GR / 全セリフ集-エピソード1


全セリフ集-エピソード1


GR1 地球が静止する日 Episode-1
黒いアタッシュケース

ナレーション:来るべき近未来、人類は第三のエネルギー革命シズマドライブの発明によってかつてない繁栄の時を迎えていた。だがその輝かしい平和の陰で激しくぶつかり合う二つの力があった。世界征服を策謀する秘密結社BF団

BF団:われらのビッグファイアのために!

モンスター(?)、GR2、VL2号(?)、ウェラヌス(?)、ガイアー(?)

ナレーション:かたや、彼らに対抗すべく、世界各国より集められた正義のエキスパートたち、国際警察機構。そしてその中に史上最強のロボット、ジャイアントロボを操縦する一人の少年の姿があった。名を「草間大作」

大作:砕け、ジャイアントロボ
ロボ:ガォ

ジャイアントロボ 地球が静止する日

<悪天候の中、切り立った崖に聳える古城へと走る自動車。 カーラジオから漏れる声>

ラジオアナウンサー:世界最大のシズマ発電所、セントアーバーエーは開所以来順調に稼動率を伸ばして、三日後には120パーセントに達し、計画通り世界の電力の50パーセントをまかなう事になります。なお、その開所式の前日に行方不明になったシズマ博士は依然その消息がつかめておらず、安否が気づかわれております。

古城内部、赤々と燃える暖炉の火。 大広間。机につく幻夜、アルベルト。幻夜のそばに立つコエンシャク、ケースの傍に立つイワン

イワン:おお、ついに完成しましたか、これが我がBF団の手に入ったからには、長い戦いにも終止符がうてますなぁ。
アルベルト:うむ。
イワン:では、さっそく作戦の開始を。
アルベルト:いや、そうはいかん
イワン:はぁ、と言われますと
アルベルト:我らの同士が、まだケースを追っているらしい
イワン:では・・・
幻夜:ここにあるケースは二つ、だが私の用意したサンプルは三つあった
稲妻が輝き、一瞬その場に居る全員の顔が明るく照らし出される。 幻夜:つまり残りの一つは敵の手にある
場面転換。

<走っている列車A上、シズマ博士が逃げている>
シズマ:うぁ、あ、うお、う、おお

息を切らせて走るが車両の先頭で行き詰る。

オズマ:ふふふ、今更どこへ逃げようというのかな博士。さぁアタッシュケースを返して頂こう
シズマ:馬鹿な、これを渡せば世界がどうなるか
オズマ:ふふふ、元はと言えば、あなたがこんなドライブシステムを作ったからでしょう
シズマ:だからこそ、これは私の命を懸けた償いなのだ
オズマ:ふーん?でも私の目的も、そのケースだけでね
シズマ:神よケースを守りたまえ
オズマ:どうせなら十年前の自分に祈りなさい。では・・・

銃を構えるオズマ 銃声 滴る血

オズマ:うお、う、うう、貴様!
鉄仮面:驚いている暇は無い
シズマ:ぬうわぁ

列車に向けて発砲する鉄仮面

オズマ:エンジンシステムを!
鉄仮面:さぁ、博士
シズマ:うわわ

手を差し伸べる鉄仮面 怯むシズマ

オズマ:くそう、南京に入られたか。ん?
鉄牛:銀鈴!

列車Aに併走する列車B。その屋根の上に立つ鉄牛

オズマ:ぬわ、ん
鉄牛:ええい、今だ、来い
オズマ:うぐ
銀鈴:ハッ!

シズマの手を掴み、鉄牛の方へ飛び降りる銀鈴

オズマ:女?!

銀鈴を抱きとめようと腕を広げる鉄牛 だが銀鈴は傍に自力で降り立ち、腕の中へはシズマ

鉄牛:おお、あれ、で
銀鈴:あは

離れていく列車A ガッツポーズを取る鉄牛

鉄牛:いえい!
オズマ:うう、やってくれたな、ただでは逃がさんぞ、出ろ!

