内科学��
〔試験〕
※全50問，解答は1つを選択する選択式．
※選択肢5つから3つの正解を選ぶ形式で，選択肢は全問題定型で，
a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5)から1つを選択．
※下川教授の就任とともに大きく変更された．
※教授曰く，
『私は授業（出席）には厳しいが，試験に関しては厳しくはない』とのこと．
※教授曰く，
『各授業から2問以上出題し，全部で21コマあるので，残り8問（50-21×2=8）は，
テキスト内（余話は除外）のいろんな所から出題する』とのこと．
『急性心不全からは7問出題します』とのこと．
〔対策〕
※授業には絶対に出席したほうがいい．毎回，出席を取る．
※出席が足らないと受験資格なく，留年を勧められる（2名）．
※各授業中に，教授が，
『ここは重要，大切，試験に出す』といった表現をする部分が必ずある．
決して見逃さないこと！そこが試験にそのまま出てくるので重要である．
※今回，50問全てが関連した部分であった．
〔お詫び〕
By 波糊命
選択肢は全問題で，a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5)
〔問題番号〕〔日程〕〔講義内容〕
1-2 4/6 循環器疾患の症候学
(1)狭心症の診断に極めて有効なポイントSAVESについて正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．S;Sudden onset（突然の出現）
2．A;Anterior chest pain（前胸部痛）
3．V;Vague chest pain（鈍い痛めつけられるような圧迫感）
4．E;Ectopic beats（期外収縮による脈不整の自覚）
5．S;Shortness of breath（息切れを伴う）
(2)臨床的に心機能を評価するのに有用なNYHA分類の重症度分類について正しい記述の組み合わせはどれか．
1．心不全や狭心症などの心機能の評価に有用である．
2．Class I：心疾患はあるが日常生活では無症状．
3．Class II：軽度の身体活動の制限がある．
4．Class III：安静時に症状がある．
5．Class IV：安静時に症状があり，かつ失神を伴う．
3-4 4/6 バイタルサインのみかた
(3)脈拍の診察について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．1分間の脈拍数は，通常15秒間測定し，それを4倍する．
2．脈拍欠損：心拍数と脈拍数の差
3．遅脈：大動脈弁閉鎖不全
4．速脈：大動脈弁狭窄
5．奇脈：心タンポナーデ，収縮性心膜炎
(4)血圧の測定について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心臓の高さで測定する．
2．静かな環境で5分ほどの安静後測定することが理想的である．
3．触診法でおおよその収縮期血圧を知り，聴診法での過度の加圧を防ぐ．
4．聴診法においてコロトコフ音が聞こえ始める値が拡張期血圧である．
5．聴診法においてコロトコフ音が聞こえなくなる値が収縮期血圧である．
5-6 4/6 胸部X線写真
(5)胸部X線写真上の心臓の陰影について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．右第1弓: 右心房
2．右第2弓: 右心室
3．左第1弓: 大動脈弓
4．左第2弓: (左)肺静脈
5．左第3,4弓: それぞれ左心耳、左心室を表すが区別できないことが多い．
7-8 4/7 胸部の身体診察
(7)胸部の身体診察について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．一般的に，視診，触診，打診，聴診の順で行う．
2．心尖拍動は正常では4〜5肋間の左鎖骨中央線部で聞こえる．
3．LV heave:心尖拍動の左外側上方への移動．
4．RV tap:胸骨右縁第4〜5肋間で心尖拍動が触れる現象．
5．振戦は強い心雑音(Levine 4以上)の存在を示す．
9-10 4/7 心臓聴診法と心音
(9)心音について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．�飢察Ъ腓箸靴徳遼絞曚諒頂寝�
2．��a音：肺動脈弁閉鎖音
3．��p音：大動脈弁閉鎖音
4．�群察С板チ甦�の急速流入期の血流による主として左室の振動
5．�顕察Э緩室�縮音
