GR3 地球が静止する日 Episode-3
発令!電磁ネット・ワイヤー作戦
上海に堕つ・・・
ナレーション:来るべき近未来、人類は第三のエネルギー革命シズマドライブの発明によってかつてない繁栄の時を迎えていた。だがその輝かしい平和の影で激しくぶつかり合う二つの力があった。世界征服を策謀する秘密結社BF団。
BF団:われらのビッグファイアのために!
ブラックオックス(?)、ファイア二世(?)、GR2、タイタン(?)、ガイアー(?)
ナレーション:かたや、彼らに対抗すべく、世界各国より集められた正義のエキスパートたち、国際警察機構。そしてその中に史上最強のロボット、ジャイアントロボを操縦する一人の少年の姿があった。名を、草間大作
大作:砕け、ジャイアントロボ
ロボ:ガォ
ジャイアントロボ 地球が静止する日
the night three days after
鉄牛:でも、驚いたなぁ…原子力は完全に解体されたと思ってたのになぁ
戴宗:ああ
鉄牛:いくら完全コーティングしてあるからったって、こんなにそばに残ってるたぁ
戴宗:こいつは…少しばかり厄介だな
グレタガルボ内、呉と銀鈴
呉:だが事実、これは我々の目の前にあるではないか。つまり…博士は本当に生きてらっしゃる事になる
銀鈴:いいえ、そんなはずは…
呉:ではこのサンプルは十年間、どこでどう生き延びてきたのか?いいか、これを作る事が出来るのはフォーグラー博士ただ一人…それは銀鈴、お前が一番よく知っているはず。…確かに、私もこのケースの中を見た時は半身半疑だった。だがこのサンプルを使えば、これから向かう上海の地が全てを答えてくれるはず…ならば、十年前の汚名を晴らす事が出来るのではないか?ん
銀鈴:先生…その事はもう、あきらめたはず
呉:そうか…そうだったな、全てはあの時
棺桶に横たわるシズマ博士
中条:私は蘇りでもあり、命そのものでもある。例え死すことがあろうとも、私を信じるものは生き、また生きて私を信じるものは幸いである。その者たちには常に日がさし、闇の中にいてもその救いは約束される。我一人として我のために生きず、また我が為に死ぬ者も無し。生きるのも死の為に、死する事もまた主の為に、故に我らは主のものである。主が共にあらんことを祈りましょう。私もまた、ここにおいでの皆さんと同じ、シズマ博士を良く知るものの一人です。また、あなたと出会ったことの無い者も、あなたが作り上げたシステムとともに生きて暮らすことで、よりあなたを身近なものに感じてきました。あなたは動力であり、また平和でもありました。そしてあるときは力となり、またあるときは光となり、さまざまなものに姿を変え、世界を幸せへと導いてくれました。おかげで我々は再び空を飛ぶことも出来ました、大きなの翼とともに。ですが、今は大地に還るべき時なのかもしれません。海に還るべき時なのかもしれません。あなたはそこで安らぎを得ることができるはずです
大作:(博士、僕とロボが一緒にいたのに博士を守る事ができなかった、でも安心して下さい、博士との約束は必ず守ります、何があっても!)