列車の中から工作員の乗ったミニヘリが無数に現れる 操作盤がせり出してくる それに駆け寄るオズマ


工作員:破壊工作員チーム全機発進完了
オズマ:生きては返すな、手段は選ばん、ケースを取り返せ
工作員:ラジャー

離れていった列車Bを追跡する工作員達 サーチライトを当てる

工作員:捜せ、列車の屋根にいるはずだ!

銃声とともに光弾 一機撃墜される

工作員:うぉ、だぁっ
工作員:Aがやられた、代わってBが指揮を執る

マシンガンで攻撃を開始する工作員 ハンドガンで応戦する銀鈴 弾槽を取り替える


銀鈴:はっ、きりが無いわ

目を瞑り意識を集中させる銀鈴

鉄牛:俺にまかせろ

銀鈴目を開く

銀鈴:え?
鉄牛:何があっても、お前の能力は使うんじゃねぇぞ、いいな
銀鈴:あっ

シズマを負ったまま矢面に立つ鉄牛

鉄牛:さぁ、きやがれ博士とケースはここだ!おっさん、しっかり掴まってろよ。いやっ!

袖口から二丁の手斧を出して、それを振り回しながら突進する 手斧を投げ、一機撃墜する

鉄牛:とうりゃああ、んん、とう
工作員:ああ
工作員:うげえ
鉄牛:よし、黒旋風!とお!
工作員:だああ

爆発音と閃光 銀鈴の傍に飛び降りる鉄牛 鉄牛の背にしがみついているシズマ

銀鈴:この馬鹿牛!
鉄牛:いいいいい、ぬお

銀鈴に怒鳴られた上後ろからの爆発でうつ伏せに倒れる鉄牛

銀鈴:博士に万一の事があったらどうすんの、さっさと連れてらっしゃい!
鉄牛:ぬう、うわああ

後ろの車両から破壊されていく列車B 銀鈴の傍へ駆け寄る鉄牛

鉄牛:大丈夫か、銀鈴

次々に車両の背を飛んで逃げるシズマを小脇に抱えた鉄牛と銀鈴

先頭車両が破壊される一瞬前に離脱する 飛び降りながら空中で姿を列車Aを確認する鉄牛

鉄牛:、お、とおっ、とおお、またこいつかよ
オズマ:観念なさい!

変形する列車A

鉄牛:BF団ロボットだったのかぁ
大作:走って、もっと速く
鉄牛:何、速くだと、馬鹿野郎!このガキ、どこのどいつだぁ!

声の出所がわからず怒る鉄牛 銀鈴の指輪の石が赤く明滅する

銀鈴:は

気づいて耳に指輪を近づける銀鈴

大作:そのまま真っ直ぐ

跳ね橋まで逃げる三人

鉄牛:ぬおお、おう
オズマ:小癪な、逃がさんぞぉ

ついに橋から飛び降りる三人 その下を通過していた貨物船の船倉を突き破り現れた巨大な手のひらにキャッチされる

オズマ:ぬぁ!

突如現れたロボに吹き飛ばされる維新龍・暁

オズマ:んん、いてて、んん?

土煙の舞う中何とか体勢を立て直そうとするオズマ ゆっくりとした足取りで接近するジャイアントロボ

オズマ:こ、これは!ぎゃああ、ジャ、ジャイアントロボ!

ジャイアントロボに軽々と蹴り起こされる維新竜・暁

オズマ:おお、ビ、ビッグファイヤァのぉ、たぁぁめぇぇにぃぃ

維新竜・暁にドリルを展開させ体当たりさせるオズマ

銀鈴:ああ!
大作:パンチだ、ロボ
銀鈴:ああ!

