CANALAZZO 37号


CANALAZZO 37号

2006/10/06(金)発行

━━━(1面上段)【国際】ヴェネツィア、イングランドと連盟へ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

10月4日、ヴェネツィアはイングランド王国との連盟協約を締結、 元老院も圧倒的多数による賛成でこれを批准した。
現在、ロンドン港には大艦隊が集結し、アビジャンへの進撃に備えている。
(解説→2面)

ロンドンで交渉に当たった外交団は、本国での高い支持を背景に交渉を続けた。
かのフランスまでもが百年以上にわたる対立の歴史を乗り越えて、 イングランドとの連盟の可能性を探っているという状況の中、 難航する交渉をまとめ上げ、どうにか連盟締結にこぎつけた。

一方でオスマントルコの活動、 新大陸事業への輸送力の振り分けなどの諸問題が解決してはいないものの、 海軍は高揚する国内世論を背景に大規模な招集令をかけており、 正規軍、志願兵部隊をあわせて、100隻規模の艦隊を編成している模様だ。

━━━(1面下段)【国際】イスパニア、ネーデルランド引き入れに成功 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

同4日、イスパニアはネーデルランドとの休戦を発表。
あわせて、このたびの海戦に共同作戦に当たることを明らかにした。
独立運動に手を焼いていたものの、国際的孤立を危惧した結果、 アルバ公も厳しい手を一時緩めざるを得なかった模様だ。

ネーデルランド側では「ひとつ貸しができた」と考えているものもいるが、 この連盟が実益をもたらすかどうかに懐疑的なものも多く、 貸しになるかどうかは、海戦の結果次第といったところのようだ。

━━━(2面)【解説】大国の狭間にて ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このたびのイングランドとの連盟は、 ヴェネツィアで概ね快哉をもって迎えられている。
このところ関係悪化しつつあるイスパニアに一矢報いるときが来たと、 はやる市民もいる。
しかしながら、一方ではイングランドの作戦行動次第で、 ヴェネツィアの有する西アフリカ権益は吹き飛びかねない状況にある。
特にサンジョルジュに関しては、 イングランド海軍の補給基地となることが決定したため、 大艦隊が集結するものと思われる。

「あくまで補給基地としての使用であり、
 攻撃指令はロンドン、カーボヴェルデ、サントメなど
 各港で下すことになる」

というのが、イングランド側の公式見解であるが、外交筋によれば、

「猛る獅子の勢いを止めることは、蒼き衣を纏った聖者でも困難」

と最悪の可能性を示唆する発言もあったとのことだ。
状況によっては、勝利をもぎ取っても、 その果実は苦いものとなるかも知れず、 相変わらず大国のくしゃみに翻弄される日々は、 まだ当分続くようだ。

━━━(3面)【海外】オスマントルコに海軍増強の動き ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、十人委員会にもたらされた、駐イスタンブール大使の報告書が、 オスマントルコ海軍の大幅な増強を知らせているものであることが、わかった。

大使は報告書において、

「先日、トプカプ宮殿に招かれた際、スルタンはフランス大使と私に、
 キプロス島のワインのことをしきりに尋ねておりましたが、
 どうやら、どうしても手に入れたくなった模様です。
 イスタンブールの造船所では、軍用ガレーの増産体制がしかれ、
 地方では新兵狩りが始まりました。
 チェニスやアルジェの海賊にも召喚状が渡された模様です。
 また、トルコ側の監視体制が厳しくなり、
 いつ軟禁状態になってもおかしくない状況です」

と記している。

この報告書に関し、十人委員会は極めて重要視し、 教皇庁をはじめ、欧州各国への特使派遣を決定したことを明らかにしている。