病理学��
問題分類しただけ。解答はなし。
１１） 下記は甲状腺、上皮小体の特徴や疾患の説明をした文章である。この中に10 箇所の間違いがある。間違い部分を行数とともに抜き書きし、解答用紙に正しい語句、文章を書きなさい。
（解答例）２８行目：食道癌の組織型で最も多いのは腺癌で、胃癌は扁平上皮癌である。
→�� 扁平上皮癌 �� 腺癌
1.内分泌臓器には下垂体、甲状腺、上皮小体（副甲状腺）、副腎があり、それぞれの臓器でホルモン分泌を行っている。ホルモンにはペプチドホルモン、ステロイドホルモン、アミン誘導体系ホルモンの3 種類が存在し、 ホルモン分泌はフィードバック機能によって調節されている。甲状腺ホルモンはマクログロブリンから作られるアミノ酸誘導体ホルモンで、上皮小体ホルモンはペプチドホルモンである。甲状腺ホルモンはTRH やTSH、上皮小体ホルモンはPTHrP により分泌調整される。 甲状腺機能異常には甲状腺機能亢進、低下症が見られ、それを引き起こす種々の原因がある。甲状腺機能亢進を示すバセドウ病の原因はTSH 受容体抗体の刺激、プランマー病の原因はTRH 受容体抗体による刺激である。橋本病では抗サイログロブリン抗体や抗マイクロゾーム抗体が出現するが、細胞性免疫による組織破 壊が原因である。バセドウ病の三徴は動悸、眼球突出、甲状腺腫大で、特徴的である。これに対して橋本病は症状が現れにくく、病状が進行し甲状腺の機能が低下すると寒がり、動作が鈍い、徐脈、皮膚乾+燥などの症状が現れる。組織学的な特徴としてバセドウ病では結節性過形成、橋本病ではリンパ濾胞形成を伴う慢性 炎症、線維化が見られる。上皮小体機能亢進では高カルシウム血症、機能低下では低リン血症が見られる。機能亢進症の原因の第一位は腺腫で、ついで過形成、癌である。上皮小体腺腫など上皮小体疾患が原因の機能亢進症を原発性と呼び、腎不全に伴う低Ca 血症による反応性上皮小体過形成が原因である機能亢進を続発性上皮小体機能亢進症と言う。上皮小体機能亢進症では尿管結石や骨過形成が特徴として挙げられる。組織学的には腺腫は主細胞の増殖からなり、上皮小体癌は非常に稀である。甲状腺には他の内分泌臓器に比べて腫瘍性病変が多く、多種類の癌が存在する。腺腫の代表は濾胞腺腫で、腺腫様甲状腺腫は多発性腺腫のことである。癌の中で圧倒的に多いのは乳頭癌で、ついで濾胞癌、髄様癌、 未分化癌の順である。濾胞癌は腺腫と鑑別が難しく、被膜浸潤、脈管侵襲が診断根拠となる。乳頭癌は、癌細胞の核の清明化、核の溝、核内封入体が重要な所見である。特に細胞診検査では核内封入体が重要な診断根拠となる。甲状腺癌の中で、髄様癌はオキシトニンやCEA(癌胎児性抗原)を分泌する。22.髄様癌の細胞質内には多数の顆粒が存在し、これを神経内分泌顆粒と言う。甲状腺癌は比較的予後が良好で、乳頭癌の10 年生存率は90％以上あるが、髄様癌は最も予後が悪く、発見されてから1 年以内に死亡する例がほとんどである。近年では悪性腫瘍における遺伝子異常の検索が進み、乳頭癌ではret/PTC 遺伝子の再配列異常、髄様癌ではret 遺伝子獲得性点突然変異、未分化癌ではbcl2 点突然変異が明らかになってきた。予後との関連が注目されている。
1.内分泌臓器には下垂体、甲状腺、上皮小体（副甲状腺）、副腎があり、それぞれの臓器でホルモン分泌を行っている。ホルモンにはペプチドホルモン、ステロイドホルモン、アミン誘導体系ホルモンの3 種類が存在し、 ホルモン分泌はフィードバック機能によって調節されている。甲状腺ホルモンはマクログロブリンから作られるアミノ酸誘導体ホルモンで、上皮小体ホルモンはペプチドホルモンである。甲状腺ホルモンはTRH やTSH、上皮小体ホルモンはPTHrP により分泌調整される。 甲状腺機能異常には甲状腺機能亢進、低下症が見られ、それを引き起こす種々の原因がある。甲状腺機能亢進を示すバセドウ病の原因はTSH 受容体抗体の刺激、プランマー病の原因はTRH 受容体抗体による刺激である。