海に葬られるシズマ博士の棺桶、出航するグレタガルボ
呉:南京の街でアタッシュケースを手にして二日目、パリの大崩壊と共に現れた大怪球は、その後バシュタール現象広めながらロンドンを通過、大西洋をわたりアメリカ大陸に上陸、ニューヨーク、ワシントン、サンフランシスコ、大怪球の通過した世界の惨状は全ての動力をシズマドライブに頼りきった今、そのしっぺ返しにあったように、交通網の遮断、ライフラインの消滅、食料不足…被害は波紋のように広がり、パニックへと連鎖していきます。もちろんシズマの動かない今、救援物資を運ぼうにも不可能。地球の三分の二が静止状態の今、バシュタール以上の惨状になりつつあります。…そう見事としかいいようがありません。今回は十年前とは違いシズマドライブのみを確実に狙っています。こうなっては我々には廃棄を免れた効率の悪い太陽エネルギーや、燃料動力しか残されていません。
戴宗:ちっ、それで…大怪球様は絶好調で太平洋横断中ってわけか
呉:日本の停止も、さほど時間はかからないでしょう
戴宗:うむ…確かに
呉:そしてこのまま進めば、敵の目的はただ一つ…地球最後の上海油田
戴宗:なるほど、奴ら徹底的に俺達からエネルギーを取り上げようってぇ訳か
鉄牛:でもよぉ兄貴、今度の作戦なら絶対こっちのもんだぜ。な、先生
呉:は、はぁ…
パネルを操作し電磁ネットワイヤー発生装置を表示させる呉
鉄牛:こいつは年代もんだ
呉:そう、シズマとは無関係な、この電磁ネットワイヤー発生装置なら、あの大怪球の元でも威力を発揮出来ます
一清:さすがは智多星
呉:ですが相手はBF団、それこそチャンスは一度きりです
楊志:何弱気な事いってんだよ呉先生、だいたいこの作戦考えたのは、あんたじゃないの
大作:そうです、大丈夫ですよ。もしこの作戦が駄目でも、ロボがあれば大丈夫ですよ
呆気にとられる一同
大作:博士が言ってました、あいつを倒せるのはジャイアントロボだけだって、だからロボを戦わせれば、それで済むんですよ
戴宗:あ…大作、ロボを戦わせればって、お前なぁ
中条:諸君。今、韓信元帥から作戦の実行許可が降りた。これで現在活動可能なエキスパートが上海に集結する事になる
大作:はい
鉄牛:よし来た
中条:そこで我が北京支部からは銀鈴君、公孫勝一清道人、青面獣楊志君、そして神行太保戴宗君
鉄牛:んふふふ…
中条:以上四名に出動してもらう
鉄牛:あだ
中条:なお私と呉先生は同じく別働隊として、先に梁山泊へ向かい今後の対策を練る、以上
大作:あ…あの
中条:あ、それから大作君
大作:はい!
中条:君と鉄牛君はこのままグレタで梁山泊へ来てくれたまえ。そこで…そこで、ロボは封印する
大作:えっ、ロボを…
中条:もう一度言う。君達は責任を持ってロボを梁山泊へ搬入、その後封印をする事
大作:で、でも、どうしてですか?
中条:説明の必要は無い。戴宗君、何をぼやっとしている、早く出撃の準備をしないかね
戴宗:は、はぁ
大作:長官
中条:さ、君達もだ
大作:で、でも長官、何故なんですか、何故ロボを封印するんですか?答えてください長官、僕も上海へ行かせて下さい!僕とロボを上海へ!
パリ
イワン:それでもセーヌは流れる…か。しかし新参者がリーダーとはいえ、確かによく出来た作戦ですな。バシュタールの記憶で奴らをパニックにさせ、あのサンプルでシズマドライブをこちらの自由にし、敵の手足をもぎ取って、上海油田を人質がわりに、世界降伏をせまる。なるほどね…ま、おかげで私達以外のBF団員も身動き出来なくなったのには困ったものですがね
アルベルト:なぁイワン、少し変だとは思わんか
イワン:はぁ?
アルベルト:何故我々のボスビッグファイアは、あのような物ばかりお作りになるのだ
イワン:それは、もちろん世界征服の為に
アルベルト:だが、我々にさえ秘密裏に作られたロボは、原子力でその恐怖を蘇らせ、大怪球は全てのシズマドライブを狂わせた。これは我々BF団にとっても危険な事ではないのか
イワン:アルベルト様、十傑集ともあろう御方が、なんという事を!その様なお考えはボスへの反逆に
アルベルト:イワン、でやぁ!
衝撃波を発するアルベルト
イワン:うお!し、失礼しました、わ、わたくしごときが意見するなど
アルベルト:ふん、ただの鼠だ、まぁいい、行くぞ
イワン:は?
