外科学��
問題1 新生児について誤りはどれか。
1) 新生児とは出生から生後4週までを言う。
2) 新生児の細胞外液量は体内水分量の20％である。
3) 体表面積が広く尿濃縮力が低いため、水分出納が大きい。
4) 水分出納を乱しやすく、容易に脱水、浮腫を来す。
5) 体温調節機構が不完全で、環境温度に左右される。
問題2 新生児について、誤りはどれか。
1) 体温調節機構が不完全で、環境温度に左右されやすい。
2) 横隔膜の発達が不十分で呼吸は胸郭運動が主体である。
3) 肺胞面積に比べ気道が長く、解剖学的死腔が大きい。
4) 水分出納を乱しやすく、容易に脱水、浮腫を来す。
5) 噴門機能が未熟なため溢乳しやすい。
問題3 新生児について誤りはどれか。
1) 出生時体重1,000ｇ以上1,500g未満を超低出生体重児という。
2) 呼吸中枢が未熟である。
3) 肝のグリコ−ゲン貯蔵量が少ないため低血糖をおこしやすい。
4) 低温環境に対する皮膚反射が鈍い。
5) 抗利尿ホルモンの産生が少なく、尿細管のADHに対する反応が弱いので濃縮力が低い。
問題4 小児がんについて、誤りはどれか。
1) 胎児期組織由来の腫瘍が多い。
2) 発生ピークが0〜1歳台にあることが多い。
3) ダウン症候群では肝芽腫が発生しやすい。
4) Kleinfelter症候群では縦隔胚細胞腫瘍が発症しやすい。
5) 色素性乾皮症では皮膚癌を発症しやすい。
問題5 小児がんについて、誤りはどれか。
1) 小児がんは腫瘍増殖速度が速い。
2) 小児がんには化学療法が有効なことが多い。
3) 小児がんは小児死亡原因の第4位である。
4) 小児がんで最も多いのは悪性リンパ腫である。
5) 小児がんでは成人に発症する癌腫は稀である。
問題6 神経芽腫について誤りはどれか。
1) 尿中VMA、HVAは神経芽腫の特異的なマーカーである。
2) 神経芽腫の好発部位は副腎である。
3) 神経芽腫の1才未満症例の生存率は1才以上症例に比較して良好である。
4) 神経芽腫の転移は肺に多い。
5) 1歳までにおよそ25％が発症する。
問題7 神経芽腫について誤りはどれか。
1) 神経芽腫は自然退縮を来す事がある。
2) 皮下転移、肝転移を来す神経芽腫は予後不良である。
3) 眼窩転移は神経芽腫に特徴的である。
4) 交感神経原発の場合、dumbbel typeとなることがある。
5) 神経芽腫は白血病に次いで多い小児がんである。
問題8 小児死亡の順位で誤りはどれか。
1) 1位：不慮の事故
2) 2位：先天奇形
3) 3位：感染症
4) 4位：悪性新生物
5) 5位：心疾患
問題9 ウィルムス腫瘍について正しいのはどれか。
1) 約半数は乳児例である。
2) 18番染色体の異常と関係がある。
3) ほとんどが血尿で発見される。
4) CT検査では石灰化を伴うのが特徴である。
5) 手術では腎摘出術を行うのが一般的である。
問題10 肝芽腫について正しいのはどれか。
1) 肝硬変を合併することが多い。
2) 黄疸を呈するものが多い。
3) 腫瘍マーカーとしてCEAが重要である。
4) 切除不能例には化学療法を先行する。
5) 肝芽腫、成人型肝癌はいずれも予後良好である。
問題11 横紋筋肉腫について正しいのはどれか。
1) 原発部位は泌尿生殖器が最も多い。
2) 組織学的には胎児型が多い。
3) 腫瘍マーカーとしてCA19-9が重要である。
4) 化学療法としてはVincristine、Actinomycin-D、Cisplatinの3剤併用が基本である。
5) 1歳未満は予後良好である。
問題12 胚細胞腫瘍について正しいのはどれか。
1) 尾仙骨部、縦隔、卵巣、精巣が4大好発部位である。
2) 悪性例が約半数を占める。
3) 卵巣原発例は乳児期に最も多い。
4) α−fetoproteinの異常高値は悪性成分の存在を示唆する。
5) 尾仙骨部奇形腫摘出の際には尾骨を温存する必要がある。