橋本病では抗サイログロブリン抗体や抗マイクロゾーム抗体が出現するが、細胞性免疫による組織破 壊が原因である。バセドウ病の三徴は動悸、眼球突出、甲状腺腫大で、特徴的である。これに対して橋本病は症状が現れにくく、病状が進行し甲状腺の機能が低下すると寒がり、動作が鈍い、徐脈、皮膚乾+燥などの症状が現れる。組織学的な特徴としてバセドウ病では結節性過形成、橋本病ではリンパ濾胞形成を伴う慢性 炎症、線維化が見られる。上皮小体機能亢進では高カルシウム血症、機能低下では低リン血症が見られる。機能亢進症の原因の第一位は腺腫で、ついで過形成、癌である。上皮小体腺腫など上皮小体疾患が原因の機能亢進症を原発性と呼び、腎不全に伴う低Ca 血症による反応性上皮小体過形成が原因である機能亢進を続発性上皮小体機能亢進症と言う。上皮小体機能亢進症では尿管結石や骨過形成が特徴として挙げられる。組織学的には腺腫は主細胞の増殖からなり、上皮小体癌は非常に稀である。甲状腺には他の内分泌臓器に比べて腫瘍性病変が多く、多種類の癌が存在する。腺腫の代表は濾胞腺腫で、腺腫様甲状腺腫は多発性腺腫のことである。癌の中で圧倒的に多いのは乳頭癌で、ついで濾胞癌、髄様癌、 未分化癌の順である。濾胞癌は腺腫と鑑別が難しく、被膜浸潤、脈管侵襲が診断根拠となる。乳頭癌は、癌細胞の核の清明化、核の溝、核内封入体が重要な所見である。特に細胞診検査では核内封入体が重要な診断根拠となる。甲状腺癌の中で、髄様癌はオキシトニンやCEA(癌胎児性抗原)を分泌する。22.髄様癌の細胞質内には多数の顆粒が存在し、これを神経内分泌顆粒と言う。甲状腺癌は比較的予後が良好で、乳頭癌の10 年生存率は90％以上あるが、髄様癌は最も予後が悪く、発見されてから1 年以内に死亡する例がほとんどである。近年では悪性腫瘍における遺伝子異常の検索が進み、乳頭癌ではret/PTC 遺伝子の再配列異常、髄様癌ではret 遺伝子獲得性点突然変異、未分化癌ではbcl2 点突然変異が明らかになってきた。予後との関連が注目されている。
2005年期末試験 １１
３） 下記は甲状腺、上皮小体の特徴や疾患の説明をした文章である。必ず間違った記述が１箇所ある。その箇所を指摘し、正しい語句に訂正しなさい。（一問 １０点）
- 甲状腺ホルモンはTRH やTSH、上皮小体ホルモンは血清K 値により分泌調整される。
- 原発性上皮小体機能亢進症の原因の第一位は過形成である。
- 腎不全に伴う上皮小体機能亢進症を原発性上皮小体機能亢進症と言う。
- 上皮小体機能亢進症では歯石や骨吸収が特徴として挙げられる。
- 上皮小体腺腫は壁細胞や好酸性細胞の増殖からなる。
- 甲状腺機能亢進を示すバセドウ病の原因はTSH 受容体抗体による刺激、橋本病は液性免疫による組織破壊である。
- バセドウ病ではびまん性過形成、橋本病では急性化膿性炎症が見られる。
- 良性甲状腺腫瘍の代表は管状腺腫で、腺腫様甲状腺腫は多発性過形成のことである。
- 髄様癌はカルシトニンを分泌する。細胞質内には多数の顆粒が存在し、これを上皮内分泌顆粒と言う。
- 悪性腫瘍における遺伝子異常の検索が進み、乳頭癌ではret/PTC 遺伝子の再配列異常、髄様癌ではras 遺伝子獲得性点突然変異、未分化癌ではp53 点突然変異が明らかになってきた。
（2005年病理学再試験３）
6. 下垂体腺腫の手術後多尿を伴い血液の電解質異常を呈する患者が見られた。こ の患者が何故このような多尿、電解質異常を中心とする水代謝異常を生じてくるのかについて考えられる病態を、下垂体の解剖位置他を良く考慮し、下垂体 から分泌されるホルモンとの関係から記載せよ。
(2003年病理学再試験６)
6. 甲状腺は主に濾胞上皮と傍濾胞細胞（いわゆるC細胞）からなる。この傍濾胞細胞について、以下のことがらを記せ。
1) 細胞についての説明と産生ホルモン
2) 同細胞由来と考えられる癌の名前
3) この癌の臨床病理的特徴
2002年病理学期末試験６