(10)心雑音について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．収縮中期性雑音(収縮期駆出性雑音): 半月弁の狭窄症
2．全収縮期雑音(収縮期逆流性雑音): 房室弁の狭窄症
3．拡張期ランブル: 房室弁の閉鎖不全症
4．拡張早期逆流性雑音: 半月弁の閉鎖不全症
5．連続性雑音: 動脈管開存症
11-12 4/7 心エコー図
(11)心エコー検査について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．Aモード：反射して帰ってきた超音波の強さを縦軸に表したもの．
2．Bモード：反射して帰ってきた超音波の強さを点の輝度の強さで表したもの．
3．Mモード：Bモード表示のまま時間経過を横軸，距離を縦軸に表示したもの．
4．断層法：Mモード表示を2次元に展開したもの．
5．カラードプラー法：近づいてくる血流を青，遠ざかる血流を赤で表したもの．
(12)心エコー所見について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．僧帽弁のドーム形成：僧帽弁閉鎖不全症
2．左房から右房へのシャント血流：心房中隔欠損症
3．左室内径の拡大と収縮機能の低下：拡張型心筋症
4．echo-free space：心嚢液貯留
5．弁にvegetation形成：リウマチ熱
13-17 4/13 心電図1-2
(13)刺激伝導系について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．洞結節からプルキンエ線維にいたる特殊心筋からなる興奮伝導路である．
2．ちょうど100年前に房室結節を発見した日本人の田原博士により確認された．
3．房室結節は他の部位に比して伝導速度が速く心房，心室の収縮に時間差を生じる．
4．洞結節から房室結節に至る伝導路をヒス束という．
5．ヒス束より右脚と左脚（前枝，後枝）に分かれる．
(14)心電図の各誘導が表す部位について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．I，aVL:高位側壁
2．II，III，aVF:前壁
3．V1〜V4:中隔
4．V1〜V5，I，aVL:広範前壁
5．V3R，V4R:右室
(15)心電図の各波形が表す意味について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．P波: 心房の電気的興奮
2．PQ時間: 心房内の伝導時間
3．QRS波: 房室結節伝導時間
4．ST部分: 心室筋の脱分極過程の完了と再分極過程の開始の間で心室興奮の極期
5．QT時間: 心室筋の電気的興奮時間
(16)心電図による診断について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．洞性P波が毎分50〜100：正常洞調律
2．PQ時間の短縮：WPW症候群など副伝導路の存在の可能性
3．��･�掘�aVFの高いP波：右房負荷
4．右側胸部誘導のR波の増高と左側胸部誘導の深いS波：左室肥大
5．左側胸部誘導のR波の増高と右側胸部誘導の深いS波：右室肥大
18-19 4/13 心臓カテーテル検査
(18)本検査の測定項目について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心臓内圧曲線
2．心拍出量
3．心血管造影
4．心筋代謝
5．心筋血流
20-26 4/20 急性心不全
(20)急性心不全の病態について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心原性肺水腫
2．心原性ショック
3．慢性心不全の急性増悪^
4．徐々に進行する貧血
5．慢性肺疾患による右室負荷
(21)急性心不全の原因疾患について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．広範な急性心筋梗塞（最も頻度が高い）
2．上室性期外収縮
3．慢性腎不全
4．急激に生じた高度徐脈
5．あらゆる原因による慢性心不全の急性増悪
(22)慢性心不全の急性増悪因子について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．感染症
2．不整脈
3．利尿薬
4．ペースメーカー挿入
5．過度の肉体的，精神的ストレス
(23)急性心不全の症状について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心拍出量低下に伴う症状：呼吸困難，喘鳴，肺うっ血など．
2．左室充満圧上昇に伴う症状：顔面蒼白，抹消冷感，乏尿など．