問題13 小児固型良性腫瘍について正しいのはどれか。
1) 脂肪腫が最も多い。
2) 苺状血管腫の多くは5才までに自然消褪する。
3) リンパ管腫は腹部に好発する。
4) 血管腫やリンパ管腫の治療は摘出が第一選択である。
5) 組織型によらず予後は極めて良好である。
問題14 先天性食道閉鎖症について誤りはどれか。
1) 下部食道と気管が交通していることが多い。
2) 唾液の誤嚥による肺合併症の危険が大きい。
3) 胎児エコーで羊水過多があり、胃泡が見えないときに疑診される。
4) 胃管が挿入できないことで診断される。
5) 上下食道が盲端となるA型では、一期的食道吻合が行われることが多い。
問題15 先天性横隔膜ヘルニアについて誤りはどれか。
1) 横隔膜の欠損孔から腹腔内臓器が胸腔内に脱出する。
2) 患側は左側が多い。
3) 胎児診断は不可能である。
4) 肺低形成と胎児循環遺残(PFC)が原因で呼吸循環障害をきたす。
5) 生後24時間以内に発症するものは予後が悪い。
問題16 先天性腹壁異常について誤りはどれか。
1) 臍帯ヘルニアは腹壁破裂に比べて合併奇形が多い。
2) 腹壁破裂ではヘルニア嚢が認められない。
3) 腹壁破裂では低出生体重児はまれである。
4) 術前管理は低体温⁄感染⁄脱水の予防が重要である。
5) 臍帯ヘルニアの予後には染色体異常や合併奇形が大きく関与している。
問題17 漏斗胸について誤りはどれか。
1) 胸骨⁄肋骨⁄肋軟骨の変形により前胸壁が陥凹している。
2) 家族内発生がみられることもある。
3) 成長とともに陥凹は目立たなくなることが多い。
4) 多くは無症状である。
5) 反復する呼吸器感染の原因になる事がある。
問題18 臍ヘルニアについて誤りはどれか。
1) 生後の臍帯脱落の過程の障害による。
2) 臍基部の筋膜欠損部から腸管が脱出する。
3) ヘルニア嚢は皮膚で覆われている。
4) 合併奇形が多い。
5) 自然治癒することが多い。
問題19 先天性腸閉塞症について誤りはどれか。
1) 十二指腸閉鎖症では腹部単純レントゲン写真でdouble bubble signがみられる。
2) 回腸閉鎖症では胆汁性嘔吐がみられる。
3) 閉鎖する部位のうち頻度の一番高いのは結腸である。
4) 診断には注腸造影（大腸造影）が有用である。
5) 一般に予後は良好である。
問題20 腸回転異常症について誤りはどれか。
1) 胎生期の腸管の回転・固定の異常によって生じる。
2) 新生児期に発症することが多い。
3) 診断には注腸造影（大腸造影）が有用である。
4) 症状のない場合でも速やかに手術を行う。
5) 下血が認められる場合は、他の疾患をより強く疑う必要がある。
問題2 小児のソケイヘルニアについて誤りはどれか。
1) 原因のほとんどは腹膜鞘状突起の遺残である。
2) ヘルニア内容は腸管であることが多い。
3) 触診上、silk signが特徴的である。
4) 自然治癒の可能性が高いので1歳までは経過観察する。
5) 手術はヘルニア嚢の行為結紮を行う。
問題22
1) 小児では成人に比べて軽症例が多い。
2) 主な症状は腹痛、発熱、嘔吐である。
3) McBurney?点に圧痛を認めることが多い。
4) Blumberg徴候が特徴的である。
5) 小児では腹部超音波検査は診断に有用であることが多い。
問題23
生後3週間の乳児。生後哺乳、排便に問題なかったが、1日前より突然胆汁性嘔吐が出現した。注腸造影（大腸造影）を行ったところ、回盲部が右上腹部に位置し、上部消化管造影では十二指腸の走行異常を認めた。
この症例について誤りはどれか。
1) 胎生期の腸管の回転・固定が正常に行われなかったことに起因する。
2) この疾患は新生児期に発症することが多い。
3) 診断がつき次第速やかに手術を行う。
4) 手術は、腸管の走行を正常な状態に戻して固定する。
5) 短腸症候群に至る原因疾患の一つである。
