産婦人科学
平成18年1月27日（金）16:00〜18:00
『再試験も同じ。』
〔注意事項〕
名前を確認すること
解答は解答用紙に記入し、解答用紙のみ提出すること。
問題は50題である。
1.
Apgarスコアに含まれないのはどれか。
a 呼吸数 b 心拍数 c 反射 d 筋トーヌス e チアノ−ゼ
2.
更年期の特に増加するのはどれか。
a LH b FSH c テストステロン d エストロゲン e プロゲステロン
3.
24歳の女性。悪心、嘔吐を主訴として来院した。生来健康。最終月経は2か月であった。身長160cm、体重52kg。尿所見：糖（−）、蛋白（−）、ケトン体（−）。まず行うべき検査はどれか。
a 妊娠反応 b 便潜血反応 c 注腸造影 d 頭部CT e 脳脊髄液検査
4.
18歳の女性。無月経と体重減少とを主訴として来院。6か月前から長距離走行を始めたところ、体重が7kg減少するとともに3か月前から無月経になった。
a ゴナドトロピン高値 b エストロゲン低値 c プロラクチン低値 d インスリン高値 e コルチゾール高値
5.
機能性子宮出血が最も多い時期はどれか。
a 小児期 b 思春期 c 成熟期 d 更年期 e 老年期
6.
新生児仮死の評価に用いられないのはどれか。
a 皮膚色 b 呼吸 c 心拍数 d 筋緊張 e 浮腫
7.
25歳の1回経産婦。妊娠38週。破水したために入院。今回の妊娠経過に異常はない。陣痛は正常。胎児心拍にも異常を認めない。内心で小泉門が先進して母体右前方に触れ、先進部SP+2cm。
誤っているのはどれか。
a 児頭最大通過面は小斜径周囲面である。
b 第3回旋は2段階をとる。
c 前方後頭位になる。
d 産瘤は後頭部左側にできる。
e 児頭は長頭蓋となる。
8.
術中出血の対応で誤っているのはどれか。
a ヘモグロビン値が8g/dl以下で輸血を開始する。
b 全血輸血から開始する。
c 全組織間液の補充から開始する。
d アルブミン液の補充はアルブミン値が2.7g/dl以下で開始する。
e 血小板の補給は血小板数が3万/dl以下で開始する。
9.
42歳の女性。性交痛と腰痛を主訴として来院。37歳で閉経。乳房がやや萎縮。内診上、外陰が萎縮し、腟壁が発赤している。子宮はやや小、両側付属器は触知しない。腰椎X線単純写真で骨梁が粗、第4腰椎に魚椎様変化がある。
エストロゲン補充療法にあたって最も必要な併用薬はどれか。
a 乳酸カルシウム b ビタミンD c 蛋白同化ホルモン d ゲスターゲン e カルシトニン
10.
流産の原因として最も多いのはどれか。
a 胎芽の欠損 b 双角子宮 c 頸管無力症 d 子宮収縮 e Rh血液型不適合
11.
羊水過多の原因となる胎児異常はどれか。
(1) 脊椎破裂 (2) 先天性食道閉鎖 (3) 横隔膜ヘルニア (4) Potter症候群 (5) 鎖肛
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
12.
双胎妊娠について正しいのはどれか。
(1) 最近、わが国の頻度は増加している。
(2) 羊水過多の合併は二卵性よりも一卵性双胎に多い。
(3) 双胎一児死亡は一卵性双胎に多い。
(4) 二絨毛膜双胎に双胎間輸血症候群が多く起こる。
(5) 結合双胎は一絨毛膜二羊膜双胎に起こる。
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
13.
Rh血液型不適合妊娠で正しいのはどれか。
(1) 我が国で最も多いのはRh0(D)不適合である。
(2) 既往に妊娠・分娩歴がなければ児に溶血性疾患は起こらない
(3) 母体血の抗体価を確定するために直接Coombs試験を行う。
(4) 胎児罹患度を判定するには羊水L/S比測定が最も有用である。
(5) 児がRh陰性なら母に抗Rh免疫グロブリンを投与しなくとも良い。
14.
糖尿病が関与しないのはどれか。
(1) 流早産 (2) 妊娠中毒症 (3) 羊水過多 (4) 過期産 (5) 骨盤位
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
15.
妊娠糖尿病について誤っているのはどれか。
a 妊娠前の糖負荷試験は正常である。
b 産後2か月での糖負荷試験は正常である。
c 児体重は増加傾向を示す。
d 高血糖に対して経口糖尿病薬を投与する。
e 将来、糖尿病を発症するリスクが高い。
16.
妊娠の異常と所見との組み合わせで誤っているのはどれか。
a 重症妊娠悪阻 - ケトーシス
b 子宮外妊娠 - Arias-Stella反応
c 早産 - 絨毛膜羊膜炎
d 常位胎盤早期剥離 - 子宮胎盤溢血
e 前置胎盤 - 羊水過多
17.
