法医学
平成１９年度法医学最終試験プール問題（４年次学生）
今回も予め問題をプールしておき、ここから６題（診断書・検案書問題が２題、法医学一般から３題、医薬品安全性学から１題）出題する予定である。なお、医薬品安全性学２回の講義をすべて出席したものはこの問題の解答を免除する。（２０点加算）。それ以外の学生は医薬品安全性額からの問題一題を必ず解答すること。
原則再試は行わない（病欠などによる追試はあれば行う）。全問プール制であるため、普通に勉強していれば十分合格レベルの解答が可能なはずだからである。したがって、特別な理由がない限り、点数の極端に悪いもの、追加課題をパスした学生は留年希望と解釈する。
配点は一問２０点。但し死亡診断書・検案書作成問題は一問１０点。
死亡診断書・死体検案書作成問題（ここから２題）
授業中に渡した課題事例の中から死亡診断書あるいは死体検案書を書いてもらう。特に講義で取り上げた問題はよく見ておくこと。
法医学一般問題（ここから３題）
１.早期死体現象の一つである死体冷却について法医学的な意義を述べよ。更に授業で述べた温度データロガの利点について述べよ。
２.頚部圧迫は死に至る機序を考える上で、鼻口部閉塞・気道閉塞などほかの窒息と区別されることが多い。それはなぜか。また頚部圧迫にはどのような種類があるのか。定義を含めてそれぞれの違いを述べよ。
３．前胸部および頚部に創がある死体を検案した。成傷器は死体のそばにはないという。なお、死体は翌日司法解剖予定である。検案医として体表検査をする上で、創の評価の方法、ならび注意すべき点について述べよ。
４．STR多型が親子鑑定や身元確認に多用されている理由を述べよ。
５．多数災害死体が発生した場合、身元確認のプロセスを述べよ（航空機事故災害とあるいは津波を伴う大規模地震災害とに分けて考えると答えやすい）
６．小児虐待を疑わせる診察上のポイントを述べよ（養育者の観察を含めること）。
７．Munchausen syndrome by proxy(代理人によるミュンヒハウゼン症候群）について、特に小児虐待との関連から述べよ。
８．傷害事件ならび覚醒剤中毒患者に関連する患者の対応について、それぞれ法医学的な注意点を述べよ。
９．死亡診断書と死体検案書の違いを述べよ（どのようなときに死亡診断書／死体検案書
を発行するのか、を中心に述べよ）。
１０．法医学的に異状死とはどのようなものをいうのか説明せよ。
医薬品安全性学からの問題（ここから一題：一回以下の出席者は必ず解答すること）
１．講義でとりあげた医療事故の発生事例を３例挙げ、それぞれ有効と考えられる防止策を述べなさい。
２．生体試料からのアコニチンアルカノイドの検出法について、簡単に説明しなさい。
３．例に従いチトクロームP450を阻害する医薬品と誘導する医薬品を分子種とともに挙げなさい（例：誘導薬 CYP1A1−たばこ）。また、実際の併用による相互作用の事例を３つ述べなさい。
原則、再試は行わないので（追試は行うことがある）、合格点に満たない学生は、留年希望と解釈する。
試験まで十分な準備期間があるはずであり、文章の稚拙さや誤字がひどければそこそこの減点の対象とする。
なお、試験前に解答のポイント（解答そのものではない！）に関し、私を含めて教室員に聞きにくる場合は、これを妨げない。
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