ジャイアントロボのパンチによって貫かれる維新竜・暁 ばらばらに砕け散る
オズマ:そんな、馬鹿なあああああ!
大作:銀鈴さあん、鉄牛さあん、しっかり掴まってて下さいよ
銀鈴:は!
鉄牛:あいつは、草間大作
銀鈴:そしてこれが、ジャイアントロボ!
大作:ロボ、急速上昇

モノローグ

銀鈴:思えばこれが私と大作君との出会いであり、事件第一日目だったのかも知れません。そう、誰にも忘れる事の出来ない、七日間・・・

場面変わって古城内部 小さくなっている暖炉の火 電話での報告を受けるイワン

イワン:ジャイアントロボ?

受話器を置き、アルベルトへ向き直るイワン

イワン:ケースは完全に敵の手に落ちました
アルベルト:そろそろあの大作と言う少年を、本気で始末する必要があるな
幻夜:ふふふ、十傑集ともあろう御方が情けない、ミスターアルベルト、こちらにはまだサンプルが二つある、そう、二つでもあればジャイアントロボなど敵ではありません
イワン:貴様、アルベルト様に無礼ではないか!

テラスに立つ幻夜へ向かってゆくイワン その前に素早く立ちはだかるコエンシャク

イワン:うぐ
幻夜:まぁまぁ、お目付役のコエンシャク殿を困らせる事もないでしょう、私のコードネームは幻夜、そう、美しい幻の夜、それを忘れなければよいだろう
アルベルト:イワン!
イワン:はっ

素早くアルベルトの元へ戻るイワン

幻夜:ケースは後から取り返すと言う事で構いません、予定通り地球の静止作戦を敢行しよう
アルベルト:うむ
幻夜&アルベルト&イワン:我らのビッグファイアの為に!

場面転換、鐘の音 パリ、ノートルダム教会、鐘楼に吊るされたシムレ&ダンカン 緑色の光がパリ市内を走る
地割れが起こり、地面が隆起する

村雨:しまったな、遅かったか

笑い声

村雨:ん
フォーグラー:ふふふ、ご苦労だったね、国際警察機構パリ支部所属、村雨健次
村雨:貴様か、こんなむごい事を
フォーグラー:ふはは
村雨:ま、まさか、あなたは、フランケン・フォン・フォーグラー博士
フォーグラー:復讐だ

フォーグラー、消える

村雨:ま、待ってください博士!

緑色の光が走る

村雨:消えていく、パリの、パリの灯(ひ)が消えていく

停電に襲われるパリ市内

場面転換、北京支部
エキスパート:以上、現在とらえる事の出来るエリアからの超望遠映像です
鉄牛:こ、これは一体どうしたってんですかい、長官
中条:うむ、呉先生、君の科学者としての意見を聞かせてくれるかね
呉:はい、事件がおきたのがパリ時刻24時、こちら北京では6時、あの断層が隆起して六時間が経ったばかりで詳しいデータが無く、今の所はコメントしかねます、ですが、確かな事が一つ。これは我々の偵察衛星が同時刻よりトレースしはじめたものです、あのノートルダムをいただいた大断層を中心として、全てのシズマシステムの機能が停止していきました、よいですか、小さなものだとライターまで、ありとあらゆるシズマドライブがです

モニターに映し出されるパリの惨状

銀鈴:街が死んでいる…

銀鈴によるモノローグ

シズマドライブ。十年前、ベルギーの片田舎の粗末な研究室で、五人の科学者がある発明をした。それは完全リサイクル、絶対無公害の画期的エネルギーシステムであった。陸に、空に、海に、平和に、そして戦争に、工場に、オフィスに、個人に、おおよそ考えられる限りのエネルギーは、瞬く間に置き換わり、石油資源の浪費は終わり、全ての原子炉は解体の道を歩んだ、今や空気や水と同じように、この地上に存在するそのシステムは開発者の名をとって、シズマドライブと名付けられた、しかし・・・

中条:では君はシズマドライブが原因だと?あのバシュタールのように
銀鈴:!