2. 甲状腺原発の癌の組織像（図２Ａ、２Ｂ、２Ｃ）を示す。
1) 組織所見を記載し、診断名を答えよ。
2) この癌では腫瘍細胞の核所見が特徴的と言われている。図２Ｃの矢印で示す特徴は何か？またその他の核所見の特徴像を２つ記載せよ。
2002年病理学再試験２
6. 甲状腺腫瘤を有している患者の鑑別診断は極めて重要である。以下の1）〜3）の場合、最も考えられる病理組織診断をその根拠とともに記載せよ。
1）73歳男性の甲状腺が過去6ヶ月で極めて大きくなってきて、側頚部にも多くの腫瘤が認められるようになってきた。
2）23歳の女性で甲状腺の腫瘤はそれ程大きくはないが、非常に重篤な高血圧が認められた。3歳上の姉も同様な高血圧が認められている。
3）通常の交通手段があまりなく、比較的隔離されていたヒンズクシー山脈の中に居住していたアフガニスタンから日本へ来た難民の12歳の少女。
2001年病理学中間試験６
2. 甲状腺他に関する以下の設問に答えよ。
1）甲状腺でのthyroid transcription factor-1の役割について知るところを述べよ．
2）種々の疾患において甲状腺を全摘するとあるホルモンの産生及びある血中の電解質が極めて低下して心電図などでも大きな変化を示し時に致死的な事もある。このホルモンの名前を英語で略さないで記載し，あわせて該当する電解質の名称、ならびにこのホルモンがどのようにこの電解質に対して影響を与えるのかをその機序を含めて述べよ。
2000年度3年生 病理学 II 中間試験（各論の夏休み前の範囲からの出題）
1. 21歳の医学部女子学生が頭痛、たちくらみ、めまいを主訴に大学の健康センターを受診したところ極めて重篤な高血圧を指摘された。彼女の血圧は収縮期で180-210mmHg，拡張期で100-120mmHgと比較的変動が大きいのが特徴であった。血中の電解質はNaが145mmEq/L，Kが4.0mmEq/Lであった。その後の大学病院での精査で腎臓の上部に最大径5cmの腫瘍が画像診断によって発見された。その後彼女は降圧剤で血圧を低下させてからこの腫瘍の摘出手術を受け、摘出された腫瘍の標本が病理診断を目的として病理部に提出された。この症例について以下の設問に答えよ。
1）この腫瘍の一番考えられる病理組織診断、及びその発生した組織を和文、英文双方で答えよ。またこの患者の高血圧の原因となっていたと思われるこの腫瘍から分泌されていたと思われるホルモンを答えよ。
2）この腫瘍の診断にあたった病理医は通常の組織診断に加えて病理診断の確認の為電子顕微鏡検査、免疫組織化学を追加して行った。この腫瘍における特徴的な超微形態所見ならびに免疫組織化学的に病理診断に用いられるマーカーを記載せよ。
3）この21歳の女性患者にとってこの腫瘍が今後再発、転移するかどうかは大きな問題であるが、この腫瘍の摘出標本でこの点をどのように検討できるかを記載せよ。
4）この患者の主治医は手術後この腫瘍がある臓器の特定の疾患と合併する事が多いので、血中のあるホルモンを測定した。この特定の疾患が発生する臓器、このホルモンの名称、合併した場合の症候群を和文、英文双方で、ならびにこのホルモンの作用について記載せよ。
2. 甲状腺他に関する以下の設問に答えよ。
1）甲状腺でのthyroid transcription factor-1の役割について知るところを述べよ．
2）種々の疾患において甲状腺を全摘するとあるホルモンの産生及びある血中の電解質が極めて低下して心電図などでも大きな変化を示し時に致死的な事もある。このホルモンの名前を英語で略さないで記載し，あわせて該当する電解質の名称、ならびにこのホルモンがどのようにこの電解質に対して影響を与えるのかをその機序を含めて述べよ。
3. ヒト卵巣の黄体についての以下の設問に答えよ。
1）ヒト卵巣組織における黄体の発育退縮過程を３つ以上に分類し、各々のsteroidogenesisとその産生細胞について記しなさい。なお専門用語は英語で記載のこと。
