麻酔科学
1.術前の喫煙について正しいのはどれか。
（1）1日10本以上の長期喫煙者では術後肺合併症が2〜5倍である
（2）カルボキシヘモグロビンの半減期は睡眠中では約10時間である
（3）術前のカルボキシヘモグロビン値と術後肺合併症の頻度は相関する
（4）術前1〜2週間の喫煙で術後肺合併症の頻度は減少する
（5）喫煙者ではスパイロメトリで肺機能が正常でも気道過敏性が亢進している
2.気管支拡張作用をもつ麻酔関連薬剤はどれか。
1、ミダゾラム
2、アムリノン
3、ニカルジピン
4、フェンタニル
5、ランジオール
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
3.開腹後に発症したARDSについて
1.肺complianceが低下する
2.両肺野にびまん性陰影が見られる
3.気道上皮細胞の損傷によるものである
4.肺毛細血管楔入圧が増加する
5.非心原性肺水種である
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
4.セボフルランについて正しいのはどれか。2つ選べ。
A.気道刺激性はイソフルランより弱い。
B.血液/ガス分配係数はイソフルランより小さい。
C.生体内代謝率はエンフルランより小さい。
D.カテコラミンに対する心筋の感受性はハロタンと同じくらいである。
E.血清無機フッ素濃度はイソフルランより小さい。
5.ケタミン麻酔の副作用はどれか。
(1)徐脈
(2)気管支痙攣
(3)唾液分泌増加
(4)脳圧上昇
(5)覚醒時の幻覚
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
7.アトロピン全身麻酔前投与に関して正解を二つ挙げよ
(1) 喉頭展開における過敏な唾液分泌を抑制､相関の視野が確保される
(2) 麻酔導入における徐脈発現頻度を下げる｡
(3) 麻酔導入における喉頭痙攣の発現頻度を上げる
(4) 麻酔導入における気管支痙攣の発現頻度を上げる
(5) 麻酔導入における息堪え現象breath holdingの発現頻度を上昇させる
8.母体の妊娠による生理的変化として正しいものを選べ
１．心拍出量の増加
２．循環血液量の増加
３．フィブリノゲン値増加
４．胃内食物停滞時間減少
５．機能的残気量増加
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
13.次のうち正しいのはなぜか。2つ選べ。
A.スコポラミンには中枢神経抑制作用がある。
B.アトロピンの心拍数増加作用はスコポラミンより強い。
C.年長児へはスコポラミンは禁忌である。
D.スコポラミン、アトロピンとも気道の死腔を減少させる。
E.アトロピンの分泌抑制作用はスコポラミンより強い。
14.次のうち正しいのはどれか。
(1)肺胞気の二酸化炭素分圧は40mmHgである。
(2)成人の正常な肺胸郭コンプライアンスは0.1l/cmH2Oである。
(3)若年者ではclosingvolumeが機能的残気量を上回っている。
(4)1秒量が70%以下の場合は拘束性換気障害が疑われる。
(5)パルスオキシメータにより動脈血酸素飽和度が測定できる。
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
15.抗コリンエステラーゼ薬の副作用のうち、正しいのはどれか。
(1) 徐脈
(2) 過呼吸
(3) 尿量減少
(4) 嘔吐
(5) 気道分泌増加
A.(1),(2),(3) B.(1),(2),(5) C.(1),(4),(5) D.(2),(3),(4) E.(3),(4),(5)
17.術前正常な呼吸機能をもっていた患者の手術後2日目にX線上右上葉の無気肺像が生じた。この患者に同時に発生する所見はどれか。
(1)PaO2 60mmHg
(2)PaCO2 50mmHg
(3)意識消失
(4)頻呼吸
(5)頻脈
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
18.脊椎麻酔について誤っているのはどれか。
(1)穿刺は通常L3-4間で行う。
(2)下腹部の手術によく用いられる。
(3)交感神経が最初に遮断される。
(4)血圧低下にはまず酸素を投与する。
(5)麻酔高がT1まで達すると呼吸は停止する。
A(1)(2) B(1)(5) C(2)(3) D(3)(4) E(4)(5)
20.空気塞栓の早期発見に有用なモニターはどれか。
(1)超音波血流計
(2)終末呼気炭酸ガス濃度測定
(3)経皮的酸素飽和度測定
(4)中心静脈圧
(5)経食道心エコー
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
21.混合静脈血酸素飽和度が低下する原因として正しいのはどれか。
(1)低心拍出量
(2)悪性高熱
(3)心室中隔穿孔
(4)シアン中毒
(5)出血性ショック
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
22.静注用ベンゾジアゼピン系薬剤で正しいのはどれか。
(1)麻酔科領域では麻酔前投薬や麻酔補助薬として使用する。
(2)静脈内鎮痛法に使用した場合，鎮静の深さを調節しやすい。
(3)鎮痛効果を有する。
(4)ミダゾラムは半減期が最も長い。
(5)投与時に血管痛や静脈炎を生じることがある。
A. (1) (2) B. (1) (5) C. (2) (3) D. (3) (4) E. (4) (5)
23.全身麻酔下でアナフィラキシー反応が起こった。最も早く現れる徴候はどれか。
A. 四肢の温感
B. 徐脈
C. 発汗
D. 終末呼気二酸化炭素の上昇
E. 血圧上昇