表情を曇らせる銀鈴、語気を強める呉

呉:そんな事はありません!そもそもシズマドライブは完全無欠のエネルギーシステムです、それでなくては、はっ

呉、銀鈴の表情を見て

呉:あ、いや、失礼
中条:そうだシズマは完璧だ、だがそのシステムに今、何か恐ろしい影が近づいてきている、それをあのノートルダムが証明しているんだよ
銀鈴:え
中条:シズマドライブ開発チームの二人だ、村雨君はこれを追ってたんだ
鉄牛:ちょっと待ってくだせぇ、シズマドライブの停止と、あの死体が、どういう関係があるんで?
中条:誰かが、いやおそらくビックファイアだろう、再びバシュタールの惨劇を望んでいるならば、彼等は邪魔な存在だ
鉄牛:げえ、そ、そんな
呉:まだ何も断定出来ません、とにかく我々の手には、システムの生みの親、シズマ博士がいます、彼なら
シズマ:来るぞ、奴が、奴が来る、奴が来る

アナウンス:飛行船グレタガルボ、北京支部へ到着、Gの格納を開始してください
アナウンス:了解
アナウンス:第一第二かとうき{?}閉鎖、脚部固定完了、オールグリーン
作業員:作業入ります
作業員:ワイヤーケーブル収納
作業員:冷却水チューブ急げ

銀鈴:あは
鉄牛:お、兄貴ー!
銀鈴:んん
鉄牛:兄貴、お帰んなせえ
戴宗:おう、そっちも無事戻れたみたいだな、え、どうだったい帰りは、銀鈴と二人っきりだったんだろ、おう、おうおうおう
大作に微笑む銀鈴
大作:えへ
鉄牛:だ、それより南京じゃ冷や汗が出ましたぜ、それに戴宗の兄貴が助けに来てくれると思ってたのによ、あんなクソガキが来るとはよ!ほー、ぶぃー、ぬわ
鉄牛の首をしめる戴宗
戴宗:た、え、誰がクソガキだって、だいたいなそのガキに助けてもらったのはどこん誰だ、え、誰だ
銀鈴:ふう
肩をすくめる銀鈴、戴宗一杯飲んで、ロボを見やって
戴宗:ふぃー、それとも、文句があるなら素手で戦ってみるかい、あいつとよぉ
鉄牛:え、いやあの、堪忍してくれよ兄貴
戴宗:え、どうだ鉄牛、へへへ、ほほほ
大作:戴宗さん、鉄牛さん、基地に帰ってきたからってまだ任務が終わったわけじゃ
鉄牛:なんだと、このガキのくせになめやがって、生意気に、ううう
銀鈴:鉄牛!さ、こんな子供みたいな人達はほっといて、報告をしましょ
大作:はい
鉄牛:そんな、このぉ
戴宗:へ
中条:ご苦労だったねぇ、そちらはどうだったかな
大作:はい、任務は完了しました、シズマ博士は今メディカルルームで保護したのですが
銀鈴:やっぱり、あれから何も?
大作:はい、ただ、これを呉先生にと預かってきました
鉄牛:いい、そりゃ俺達がよ
呉:ほう、これが例の。しかし、今更シズマ博士が私達に何を?おお、これは、まさか!それで大作君、博士は黙ったままなんだね?
大作:はい、は、それが一度だけ
シズマ:う、うう、大作君、君がジャイアントロボを操縦するような勇気が、私にはもうないんだよ、そう、二度とバシュタールのようにはいかんのだ
大作:僕にはよく意味が分からなかったのですが
呉:ん、ああ、いや、長官後で少しよろしいですか?
中条:うむ
呉:ありがとう大作君、これは確かに受け取ったよ
中条:よくやってくれたね、これからもよろしく頼むよ、そうロボにも伝えておいてくれ
大作:はい、ありがとうございます
鉄牛:ちぇ
中条:銀鈴君、今日の最終報告を提出しておくように
銀鈴:はい
中条:では、解散
鉄牛:あ、はい

メデイカルルーム
銀鈴:どうかしら
エキスパート:わかりませんね、ずっと黙ったまま、あ、時たま独り言を言ってるようですが聞き取れなくて
銀鈴:そう
シズマ:フォーグラーが来るぞ、フォーグラーが来るぞ、来るぞ、来るぞ、フォーグラーが来るぞ