2）ヒト退縮黄体における毛細血管の意義について、ヒト機能黄体及び実験動物の退縮黄体と比較して述べよ。
4. 疾患A：minimal change nephrotic syndrome
疾患B：membranous nephropathy (glomerulonephritis)
疾患C：acute glomerulonephritis について，histopathological findings の特徴を
（1）light microscopy
（2）immunostainings
（3）electron microscopy
の3点からそれぞれ簡潔に述べ，さらに
（4）それぞれの疾患の発症機序・病因について簡潔に述べよ。
5. A（ ）内をうめなさい
- 腎癌の発生母地は（ ）である
- 腎癌はあらゆる抗癌剤に( )である
- 難治性精巣腫瘍に（ ）併用大量化学療法が試みられている
- 精巣腫瘍の発生母地は（ ）の細胞である
- 前立腺癌は（ ）と（ ）にしばしば転移する
- 前立腺は直腸診により直腸の（ ）に触れることができる
- 腎癌の脳転移に（ ）が有効である
- 表在性膀胱癌は（ ）が行われるがしばしば再発する
- 膀胱癌の大部分は（ ）癌である
- 精巣腫瘍の転移には（ ）がよく奏効する
B 右精巣腫瘍が最初に転移するリンパ節の部位をのべよ
C 精巣腫瘍の腫瘍マーカーを記載せよ
6. (A) Sketch (Draw a picture of) a typical Reed-Sternberg cell in Hodgkin's disease recognized on an HE slide and point out at least 3 characteristic morphological features briefly (in English or Japanese).
(B) Indicate the oncogene associated with the following chromosomal translocations.
(1) The t(9;22)(q34;q11) found in chronic myelogenous leukemia (CML)
(2) The t(14;18)(q32;q21) found in malignant lymphoma, follicular
(3) The t(11;14)(q13;q32) found in mantle cell lymphoma
(4) The t(8;14)(q24;q32) found in Burkitt lymphoma
7. 21歳の女子学生が6月頃より食欲不振を感じていた。試験も続き，疲労・心労もあり，夏バテと思っていた。夏休み，気晴らしにプールに行ったが，友人に腹が出たとからかわれた。確かに水着がきつかった。『妊娠？』前回の生理がいつだったか思い出せない。しかし，『身に覚えはないし・・・。』その日はプールで遊んで帰った。夏休みも終わりに近付いた頃，食欲不振が強くなり，時には嘔吐もあり，腹もますます出てきたため，近医を受診した。種々の検査を受けたが，内視鏡検査ではbiopsyを施行された。その標本を以下に示す。
（1）この学生の診断は何だろう。病名と組織診断名を日本語と英語の両方で記せ。
（2）この病気の発生・進展について教科書的に知っていること，君自身が考えたことなどを簡潔に記載せよ。
（3）問題文から読みとれる範囲で，この学生の病気の進行程度などを記せ。
（4）君なら何を考え，どのような方針で診療に当たりますか？（理にかなっていればOK）
2000年病理学中間試験７
甲状腺の分泌細胞に見えるけれど・・・。
確かこれは印環細胞じゃなかったかな？
（中が粘液で白く抜けていて、核が外側に押しやられている）
試験問題
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