円卓の騎士


アーサー王伝説?

円卓の騎士

 アーサー王の円卓はキリストの使徒を象って十三とされた。そのうち十二の席だけが腰掛けられるようになっており、これらは最高の栄誉ある騎士だけが着席を許されていた。十三番目の席はユダを象り、「危険の席」と呼ばれ、これに座れる者は「世における最高の騎士」ただ一人とされた。

 円卓の一つ一つの席には魔法の力で座るべき者の名が記されており、これを侵そうとする者は魔法によって罰を受けた。

 円卓に座る資格を得るには、以前そこに座っていた者を凌ぐ勇気と武勲を示さねばならなかった。たとえば、円卓の騎士に名高いトリスタンの席はかってモロントの席であって、トリスタンはモロントを一騎打ちで破ってこの席を得た。

 アーサー王の円卓として、ウィンチェスター城の大広間にあるものが知られている。年輪年代法によって1250年ごろに材料となった木材が切られたことが確認されており、 残念ながらアーサー王の円卓ではなくヘンリーIII世の円卓なのであるが、現在そのテーブルにはアーサー王の姿と円卓の騎士らの名前が施されており(この加工が為されたのはヘンリーVIII世の時代である)、12世紀〜19世紀までの長い年月をかけて完成されたアーサー王物語群が成立していく過程の一部を窺うことができる。

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