3．右室充満圧上昇に伴う症状：腹部膨満感，浮腫，頸静脈怒張など．
4．左心不全：心拍出量低下に伴う症状＋左室充満圧上昇に伴う症状が主となる．
5．右心不全：右室充満圧上昇に伴う症状が主となる．
(24)Killip分類について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．聴診所見による急性心不全の重症度分類でよく用いられている．
2．Class1:心不全症状無し．
3．Class2:肺野の25%以下で湿性ラ音を聴取．
4．Class3:肺野の25%以上で湿性ラ音を聴取．
5．Class4:心原性ショック
(25)Forrester分類について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．循環動態に基づく心不全の重症度分類で治療方針の決定に有効
2．Subset�� PCWP<18mmHg CI>2.2l/min/m2
3．Subset�� PCWP<18mmHg CI<2.2l/min/m2
4．Subset�� PCWP>18mmHg CI>2.2l/min/m2
5．Subset�� PCWP>18mmHg CI<2.2l/min/m2
27-28 4/20 慢性心不全
(27)慢性心不全の病態生理について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心室，心筋のリモデリング
2．交感神経の抑制
3．RAA系の抑制
4．炎症性サイトカインの産生亢進
5．ANPの産生亢進
29-30 4/20 心臓弁膜症
(29)心臓弁膜症について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．従来はリウマチ熱の後の慢性の弁破壊によるリウマチ性が多かった．
2．近年はリウマチ性は激減し，加齢等に伴う変性によるものが増加している．
3．リウマチ性弁膜症の特徴は複数の弁が障害されることである．
4．心房細動の合併は予後に影響しない．
5．生活レベルの向上により感染性心内膜炎の危険性は減少した．
(30)各々の心臓弁膜症について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．僧帽弁狭窄症: 非薬物治療として経皮的交連切開術(PTMC)．
2．僧帽弁閉鎖不全: 左心不全の結果(左室径拡大、乳頭筋不全)としても生じる．
3．大動脈狭窄症: 狭心症-失神-心不全と症状が進行．
4．大動脈閉鎖不全: 脈圧の減少に伴う様々な症候．
5．三尖弁閉鎖不全: 肺高血圧の結果として生じることは少ない．
31-34 4/25 不整脈1-2
(31)正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．不整脈には大きく徐脈性と頻脈性に分けることができる．
2．徐脈性不整脈の成因には，一般的に洞結節機能不全と伝導障害（ブロック）がある．
3．頻脈性不整脈の成因には，一般的に異所性興奮発生と回帰性頻拍がある．
4．不整脈の成因で，電解質異常が関与することはない．
5．不整脈の成因で，甲状腺機能異常が関与することはない．
(32)徐脈性不整脈について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．洞不全症候群は若年者に多い．
2．一般的に3秒以上の洞停止を病的とみなす．
3．房室ブロックは�掬戮�ら�慧戮泙琶�類できる．
4．Adams-Stokes症候群の存在は不整脈が重症であることを示す．
5．ペースメーカーには刺激部位・検出部位により多種類あるが大した差はない．
(33)頻脈性不整脈について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．発作性上室性頻脈の特徴のひとつに突然の発症と突然の停止がある．
2．発作性上室性頻脈の機序として房室結節回帰，房室回帰，心房性頻脈がある．
3．WPW症候群による頻脈では房室結節の伝導を抑える．
4．心房細動は，頻脈にはなりやすいが徐脈になるのは稀である．
5．心房細動は，左房内に血栓が形成され，脳梗塞の原因となる．
(34)頻脈性不整脈について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心室頻拍の多くは自然停止するので経過観察でよい．
2．心室頻拍はQRS幅の広い上室性不整脈との鑑別が必要である．
3．心室細動の自然停止はまれで，直ちに除細動を行う．
4．QT延長が突然死の原因になることがある．