24.出血性ショックで急速輸血と輸液とを受けていた患者が呼吸困難を訴え，血性泡沫様の痰を喀出し始めた。誤っている処置はどれか。
A. 輸血と輸液との一時中止
B. 血管収縮薬の投与
C. 利尿薬の投与
D. 酸素吸入
E. 持続的陽圧呼吸
25.高カリウム血症に対する治療で誤っているものを一つ選べ。
A. グルコン酸カルシウム
B. 陽イオン交換樹脂
C. 炭酸水素ナトリウム
D. 硫酸マグネシウム
E. インスリン
26.亜酸化窒素について正しいのはどれか。
(1)筋弛緩作用がある。
(2)鎮痛作用がある。
(3)造血機能を抑制する。
(4)耽溺性がある。
(5)末梢血管抵抗を下げる。
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
27.緊急気管切開を考慮すべきはどれか。
(1)喉頭蓋炎
(2)声帯ポリープ
(3)気管支異物症
(4)薬物アナフィラキシー
(5)喉頭熱傷(熱気吸入)
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
28.てんかん発作に対して第1選択薬でない薬物はどれか。
A フルニトラゼパム
B フェノバルビタール
C ジアゼパム
D ベクロニウム
E フェニトイン
31.正しいものはどれ？
A. アミド型の方がエステル型よりアレルギーを起こす
B. 血中ではリドカインは３０％が血漿タンパクと結合している
C. リドカインはアミド型である
D. リドカインは血中濃度が１０microgram/mlで痙攣を起こす
E. 局所麻酔薬による痙攣には筋弛緩薬を用いる
32.全身麻酔導入時よりも、期間チューブ抜管時で多いのはどれか。
（１）低血圧
（２）咳嗽
（３）喉頭痙攣
（４）低酸素飽和度
（５）除脈
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
33.吸入麻酔薬のMACに影響されないのは？
A妊娠
B低体重
C麻酔時間
Dメチルドパ服用
Eアルコール依存性
35.緩和医療について正しいのはどれか。
A対象は末期癌患者に限られる。
B在宅では行われない。
Cチーム医療が特に重要である。
D鎮痛薬はモルヒネが第1選択である。
E抗不安薬は使用しない。
40 .術前の肺機能検査の評価で正しいのは？
A.肥満患者で一秒率は低下することが多い。
B.肺線維症患者で一秒率は低下することが多い。
C.重症筋無力症患者で一秒率は低下することが多い。
D.慢性気管支炎患者で一秒率は低下することが多い。
E.肺気腫患者でFLOW-VOLUME曲線は上方に凸の形を示すことが多い。
41.スキサメトニウム(サクシニルコリン)の副作用のうち正しいのはどれか。
(1)眼圧上昇
(2)低カリウム血症
(3)鉛管現象
(4)術後の筋痛
(5)悪性高熱症
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
43.小児麻酔について正しいのはどれか
(1) イソフルランによる導入では気管支喘息様の症状を誘発しやすい。
(2)機能的残気量は成人に比べて少ない。
(3)成人と同様に、静脈麻酔薬による急速導入を行なう。
(4)開腹手術では麻酔導入前に硬膜外カテーテルを留置する。
(5)小児の麻酔回路には呼気弁と吸気弁がない。
A(1),(2) B(1),(5) C(2),(3) D(3),(4) E(4),(5)
答えA
45.次のうち正しいものはどれか。
(1)中心静脈圧測定に適したカテーテルの先端位置は上大静脈の右心房への入り口部の手前である。
(2)肺動脈楔入圧は左房圧を反映する。
(3)神経原性ショックでは中心静脈圧は上昇する。
(4)心原性ショックでは肺動脈楔入圧は低下する。
(5)出血性ショックでは体血管抵抗は減少する。
A. (1) (2) B. (1) (5) C. (2) (3) D. (3) (4) E. (4) (5)
46.正しい組み合わせは？
A. ドロペリドール−鉛管現象
B. フェンタニルー気管支収縮
C. ケタミンー徐脈
D. ミダゾラムー血管痛
E. 抗コリン薬ー高齢者せん妄
48.脊髄くも膜下麻酔による循環系の変化で正しいものはどれか
A脊髄くも膜下麻酔の前に輸液負荷を行うことにより低血圧を予防できる。
Bα作動薬の動脈収縮作用により低血圧を予防できる。
C脊髄くも膜下麻酔による低血圧は骨格筋と皮膚への血液の貯留に起因する。
D脊髄くも膜下麻酔による低血圧は麻酔開始後30分以内に限定される。
E脊髄くも膜下麻酔による低血圧は硬膜外麻酔に比べて軽度のことが多い。
49.小児における麻酔に関連する心停止の原因で多いものはどれか。
(1)薬剤誤投与
(2)悪性高熱症
(3)laterallergy
(4)anaphylaxy
(5)術前合併症
A. (1) (2) (3) B. (1) (2) (5) C. (1) (4) (5) D. (2) (3) (4) E. (3) (4) (5)
50.術前呼吸機能検査のスパイロメタリーで測定できないものはどれか。
（１）１回換気量
（２）呼気予備量
（３）クロージングボリューム
（４）シャント率
（５）機能的残気量
番号不明
（？番）混合静脈血酸素飽和量が下がる原因は？
（1）低拍出量
（2）悪性高熱
（3）心室中隔穿孔
（4）シアン中毒
（5）出血性ショック
GVHD(graft-versus-hostdisease)について誤っているのはどれか。
A血液製剤に放射線を照射することにより予防できる。
B新鮮な血液を輸血すると起こりやすい。
C副腎皮質ステロイド剤の投与が有効な治療法である。
D輸血後1-2週間で発症する。
E近親者の血液を使用することによりGVHDの危険性が高まる。
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