中に舞う村雨の帽子
グレタガルボ
アナウンス:艦載ヘリ、撲天周鳥、玉麒麟、混交竜、発進準備ランクB、戦闘要素デルタ
一清:そうだ火薬は最低でいい、ようは大怪球より早く上海へ着けばいい。スピードを重視するべし
戴宗:どうせシズマを使ってる兵器だ、上海まで持ちゃいい。どうだい発進できるか?
楊志:ああばっちりよ、でもアンチシズマフィールドの速度が速いわね
戴宗:ならこっちもぶっとばすだけだ。ん…?大作…
通路を歩く中条、大作、鉄牛
大作:どうして、どうしてなんですか?何故ロボを、ロボを封印するんです
鉄牛:そうですよ、俺だけでも堪忍して下さいよ長官、上海じゃ一人だって戦力欲しいって所でしょう?それでなんでこの黒旋風が居残りなんですかい、訳がわかりませんぜ、うおお
中条:くどいぞ、鉄牛君
大作:じゃあちゃんと答えてください、長官!何故ロボを連れて行かないんです、これまでだってロボと一緒の方が安全だったじゃないですか?それとも、今更ロボの原子力が怖いっていうんですか?…そうですよね、シズマドライブが動けない中で戦えば、世界中にロボの正体をばらしてしまう事になるんですよね。それに…もし、ロボに何かあれば
戴宗:こらぁ、お前の方こそ何言ってんだい、いいか長官もあの大怪球に無闇に戦いを挑むのは、やはり危険だと判断されたんだ
大作:でも、ロボは世界一強いロボットです!
戴宗:大作、言うことを聞いてくれよ、その代わり頼みがある、いいかこの上海で俺達にもしもの事があったら…その時だ、なぁ、お前とロボの出番は、その時こそなんだ
大作:でも、僕はあいつをやっつけたいんです
戴宗:…
大作:それが、父から受け継いだ役目です
鉄牛:そ、そおでい、面白れぇじゃねぇですか、この際ロボであの大怪球を
戴宗:おらぁ!
中条:これは本部の命令だ。命令に服さぬものはエキスパートから外れてもらう、わかったな
鉄牛:けっ、この俺が敵を前にして、ガキの子守とはよぉ!たまんねぇよな
戴宗:おらおらおら、何馬鹿やってんだ、まったく
鉄牛:そんな、兄貴は上海にいけるからいいけどよ…
大作、一人でロボの前に立ちながら
大作:でもやっぱり僕にはわかりません、どうして…どうしてシズマドライブじゃ駄目だったんですか?何故ロボは原子力を使わねばならなかったのですか?父さん…父さんははそうやって黙ってるだけですか…父さん…
銀鈴:ううん、戴宗さんの言うとおり
大作:銀鈴さん
銀鈴:あなたとロボは、私達の力の要って本当よ。だからそんなにしょげないで
大作:でも、なんだかまた一人ぼっちになったみたいで
銀鈴:何言ってるの!あなただって、立派なエキスパートじゃない
大作:鉄牛さんは僕の事、ロボがなかったらただの子供だって
銀鈴:嫉妬してるだけよ。たった十二歳のあなたが自由自在にロボを操るってね。でも、十二歳じゃそれはつらいわ、私もその頃…
銀鈴回想シーン
ファルメール:お父様!お父様ぁ!
呉:いけない、もう何もかも手遅れだ
ファルメール:でも、お父様と一緒に行く
呉:博士は何もかも覚悟された上でのことだ、もう無理だ、あきらめるんだ!
ファルメール:でも、このままじゃあまりに!あまりにもひどすぎる!
崩壊するバシュタール、呉の声で我に変える銀鈴
呉:銀鈴!早く、急げ、何をしている
一清:どうした、すぐ出られるぞ
銀鈴:あ、はい!じゃ、私もいくわ
大作:あ、あの
銀鈴:大丈夫。呉先生の作戦、きっとうまくいくわ。それと、大作君はどう思ってるの?お父さんの事…私はね、、、
ヘリの音でかき消される銀鈴の声、出発するヘリ
鉄牛:よお!いつもの元気はどうしたい?
大作:なんでもありませんよ!
鉄牛:ふふ、なら俺とちょいと付き合えや。いい所へ、連れてってやるぜ