問題24 Hirschsprung病について誤りはどれか。
1) 腸管壁内神経節細胞の欠如がHirschsprung病の原因である。
2) Hirschsprung病は新生児発症より幼児期以降の発症が多い。
3) Hirschsprung病で最も多い病型はrectosigmoid aganglionosisである。
4) Hirschsprung病の診断に必要な検査は注腸造影、直腸肛門内圧検査、直腸粘膜生検である。
5) Hirschsprung病の根治術として、施設により異なるが、主にDuhamel法、Soave法、Swenson法が行われている。
問題25 鎖肛（直腸肛門奇形）について誤りはどれか。
1) 鎖肛は直腸盲端の位置と肛門挙筋群との位置関係により高位・中間位・低位に分類される。
2) 女児鎖肛では直腸盲端と腟または腟前庭の間に瘻孔を有することが多い。
3) 男児高位鎖肛では直腸盲端と膀胱の間に瘻孔を有することが多い。
4) 鎖肛患児の約半数に泌尿生殖器・神経・骨格・心奇形・消化器奇型などの合併奇形が認められる。
5) 鎖肛の治療では人工肛門造設は必須ではない。
問題26
1) 小児の胃食道逆流症(GERD)について間違っているのはどれか。
2) GERDの診断に必要な検査は上部消化管透視と24時間pHモニタリングである。
3) GERDを無治療で放置した場合、発育障害・誤嚥性肺炎・逆流性食道炎を発症する。
4) GERDの外科的な治療法としてNissen法による噴門形成術が行われている。
5) GERDは重症心身障害児によく認められる。
問題27 以下の記載で正しいのはどれか。
1) メッケル憩室は空腸起始部にみられる。
2) メッケル憩室は腸間膜反対側に発生する。
3) メッケル憩室は、無症状でもその大部分はシンチグラムで診断ができる。
4) メッケル憩室で下血を来す場合は、腸管壊死を伴うことが多い。
5) 下血に対する超音波検査でターゲットサインが認められたら、メッケル憩室の存在は除外できる。
問題28 以下の記載で正しいのはどれか。
1) 若年性ポリープは胃・小腸に好発する。
2) 若年性ポリープは常染色体優性の腺腫性ポリープである。
3) ポイツ・イェーガース症候群に遺伝性はない
4) 家族性ポリポーシスで悪性化することはまれである。
5) 小児では過誤腫性ポリープが多い。
問題29 以下の記載で正しいのはどれか。
1) 横断を示す乳児早期の患者で、便が黄色調であっても胆道閉鎖症は否定できない。
2) 胆道閉鎖症の診断は、胆道シンチグラムで胆汁の排泄が認められないことで確定する。
3) 新生児管炎が完全に否定できない場合は、開腹手術を行うべきではない。
4) 胆道閉鎖症の根治手術直後に最も問題となる合併症は門脈圧亢進症である。
5) 胆道閉鎖症の病型では、三管合流部以下で肝外胆管の閉塞しているタイプが多い。
問題30 以下の記載で正しいのはどれか。
1) 先天性胆道拡張症は男児に多くみられる。
2) 先天性胆道拡張症の主な病因論として膵管胆道合流異常説がある。
3) 先天性胆道拡張症では拡張胆管と腸管との内瘻術が行われる。
4) 先天性胆道拡張症で高アミラーゼ血症を示すことはまれである。
5) 先天性胆道拡張症の手術は、思春期以降まで待機してから行われることが多い。
解答（多分ね）：
問題1 2) 新生児の体内水分量は20％（成人は20％）
問題2 2) 胸郭運動 → 横隔膜運動（腹式呼吸）
問題3 1)
低出生体重児 1,500〜2,500g
極低出生体重児 1,000〜1,500g
超低出生体重児 〜1,000g
問題4 3) 肝芽腫 → 白血病
Kleinfelter症候群は縦隔胚細胞腫瘍の他、乳癌、悪性リンパ腫、白血病を発症しやすい
問題5 4) 白血病 35％、神経芽腫 20％、悪性リンパ腫 8％
問題6 4) 肝、皮膚、骨髄への転移は予後良好（�牽咼好董璽検�
問題7 2)