北京支部中庭 大作がシズマドライブの換装作業を見ている
大作:あー!
銀鈴:ご熱心ね。うふ、好き?シズマドライブ
大作:だってすごいじゃないですか、あんな信管がラジオも車も、飛行機まで動かしてしまうんだから、おまけに今までの電池と違って完全リサイクル
銀鈴:そうね、もう石油の埋蔵量なんて心配ないし、エネルギー公害も無くなったわ
大作:ほんとうですよ、だからこんな素晴らしいエネルギー機関を開発した博士を救助にいけたなんて、僕嬉しいんです
銀鈴:そうね、何もかも、あのシズマ博士が、このシステムを作り出してからなのね
鉄牛:おーい、銀鈴、えへへ
戴宗:よう、お硬い任務は終わったんだ、ぷわーっと気晴らしにでも行こうや、え、大作、お前ももう十二歳だってな、栄転祝いに、いい所にでもつれてってやろうか、ええ、ええ、ええ、えへへ
大作:結構ですよ
鉄牛:にひひひ
銀鈴:駄目よ大作君、こんな人たちと一緒にいると、どうしようもない悪い大人に、なっちゃうわよ
鉄牛:どうしようもない?
戴宗:悪い大人?
鉄牛:ん、む
戴宗:ぶるぶるぶるぶるぶる
銀鈴:そうよ、さ、大作君はお姉さんとデートするのよね
大作:え
鉄牛:ぶわああああ!
鉄牛、妄想の中で銀鈴との結婚までを思い浮かべる
鉄牛:で、デートぉ?
銀鈴:そうよ
大作:あ、僕いいです!
戴宗:おい、どこ行くんだぁ!
大作:整備の手伝いに、ロボが待ってますから
戴宗:ふう
銀鈴:ああぁ、ふられちゃったか、ん?
鉄牛:あ、あの、良かったら
銀鈴:えぇ?
鉄牛:で、で、デート
銀鈴:行ってくれば、戴宗さん二人で、いい所へでも
鉄牛:いいい、あああ、がく
戴宗:やるかい

中条:呉先生、死体が三つに増えてしまったよ、これで残るはシズマ博士のみ
呉:それにもうひとつ、今入った探査データによりますと、ノートルダムの地下500メートルの位置に、巨大な金属反応が発見されました、不思議なのはその金属反応を包む空洞のエリアのみの動力反応なのです
中条:するとそれがシズマドライブ停止現象を生んでいると考えて間違いはないな、だが何故、奴等はそれ以上動かん
呉:それはこれを必要としているのでしょう
中条:これが、あの十年前の遺産というわけか
呉:間違いないでしょう、これを作り上げられるのは、あの方以外には不可能です
中条:では、君はあの惨劇から生き残ったというのかね、フランケン・フォン・フォーグラー博士が
呉:そんなはずはありません、そんな、そ、そんな、いえ、フォーグラー博士は、確かにあの時
中条:だが、一体誰が、何のために
呉:わかりません、ですが、もしこれが三つ揃えば、あのバシュタールが再び

フォーグラー:未来は現在の我々に栄光の光を与えてくれた、そう、ついに全ての恐怖を克服出来る時がやって来たのだ、太古には木々をこすり合わせ炎をおこし、ある時は鯨から生命を奪い、またある時は石油を戦い争った、そして原子力、いつの時代も危険との隣りあわせだった、だがこれからは違う、何の恐れも無い夜、我々は手に入れたのだ、今度こそ美しい夜を、それは幻ではない
シズマ:しかし博士にはこれ以上任せてはおけない
Dr.ダンカン:そうだ止めろ、フォーグラーを止めろ
シムレ教授:彼は暴走している
ドクトル・トランボ:引き離せ、彼をあれに近づけるな
Dr.ダンカン:何もかも失敗か
博士(?):そうだ、失敗だ
シズマ:この実験は完全ではなかった、無謀すぎる
フォーグラー:もう遅い、私はこれと共に生き、共に死す、今更何のためらいがあろうか
シズマ:今となっては、我々はこの場を放棄する
フォーグラー:よろしい、貴様らに夜の創造者となる資格はない、だが私には見える、美しい夜が見える、私はここに誓おう、いつの日か再び、さらに美しい夜を人々にもたらさん事を、夜の恐怖に立ち向かう、打ち勝たんが為に
崩壊するバシュタール
フォーグラー:美しい夜を、美しい夜を、再びいつの日か、必ず、必ず

