CANALAZZO 16号


CANALAZZO 16号

2006/05/22(月)発行

━━━(1面)【国際】イングランド・ヴェネツィア・ネーデルランド連盟軍、カリブで勝利━━━━━━━━━━━━

5月21日、3日間にわたったカリブ海海戦は、イングランド・ヴェネツィア・ネーデルランドの3カ国連盟軍が、 イスパニア・フランス連合軍を撃破し、大勝利を収めた。
(関連記事→3面)

開戦当初、3カ国連盟軍はロンドン・プリマスに集結し、カリブ海まで一気に南下、その勢いを持って、イスパニア側を屠らんとする作戦を出た。
この作戦については、地の利のない無謀なものとの見方が強かったが、初日の先遣隊の衝突から、3カ国連盟軍が優位に立ち、ついには、ジャマイカ沖でイスパニア・フランス艦隊を包囲するに至った。
また、その初戦の勢いを活かし、補給拠点サンティアゴを占領。
イスパニア側ともみ合いになるも、2日目以降、出撃拠点として確保することに成功した。

イスパニア側も2日目、サントドミンゴで艦隊を再編。
東側から反撃を試みたものの、結局、質量ともに揃った3カ国連盟軍に、サントドミンゴをも包囲される状況に陥った。

3日目に至って、3カ国連盟軍は完全勝利を得んと、さらなる増援と補給物資をカリブ海に送り込んだ。
一方、フランスがサンフアンを拠点に独自作戦に出るなど、イスパニア側には綻びが見えた。
戦況は優勢のまま推移し、中には「敵は嵐のみ」と豪語するものも現れた。

最終局面において、イスパニア・フランス精鋭艦隊によるサンティアゴ突入作戦も行われたが、戦局を動かすことは無く、最後はジャマイカ開城によって、海戦は終結した。~

━━━(2面))【国際】ヴェネツィア、対トルコ神聖同盟に加わらず中立堅持か━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、ヴェネツィア政府が、教皇庁の主唱する対トルコ神聖同盟への参加を見合わせる方向で検討中であることが明らかになった。
政府高官によれば、現在緊張状態にあるオスマントルコを対象とする同盟には異存は無いものの、その目的が聖ヨハネ騎士団への援軍という点が、元老院や共和国国会において、賛成多数を得られないだろうとの見通しがなされているとのことだ。

聖ヨハネ騎士団といえば、ロードス島を拠点に対トルコの最前線に立つ一方、「イスラムに通じる背教者」と決めつけ、事あるごとにヴェネツィアの商船隊に襲い掛かる恐怖の集団であり、被害を蒙った市民も少なくない。

また、神聖同盟に参加し、オスマントルコとの通商関係を完全に絶つことも好ましくなく、以上の理由から、表面上中立堅持の姿勢を崩してはいない。

しかし裏では、クレタで活躍した技師マルティネンゴ氏を騎士団に協力させ、また、連合艦隊集結地にカンディア港の提供を内々に打診するなどの工作を進めている。
加えて、市民個人の資格での義勇軍参加についても、黙認する姿勢をとる模様である。~

━━━(3面上段)【社会】勝利に沸くサンマルコ広場━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「ヴェネツィア勝利す」の一報がもたらされたヴェネツィア本島は、久々の朗報に沸いている。
サンマルコ広場は喜び合う市民であふれ、運河にはゴンドラ行列が浮かび、70隻余りの義勇軍艦隊を迎える凱旋式の挙行も検討されている。

一方、駐イスパニア大使から、賠償金の獲得はおろかジャマイカの権益確保すら難しい、との報告が元首官邸に上げられているという情報が広まっているため、残念ながら喜び半分といったところである。

━━━(3面下段)【海外】イスパニア、声明発表━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

イスパニアの宰相タベラ枢機卿は、セビリア離宮において緊急声明を発表。
「イスパニア連合軍は、一時的に転進を余儀なくされたが、カリブの支配は小揺るぎもしない」と強気の姿勢を崩さなかった。

事実、一時イングランドが占領したジャマイカ、そして、サンティアゴについても、程なくしてイスパニアの奪還が成功している。

とはいえ、消息筋によれば、“神聖にして不可侵なるイスパニアの裏庭”カリブ海において敗北したとの一報は、イスパニア首脳部を一時混乱に陥れた。
宰相タベラ枢機卿はミトラを振り落とし、サンタ・クルズ候はマントを引き裂き、国王陛下はパイナップルと瑪瑙の備蓄をご下問なされたという。

その後、順調すぎるほど順調な本国経済の余力を差し向ければ、カリブ海維持に問題が無いとの分析が経済官僚から提出されて、ようやく落ち着きを取り戻したと伝えられている。