5．Brugada syndromeでは，電解質異常のある場合のみ，心室細動による突然死
の危険がある．
35-36 4/25 成人にみる先天性心疾患
(35)成人に見られる先天性心疾患について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．最も多いのがVSDで約50%．
2．二番目に多いのがASDで約25%．
3．次いで，Fallot四徴症(約5%)，肺動脈狭窄(約5%)が続く．
4．心房中隔欠損症では心雑音が聴取されない場合がある．
5．大動脈弁狭窄症の原因の1つとして先天性二尖弁がある．
(36)成人にみられる先天性心疾患について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心室中隔欠損：欠損部位により3型（漏斗部，膜様部，筋性部）に分けられる．
2．心房中隔欠損：�恐擦慮把蠕�分裂が特徴．
3．動脈管開存症：コイルによる塞栓術は行われなくなった．
4．肺動脈狭窄賞：多くが弁下部狭窄である．
5．Ebstein奇形：心房化した右室が特徴である．
37-38 5/11 心筋疾患
39-40 5/11 心膜疾患，心臓腫瘍
(40)心膜疾患，心臓腫瘍について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．心膜炎は心筋炎を合併することがある．
2．心タンポナーデ: 奇脈(吸気時に収縮期圧が10mmHg以上低下)．
3．収縮性心膜炎: 心室圧波形がdip and plateau型を示すことは少ない．
4．原発性心臓腫瘍の多くが悪性腫瘍である．
5．粘液腫は左房に好発し，しばしば腫瘍血栓症を惹起する．
41-42 5/11 肺高血圧症
(41)肺高血圧症について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．肺動脈性高血圧（PAH）が基である．
2．なかでもIPAHは予後不良である．
3．他にも左心疾患，肺疾患，慢性血栓塞栓症に伴う場合がある．
4．膠原病に合併する肺高血圧症は一般的に軽症である．
5．慢性肺疾患に肺高血圧症を合併することはない．
(42)肺高血圧症の治療について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．右心カテーテルを施行し，薬物やNO吸入に対する反応性をチェックする．
2．Ca拮抗薬は原則として全例に投与する．
3．PGI2持続静注療法は患者のQOLを低下させるため一般的ではない．
4．エンドセリン受容体拮抗薬の使用頻度が増加してきている．
5．ワーファリンによる抗凝固療法は予後を改善させる．
43-46 5/18 虚血性心疾患1 狭心症
(43)狭心症の成因・病型について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．狭心症の成因には器質的な冠狭窄と機能的な冠攣縮が種々の割合に関与している．
2．労作狭心症：器質的な冠狭窄の関与が大きい．
3．安静狭心症：冠攣縮の関与が大きい．
4．異型狭心症：冠攣縮で生じ，発作時の心電図でST低下を認める．
5．不安定狭心症：急性心筋梗塞に移行することは稀である．
(44)無症候性心筋虚血を生じやすい病態について正しい記述の組み合わせは
以下のうちどれか．
1．若年者
2．感染症
3．糖尿病
4．心筋梗塞の既往
5．冠動脈バイパス術術後
47-50 5/18 虚血性心疾患2-3 心筋梗塞
(47)急性冠症候群の分類について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．ST上昇型と非ST上昇型に分類される．
2．ST上昇型は，さらにQ波心筋症と非Q波心筋症に分けられる．
3．非ST上昇型は，さらに非Q波心筋症と不安定狭心症に分けられる．
4．急性冠症候群の概念の中には心臓突然死は含まれない．
5．急性心筋梗塞の責任冠動脈の発症前の狭窄は高度狭窄が多い．
(49)急性心筋梗塞の治療について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか．
1．急性心筋梗塞の死亡例では，発症後1時間内の病院到着前死亡が多い．
2．急性心筋梗塞では，前駆症状がなく初発の発作として発症することが多い．
3．可及的早期の再灌流療法が予後改善につながる．
4．再灌流療法では，必ずしも完全な血流再開を目指す必要はない．
5．右室梗塞を合併しても治療方針の変更はしない．
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