幻夜の寝室、黒いビキニ姿の幻夜
幻夜:やめてくれ!はあ、はあ、はあ
通信機が鳴る
幻夜:なんだ
BF団員:は、お休みの所申し訳ございません、昨夜の国際エキスパートの件ですが残念ながら
幻夜:うむ、
BF団員:それでアルベルト様がお急ぎとの事で
幻夜:分かった、すぐにいく

BF団秘密基地、潜入している村雨
村雨:ふ、ん、ぬう
村雨:まいったな、いつの間にこんな基地を、俺達フランス支部もいい恥さらしだ、お
BF団員:アルベルト様は、もう北京につくころかと
幻夜:シズマ博士の居場所が分かれば始末しろと伝えるだけでいい、それとケースのサンプルの回収を急がせろ、フォーグラーが待ち焦がれているぞ
村雨:なんだと、フォーグラー?おお、やはり、フォーグラー博士が
幻夜:後少し、後少しで、十年前の決着がつく

北京、アルベルトをイワンが車で出迎える
イワン:これでよろしゅうございますか
イワン、Bashytaylle A.D 2029と書かれた本を手渡す
アルベルト:うむ。ドクターシズマ、そしてバシュタールの惨劇、生存者は・・・無し
二人の子供と一緒のフォーグラー博士のページを開く
アルベルト:ふん、まさかな
イワン:アルベルト様
アルベルト:どうした、さっきから進まんようだな
イワン:はぁ、なにやら前の方で酔っ払いが騒いでいるようで
アルベルト:ふん、だからこういう街は私にはあわんのだ、いい、ここで降りる
イワン:は、では私はあちらでお待ちしております
酔っ払っている鉄牛と戴宗
鉄牛:うい、酒持ってこーい、でへへへ
戴宗:いや、どうもすいませんね、このど阿呆!
鉄牛:なんですか兄貴、もう一軒、よござんしょ、兄貴がいくならどこまでもってな、ははは
戴宗:馬鹿たれが目立ちくさってからに。お、おお、うく、てめえ!

同酒亭
鉄牛:へ、何がジャイアントロボら!ふん、たかがポンコツの木偶人形じゃねぇか、あんなもんにでも頼らなきゃ何ひとつ出来ねぇくせによ、けっ、あのガキ、てめぇ一人でBF団と戦っているようなツラしやがってよぉ!
戴宗:どうした鉄牛、今日は
鉄牛:面白くねぇ、面白くねぇんだい、うくう
戴宗:おうおう、大作と銀鈴が仲良くなっちまった、それが面白くねぇ、いひひ
鉄牛:ち、違いまさぁ
戴宗:図星かぁ、へへえ
鉄牛:おーい酒だ、酒持って来い、あたた!でもよ兄貴、今回の作戦じゃ俺と銀鈴が必死の思いしてあれ持ってきたんら、それをあいつは自分の手から支部長に渡しやがって、まるでよ、自分の手柄みてぇによ!ええ、これじゃ任務の途中で死んでいった他の仲間は一体なんだったんら
戴宗:「何だったんだ」?鉄牛、俺達はエキスパートだったんじゃないのか?
店員:お待ちどうさま
戴宗:いいかい、大作はまだ子供だ、十二だぜ、考えてもみろ、俺達が十二の頃、どこで何をしていた
鉄牛:今の場所に拾われた、そんな頃か
戴宗:そうだ、俺と初めて会ったあの頃だ、でもその頃の俺達に、今の大作のような事が出来たか?俺達は自ら望んでエキスパートとして育てられたんだ、だからこそ様々な任務も遂行できるし、死をも覚悟出来るのかもしれんな、だが大作はそんな時分にいきなり、あんな地上最強のロボットを背負わされ、何の覚悟もないままエキスパートの使命をおわせられた、いきなりだ、なにもかもいきなりだ、俺達が十二の頃、そんなものに耐え切れたか?何も知らずに気づいたときには、父親をBF団に殺され、残されたのはジャイアントロボだけだ、そんな子供に対して俺達に何が出来る、そう何も出来ん、だが一つだけあるとすれば、俺達は大作を間違った大人にしてはいけない、それだけだ
鉄牛:でもよ兄貴、俺は十二の時にはもう、人を殺してたんだ
本部からの呼び出しサインが点滅する
鉄牛:おっ、兄貴
戴宗:ああ

