は停戦に至った。

結果として、今作戦行動により、 地中海におけるヴェネツィア・イングランドの名を 高らかなものにすることはできたが、 ベイルートでの商業権益など、 実利を得るところは少なかった。

━━━(2面)【経済】カラカスに新商品━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このたび、カラカス鉱業による鉱山開発が実を結び、 カラカス交易所で鉄鉱石の一般向け取り扱いが始まった。
いままで、一部の大商人と、 現地生産の始まったロングソード用にしか出回っていなかったが、 度重なる設備投資により安定供給の目途が立ち、 今回の一般販売へとつながった。

また、カラカスでは、 ザダールからの入植者が持ち込んだ自家用のニワトリが大繁殖。
処分に困った飼い主が、 市場流通に乗せられないか交易所店主に打診している。
しかし、養鶏場から定期的に来るというかたちではないため、 店主もその扱いに困っているという。

交易所店主のコメント

「ここまでわざわざ来て、羽毛を毟る人がいるのかねえ」

━━━(3面)【社会】新年行事始まる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一日早々、サンマルコ広場に、教皇庁よりの使者が訪れ、 ヴェネツィア市民と外国人旅行者に対して、 新年の祝辞を述べた。
尚この使者は、今後各国首都を順次訪問する予定であるが、 安全上の理由によりその日程は伏せられている。

一方、新年と戦勝を祝し、ヴェネツィア商店街総連合会を代表して、 アリーチェ嬢によるプレゼントボックス配布が始まった。
あわせて、港湾事業者組合からも、 ニューイヤーロットの無料配布が行われている。
ともに、配布場所はヴェネツィアの南、 フォンダメンテ・スキャヴォーニの西端で、 17日昼までの予定だ。