陣痛促進薬の使用が禁忌なのはどれか。2つ選べ。
a 常位胎盤早期剥離 b 妊娠中毒症軽症 c 絞窄輪難産 d 非適時破水 e 心疾患合併症
18.
胎児が低酸素状態になったときに血流が増加する臓器はどれか。
(1) 脳 (2) 心 (3) 肺 (4) 肝 (5) 腎
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
19.
24歳の初妊婦。妊娠経過は順調。妊娠25週、軽い腹緊とともに、多量の水様の帯下を認め、通院先の診療所に来院した。
もっとも適切な処置はどれか。
a 入院安静のうえ、経過を観察する。
b 入院安静のうえ、子宮収縮抑制薬を投与する。
c 入院安静のうえ、副腎皮質ステロイド薬を投与する。
d 分娩時、新生児専門医の待機を依頼する。
e 高次医療施設へ母体搬送をする。
20.
弛緩出血時に行うのはどれか。
(1) オキシトシン投与 (2) 塩酸リトドリン投与 (3) Leopold触診法 (4) 双手圧迫法 (5) 子宮摘出術
21.
胎児の循環系について正しいのはどれか。
(1) 卵円孔では左心房から右心房に血液が流れる。
(2) 動脈管では肺動脈から下行大動脈に血液が流れる。
(3) 静脈管には酸素化血が流れる。
(4) 臍帯動脈では胎盤から胎児側に血液が流れる。
(5) 絨毛間腔には胎児血が流れる。
22.
妊娠の成立で正しいのはどれか。
a 受精は卵管峡部で起こる。
b 妊卵（胚）は多量のプロゲステロンを分泌する。
c 子宮外妊娠は卵管間質部で最も起こりやすい。
d 着床は受精後6〜7日に起こる。
e トロホブラストは3胚葉に分化する。
23.
妊娠による母体の生理的変化としてみられるのはどれか。
(1) 心拍出量の増加
(2) 末梢血管抵抗の減少
(3) 肺気量の減少
(4) 食物の消化管通過時間の短縮
(5) クレアチニンクリアランスの増加
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
24.
正常分娩の経過として正しいのはどれか。
(1) 子宮頚管の開大をもって分娩開始とする。
(2) 適時破水は陣痛開始の直後に生じるものをいう。
(3) 頭位分娩では分娩第2期に入るまで児頭は浮動している。
(4) 娩出期陣痛は開口期陣痛と比べて、強度、持続が大である。
(5) 頭位分娩では児頭の第4回旋は児頭娩出後に起こる。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
25.
23歳の初産婦。分娩開始後10時間を経過している。
異常と考えられる所見はどれか。
(1) 陣痛発作50秒、間欠2分
(2) 子宮口7cm開大
(3) 先進部の位置はSP±0
(4) 大泉門先進
(5) 矢状縫合は横径に一致
26. 関係が少ない組合せはどれか。
a 21trisomy - 内眥贅皮
b 46XX - 全胞状奇胎
c 45XO - 高身長
d 47XXY - 無精子症
e 3倍体 - 流産
27.子宮頸管熟化の指標となるのはどれか。
(1) 胎児の固定 (2) 頸管の展退度 (3) 子宮口の位置 (4) 子宮収縮の頻度 (5) 血性粘液の排出
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
28.
Bishopスコアと関係ないのはどれか。
(1) 腟壁の進展度 (2) 児頭の下降度 (3) 頸管の開大度 (4) 頸管の展退度 (5) 子宮口の位置
29.
胎児心拍数変動パターンでlate decelerationに最も関係するのはどれか。
a 臍帯圧迫 b 未熟肺 c 絨毛間腔循環血液量減少 d 先天性心疾患 e 児頭圧迫
30.
羊水検査で診断できるのはどれか。
(1) Down症候群
(2) 単純閉塞性水頭症
(3) 胎児肺低形成
(4) 胎児消化管閉塞
(5) 胎児溶血性貧血
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
31.
超音波断層法で診断可能な胎児疾患はどれか。
(1) 水頭症 (2) 無脳児 (3) Down症候群 (4) 先天性風疹症候群 (5) 鎖肛
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
32.
産科異常と処置との組合せで正しいのはどれか。
a 仰臥位低血圧症候群 - 左側臥位
b 骨盤位 - 内回転術
c 遷延横位 - 外回転術
d 高在縦定位 - 吸引分娩
e 低在横定位 - 鉗子分娩
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
33.
性(行為)感染症＜STD＞と関連があるのはどれか。
(1) 子宮内膜症
(2) 子宮外妊娠
(3) 流産
(4) 子宮頸癌
(5) 膀胱脱
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
34.
女性のクラミジア性器感染症が原因となるのはどれか。
(1) 不妊症 (2) 子宮内膜症 (3) 胎児奇形 (4) 子宮外妊娠 (5) 骨盤腹膜炎
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
35.
付属器炎として後遺症として残りやすいのはどれか。
(1) 卵管閉塞 (2) Asherman症候群 (3) 卵管子宮内膜症 (4) 習慣流産 (5) 卵管水腫
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
36.