攻撃を受けている、北京支部
中条:どうした、何事だ、うわ
エキスパート:こっち、こっちだ、うわああ
エキスパート:のわ
エキスパート:発見したか、D13ブロック、D13ブロック
アナウンス:こちらEブロック異常無し、2IIブロック大破、A2へ向かったぞ、いたぞ
中条:ああ
エキスパート:うわああ
エキスパート:うわああ
エキスパート:うわああ
アルベルト:どうした、たいした抵抗も出来ないのか、この支部はお前らの中でも、トップクラスの実力だと聞いているぞ、ふはは、ん?ふん、いつもご苦労な事だな、なんなら手伝ってもらおうか
アルベルトの影から姿を現すエンシャク
エキスパート:敵は二人に増えました
中条:衝撃のアルベルト、や、奴ら十傑集が動き出しているのか、戴宗君はどうした
エキスパート:それがコールサインを送っているのですが
呉:長官、奴らの目的ははっきりしています
中条:うむ、仕方あるまい、頼む、銀鈴君
銀鈴:はい

エキスパート:何。うわああ
爆発の中からシズマ博士を救い出す銀鈴、大作が手を貸す
銀鈴:えい、戴宗さんも、鉄牛もこんな時に、あ
大作:急いで
銀鈴:大作君!
呉:早く、こっちだ、さ
銀鈴:えい
呉:頼む
車で脱出する銀鈴一向
アルベルト:いたぞ、逃さん!ん、ちゅああ!
大回転アタックで防衛隊を蹴散らすアルベルト
呉:来るぞ!
アルベルト:うわああ、うわ
呉:ん、さ、とりゃあ、鉄扇子!
アルベルトの衝撃波を扇子で防御する呉
大作:やった、呉先生
アルベルト:ふん、ふふん、味な真似を、うりゃああ!
衝撃波で車を吹き飛ばすアルベルト
大作:うわああ、ああ
アルベルト:ふふふ
大作:く、は
アルベルト:ふふふ
大作:あ
アルベルト:とどめだ
大作:ああ
呉:大作
アルベルト:でやああ、うっ、な、なにい、ぬ、貴様
大作:戴宗さん
戴宗:鉄牛、博士達と一緒に行け
鉄牛:へい、で、兄貴は?
戴宗:こんな野郎ども、俺一人で十分だ
銀鈴:戴宗さん、あ
鉄牛:よっと、よし、銀鈴出せ
銀鈴:え?ええ!
戴宗:アルベルトのおっさんよ、俺のいない間に好きにやってくれたな
アルベルト:戴宗、ちょうどいい、この前の借りを返してくれよ
戴宗:ふっ、その借り、ちょいと高くつくぜ、えい
酒を飲み、両手に吹き付ける戴宗、両手に力がこもる
アルベルト:んん
戴宗:ちいいい
戴宗&アルベルト:てやああ
アルベルト:ふあっ
戴宗:とう、いやああ
アルベルト:ぬおお
戴宗&アルベルト:うおらああ、うおお

