CANALAZZO 43号


CANALAZZO 43号

2006/11/06(月)発行

━━━(1面)【国際】第三次レパント海戦、ハイレディン敗走す━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11月4日、オスマントルコ艦隊と西欧諸国連合艦隊は三度目の決戦に及び、 西欧諸国連合艦隊が、敵総司令官ハイレディン・バルバロッサを敗走させ、 勝利をあげた。

シラクサ港に入港した連合艦隊は、 イングランド390隻、ポルトガル340隻、イスパニア290隻、 ヴェネツィア120隻、フランス100隻、ネーデルランド60隻と、 やや第二回をうわまわり、1300隻の大艦隊となった。

出航に先立ち、ドン・ファン総司令官は地中海防衛に死力を尽くすことを誓い、 バルバリア艦隊主力を温存していたハイレディンとの決戦に臨んだ。

戦況は、戦意に勝るトルコ軍が攻勢に立ち、 一時、ハイレディンが本陣に迫った。
あわや総司令官座乗艦に接舷するかと思われたが、 バルタザール卿率いる黒鯱傭兵艦隊が救援に駆けつけ危地を脱した。

これが、決戦のターニングポイントとなり、 トルコ軍は守勢に転じ、連合艦隊は追撃を開始。
シロッコ、ドラグードを討ち取る戦果を挙げた。
残念ながら、ハイレディンは取り逃がす結果となった。

この対トルコの大勝利に沸く連合艦隊ではあったが、 早くも、ポルトガルのバルト海進出計画によって、その連合は分解しつつある。
トルコ側も声明発表で

「我々ただひげをそり落とされたに過ぎない。ひげはそのうち生えてくる」

と強硬姿勢を崩さず、和平に応じる気配もなく、 この戦勝によって、地中海情勢の劇的変化は望めない状況である。

━━━(2面)【国際】メルカトール杯閉幕 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

11月2日と4日、二日間にわたって開催された、 メルカトール杯争奪第二回発見アカデミー大会が無事終了。
二日間ともに参加者は400名ほどになり、 広場や街角で論戦を戦わせる航海者の姿は、アムステルダムを賑わせた。
一方で、「対トルコ戦のおり」という名目で、 質素倹約が図られ、賞品予算も大きく削られたため、 一部の参加者からは不満の声も聞かれた。

━━━(3面上段)【国際】ポルトガル・イングランドと衝突 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、ポルトガルがコペンハーゲンへの進出計画があることが あきらかになった。
インドで産出される宝石の有望な輸出先として、 バルト海地域への影響力拡大を狙っているとみられ、 実力行使も辞さない模様だ。

この動きに対し、北方の雄イングランドが防衛体制を固め、 「聖域」死守の姿勢を内外に強くアピールしている格好で、 武力衝突は不可避の情勢となっている。

━━━(3面下段)【国内】青年将校決起 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ポルトガルの進出計画が明らかになったことに伴い、 ヴェネツィア国内でも海軍出動を求める動きが活発化。
一部の青年将校が、ナポリに集い決起集会を行った。

11月4日、ナポリのドウォーモに集った青年将校たちは、 イングランド支持で全会一致。
海軍上層部、元老院などにイングランド連盟に向けて 団結して進言していくことを誓った。
この結束を確かなものにするため、その場での模擬演習も企画された。
が、しかし、「事前の通告を受けていない」という ナポリ王国の極めて強い抗議により、模擬演習は中止となった。

━━━(4面)【国際】教皇庁の暴走。各地で混乱 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

第三次レパント海戦の最中、必勝を祈願するローマ教皇は様々な教書を発布。
しかしながら、それは逆効果になるものばかりであった。
例えば、「戦闘中に不謹慎にも魚を釣ってはならない」と食料の戦地調達を妨げ、 曰く「この戦利品は神の名の下に教皇庁のものとする」と船員達の士気を砕き、 曰く「この聖戦下に奢侈品の取引は断じてならない」と無関係の商人達を憤慨させ、 曰く「聖戦に役立てるため」と一部物品の供出を迫るという横暴極まりない態度に、 各地で抗議運動が起き、騒動の中心となったシラクサでは、 紋章官以下の教皇庁の役人が一時退去する状況にまで発展した。

これに対応し、教皇庁では当初強行的な鎮圧策にうってでたが、 効果がないと見るや一転して、教書を撤回するなどの懐柔策に転じた。
それでも、教皇庁の態度に不審の目で見るものも多く、

「これには断固強く抗議していかなければならない」
(ハンブルク在住マルティン・ルター氏談話)

という動きが広がってきている。