子宮腺筋症でよくみられるのはどれか。
(1) 頻尿 (2) 排便痛 (3) 月経痛 (4) 不斉子宮出血 (5) 卵管障害
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
37.
次の卵巣腫瘍で良性なのはどれか。
(1) 未分化胚細胞腫 (2) 顆粒膜細胞腫 (3) 莢膜細胞腫 (4) 線維腫 (5) 甲状腺腫
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
38.
卵巣腫瘍と産生されるホルモンとの組合せで正しいのはどれか。
a 顆粒膜細胞腫 - エストラジオール
b 門細胞腫 - テストステロン
c 卵黄嚢腫瘍 - アルドステロン
d 類皮嚢胞腫 - コルチゾール
e 漿液性嚢胞腺腫 - プロゲステロン
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
39.
卵巣腫瘍のうち若い婦人に好発するのはどれか。
(1) 粘液性嚢胞腺癌
(2) 漿液性嚢胞腺癌
(3) Brenner腫瘍
(4) 未分化胚細胞腫
(5) 皮様嚢腫
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
40.
粘膜下子宮筋層の伴うのはどれか。
(1) 過多月経
(2) 月経時疼痛
(3) 下腹部腫瘤感
(4) 頻尿
(5) 便秘
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
41.
子宮頸部の異形成について正しいのはどれか。
a 細胞診では傍基底型悪性細胞が特徴的である。
b 扁平上皮領域に好発する。
c コルポスコピィデモザイクや赤点斑が認められる。
d 自然治癒は少ない。
e 初期浸潤癌と共存することはない。
42.
子宮体癌につき適切なのはどれか。
(1) 閉経期以後の婦人に多い。
(2) 放射線療法が著効を奏する。
(3) �鬼�で未分化癌の場合には�毅盍�とする。
(4) 腹水があれば�郡�である。
(5) 組織学的に腺棘癌は少ない。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
43.
子宮体癌について誤っているのはどれか。
a 我が国における発生頻度は近年増加傾向にある。
b 子宮鏡検査がスクリーニングの方法として用いられる。
c 不正性器出血が最も多い初発症状である。
d 子宮筋層浸潤の深さは予後に関係が深い。
e プロゲステロン薬が治療に用いられる。
44.
子宮癌について誤っているのはどれか。
(1) 頸部上皮の高度異形成は前癌病変である。
(2) 摘出子宮で頸部に限局する明瞭な浸潤癌は頸癌�毅甦�である。
(3) 頸癌で癌浸潤が膣下方1/3に及ばず、側方の浸潤は骨盤壁に達しないのは�僑甦�である。
(4) 体癌が卵管に及んでいる場合は�郡�である。
(5) 体癌で肝転移がある場合は�鹸�である。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
45.
全胞状奇胎について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 1精子または2精子による雄性発生である。
b 胎児または臍帯成分の一部が見られる。
c 奇胎組織は絨毛形態が破壊されている。
d hCGは合胞細胞から分泌される。
e 奇胎娩出後6週まで尿中hCGの変化を追跡する。
46.
無月経でFSHが最も高値を示すのはどれか。
a 多嚢胞性卵巣（PCO）
b Turner症候群
c 副腎性器症候群
d Sheehan症候群
e 神経性食思不振症
47.
高プロラクチン血症と関連するのはどれか。
(1) 乏尿 (2) 不妊 (3) 視覚障害 (4) 難聴 (5) 片麻痺
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
48.
不妊について正しいのはどれか。3つ選べ。
a 男性不妊の主たる原因は造精機能障害である。
b クラミジア感染症は不妊の原因となる。
c 人工妊娠中絶後の不妊原因としてAsherman症候群がある。
d 卵管性不妊に対して人工授精が適応となる。
49.
閉経後の女性に見られるのはどれか。
a 下垂体機能の低下
b 血管運動神経機能の低下
c 皮膚コラーゲン含量の増加
d 腟内Döderlein桿菌の増加
e 骨密度の減少
50.
正しいのはどれか。
(1) 卵細胞には核周囲に透明帯がある。
(2) 成熟卵胞壁は外側から莢膜細胞層、顆粒膜細胞層によって形成される。
(3) 卵巣の血流には卵巣動脈、子宮動脈の両者が関与する。
(4) 卵巣白体は閉鎖卵胞が結合織におきかえられたものである。
(5) 黄体は莢膜細胞が増殖することによって生じる。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
解答
1 a 2 b 3 a 4 b 5 d 6 e 7 b 8 b 9 d 10 a
11 aとc ２つ答えがある根拠：Question Bank 2006 産科 P229の表
12 a 13 b 14 e 15 d 16 e 17 a c 18 a 19 e 20 c
21 c 22 d 23 b 24 e 25 d 26 c 27 c 28 a 29 c 30 b
31 a 32 b 33 d 34 c 35 b 36 d 37 e 38 a 39 e 40 a
41 c 42 b 43 b 44 c 45 a d 46 b 47 c 48 a b c 49 e 50 c
試験問題
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6年生
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