大作:ああ、北京基地が!
鉄牛:うるせぇ、大丈夫だ、戴宗の兄貴に任しとけば間違いはない
大作:でも、ロボが
銀鈴:大丈夫よ、地下の元原子炉室にすぐ格納されるわ、あそこだったら、いくら十傑集だって手は出せないはずよ
呉:うむ、ここは一刻も早くグレタガルボへ合流するんだ
銀鈴:はい
鉄牛:先生、グレタでどこへ行こうってんですかい
呉:うむ、我々エキスパートの総本山、南の梁山泊へだ、そこでこのケースの中身の正体を確認する、よろしいですね?博士
シズマ:ぬうう、うう
鉄牛:ケースの正体って先生、これはただのシズマ管じゃないですかぁ
大作:いえ、そうは思いません
鉄牛:くう、このお
大作:よく見て下さい、これは普通のものじゃないですよ
鉄牛:あら、本当、お、ふん、でもこれが一体どうしたんですかい
呉:これが今回の事件の全ての始まりなのだ、そうだ、あの十年前のバシュタールの惨劇の時と、まったく同じなんだ
鉄牛:ええっ、ま、まさか
呉:博士、今度こそ間違いがおこらぬように、このシズマ管の正体を明かして下さい、博士、あなたはまた、あのバシュタールの惨劇が起きてもいいと言うのですか、博士
シズマ:うわああ

回想 バシュタール
フォーグラー:離せ、離さんか、何をする
呉:博士、これを止められるのはあなただけなのです

回想 バシュタール
フォーグラー:もう遅い、私はこれと共に生き、これと共に死す、今更何のためらいがあろうか
呉:博士!

フォーグラー:そして再びいつの日か、必ず美しい夜を
シズマ:うわああ

フォーグラー&幻夜:お前に夜の創造者たる資格はない、資格はない、資格はない
幻夜:ない!
シズマ:うあああ、悪かった!ああ、悪かった、私が悪かった、呉君、話す、全てを話す、だから私を助けてくれ、頼む、もうたくさんだ、こんなシズマドライブなど作るべきではなかった!
大作:どういう事ですか博士、こんなに素晴らしいシズマドライブを
シズマ:ぬああ、頼む、あのフォーグラーから私を助けてくれ
銀鈴:フォーグラー?やはり、フランケン・フォン・フォーグラー博士が
イワン:そこまでにして頂きたいですな
シズマ:うわああ
銀鈴:ああ
鉄牛:あれは
大作:BF団のロボット?
イワン:ふはは、ふはは、ははは、ははは、さぁそのケース、博士と一緒に返してもらおうか
大作:うわああ!

北京支部
アナウンス:退避指令、すみやかに機密保持の処理を施して、シェルターに全員退避せよ
中条:どうした、早くロボを地下へ格納して、避難せんか
エキスパート:それが
中条:ロボが発進を!
エキスパート:ですが、大作少年からのコールサインが入っていないんです
格納庫を破壊し、飛び立つロボ
エキスパート:通常の50倍のパワーです!
中条:まさか、操縦者の生命の危機に感知するオートガード回路が
戴宗:てやああ、おお、ロボ・・・まさか!う、ぶあっ
アルベルト:どうした戴宗、よそ見はいかんぞ?死ね
戴宗:ぶああ、まさか大作の身に

Episode-1 黒いアタッシュケース THE END

ナレーション:さあ絶体絶命、基地を襲われ、脱出を図った大作達に立ち塞る、BF団ロボットウラエヌス!黒のアタッシュケースは再びBF団の手に落ちるのか、そしてバシュタールの惨劇とは、地球の静止作戦とは、数々の謎が渦巻く中、フォーグラーの正体が明らかになる
村雨:間違いない、バシュタールの惨劇の時と同じだ
幻夜:美しい、美しい夜、だが人々は汚れた出来事はすぐに忘れてしまう、一体誰のおかげだと思っている、だが今こそ思いださせてやる、本当の夜を!
つづく