CANALAZZO 18号


CANALAZZO 18号

2006/06/07(水)発行

━━━(1面)【国際】ロードス島攻防戦終結、キリスト教連合軍勝利━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

6月3日、キリスト教連合軍は3度目のオスマントルコの大艦隊の襲撃を退け、ロードス島を守りぬき、地中海の制海権も保持したまま、勝利を手にした。

5月24日の第一次海戦において痛手を受けたオスマントルコ海軍は、その後不気味な沈黙を続けた。
一説には秘密裏に停戦交渉が進行中であったともいうが、定かではない。
しかし、5月31日になって、オスマントルコ海軍は突如として進撃を開始。
かくして、「“地中海”という、気立てはやさしくて、ケツも張った実にいい女を、むさくるしいヒゲ面の助平どもから守る」(ジャンバッティスタ・オルシーニ卿の談話より)第二次海戦が始まった。

この第二次海戦では、主戦場となった東地中海において、キリスト教側は600隻を優に越える艦艇が参戦した。
シラクサに集結した別働隊をも含めれば、1,000隻は下らない大艦隊となった。
中でもその三分の一以上がイングランド船籍で占められた。
主戦場であるカンディア沖、アレクサンドリア沖、また別働隊が牽制したアルジェ沖など各海域で激しい戦いが繰り広げられたが、キリスト教連合軍が辛くも勝利を収めた。

この二度目の敗戦の報を聞いたイスタンブールのスルタンは激怒。
本来、陸戦が得意なイエニチェリを無理矢理軍船に載せ、さらなる大艦隊を編成。
地中海へと送り出し、6月3日の第三次海戦へと至った。

この日も東地中海には、600隻を越える艦艇が集結。
打倒トルコを旗印に激戦を繰り広げ、ついにトルコの大軍を地中海から退けることに成功した。

━━━(2面上段)【戦後処理】軍人たちの憂鬱━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロードス攻防戦に勝利した記念として、聖ヨハネ騎士団から功労者たちに恩賞が下された。
ある者は赦免状、ある者は聖ヨハネ騎士団紋章を手にしたが、これには、参戦した軍人たちからあまりにも恩賞が少ないのではないかという不満の声が上がっている。
しかし、リラダン団長は全く動じていない。
アテネの騎士館において、本紙の取材に
「我が聖ヨハネ騎士修道会は、奉仕の精神を尊んでおる。皆もこの精神に学ぶがよろしかろう」とコメントした。

━━━(2面下段)【国際】西方諸国、相次いでヴェネツィア市民の亡命受け入れを表明━━━━━━━━━━━━━━

この度、西方の各国で、ヴェネツィア市民の亡命受け入れを認める声明が発表された。
いままで、一部を除き「共和主義者は我が国の統治体制に馴染まない」と受け入れに難色を示していた各国だが、ヴェネツィア市民の富裕なる点を看過しえず、“我が国と関係良好なる”名士に限り、受け入れると横並びに表明をしている。

ヴェネツィア当局では、移住は個人の自由であるとしながらも、共和国との関係悪化は避けられないことも言及し、移住の際にはよく検討するようにと注意を促している。~

━━━(3面上段)【経済】金交易に思わぬ障害━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

交易商組合による、金交易の促進計画に思わぬ障害があらわれた。
地金需要の高まりから、積み出し港サンジョルジュ市場での金相場が高騰。
加えて、ヴェネツィア本島での金相場が低落傾向に突入し、交易船団を組んでも、「あまりにうまみが少ない」状態となっている。
現在、交易商組合では、交易船団の結成を見合わせ、市場の沈静化を待つとともに、アドリア内海交易での、取引仲介支援などに重点を置くようになっている。

━━━(3面下段)【経済】ラグーザに造船景気━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このところ、俄かにラグーザが造船景気に沸いている。
どうやら、造船所親方が、流しの船大工に渡すロットに一工夫を加えたことが、船大工の心をくすぐり、好況に繋がった模様だ。
一方では、まだまだ、ラグーザで建造できる船種が少なく、他国の船大工からは、ヴェネツィア市民の投資を待ち望む声も上がってきている。