問題8 �〇�故 �◆＼菘郡餬繊 ´�周産期障害 �ぐ�性新生物 �タ桓栖機 帖帖´┫鏡�症
問題9 5)？
1) 約半数が2歳未満の発症 2) 11p13 WAGR 3)腹部腫瘤 80％、 高血圧 25％、血尿 25％ 4) 石灰化は伴わない
問題10 4) second-look-operation
1) 肝癌と異なり合併しない 3) CEA → AFP
問題11 2)？ 胎児型63％、胞巣型20％ 4)？ VAC療法を行う
1) �‘�頸部 ��泌尿器 ��四肢・体幹 3) 特異的な腫瘍マーカーは無い 5) 5年生存率32％(2003年)と非常に予後不良
問題12 4) 他にhCG、LDH1が腫瘍マーカー。
1)縦隔 →後腹膜 2) 成熟60％、未熟10％、悪性30％ 3) 思春期に最多 5) 悪性化する事があるので直ちに尾骨合併切除
問題13 2)
1)�〃豐票陝´▲螢鵐儡票陝 �3) 頸部に好発 4)、5) 莓状、海綿状、血管内皮腫は予後良好なので経過観察を行う
問題14 5) 食道の長さが足りないので胃瘻を作って多段階に手術する
問題15 3) 胸腔内に臓器、心臓が対側にあることから判断する
問題16 3)
5) そのため、臍帯ヘルニアは腸壁破裂よりも予後が悪い
問題17 3) 成長とともに高度になる
問題18 4)
問題19 3) 小腸1/3、十二指腸1/4
5) 死亡率５％
問題20 5)
林先生に直接尋ねてみたところ
「どうして問題持ってるのー？」
と困ったように笑いながらも教えていただきました。
腸回転異常症だけでは下血を起こさないため 5) が誤りらしいですが、非常に紛らわしい問題だそうです。
問題21 4) 自然治癒は無いので、なるべく早く手術を行う
問題22 1) 穿孔にいたる例が多い
問題23 4) 腸管の走行を無回転状態にする
問題24 2) 新生児期の発症が多い。
問題25 3) 前立尖部尿道に開口することが多い。（標準外科学第10版 P778）
5) 低位の鎖肛では人工肛門造設は必須ではない
問題26 1) 重症心身障害児意外は予後良好で、薬剤・体位指導により1〜2歳で自然治癒する。
問題27 2) 臍の方向
1) 回腸末端から口側に90cmの場所 3) 下血例以外は確定できない 4) 腸管壊死 → 潰瘍 5) これは腸重積のサイン。下血時の99mTc以外で確定診断するのは難しい。
問題28 5) 過誤腫性ポリープhamartoma：成熟細胞だが秩序ある組織構造を示さない（ロビンス基礎病理学第6版 P159）
腺腫との違いは構造を保っているかどうか、と言ってた気がする
若年性ポリープ、Peutz-Jeghers症候群、家族性大腸ポリポーシスが過誤腫性ポリープであり、若年性ポリープが多い。
1) 直腸、S字結腸に好発 2) 腺腫性 → 過誤腫 3) 優性遺伝 4) 放置すれば40歳までに100％悪性化する
問題29 1) 灰白色便で無いこともある
2) 肝機能テストなどで確定診断 3) 試験開腹で直接胆道造影 4) 上行性胆管炎が最重要 5) 肝門部の閉塞が90％
問題30 2)
1) ♂：♀＝1：4 3)行ってはいけない 4) アミラーゼは急性膵炎の徴候だから？ 5)診断が付き次第手術。癌化の危険性があるため拡張胆管は切除する。
試験問題
1年生
2年生
3年生
4年生
6年生
リンク集
最新の20件
2022-09-06
2021-01-31
2021-01-06
2016-11-16
2016-11-14
2016-11-11
2016-11-09
2014-07-27
2014-01-30
2013-01-12
2012-05-15
2010-10-04
2010-07-18
2010-07-04
2009-09-21
2009-03-01
2009-01-23
メニューバーの編集
- counter: 2284
- today: 1
- yesterday: 0
- online: 1
