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目的

天帝の乱に至るイチの真意について考察する。

前提

天帝の乱が起こるのは必然である。これは史実であるのでなかったことにはしない。つまりシナリオそのものは変更しない。
だが、反乱を起こした首謀者の意図が見えないのでは小説として成り立たない。よってここで理由を作り上げ考察する。
また、この反乱には不変の二つの前提がある。

  1. イチが既に実質的に世界の頂点に立っていること。=倒すべき敵は本来存在しないこと。
  2. イチが形式上は帝国臣民であり、イチの上に皇帝=朝霧司(4代目)がいること。

イチの反乱は必ずこの状態で発生する。

理由を明確化する必要は本当にあるのか。

ある。たとえ小説内部で(キャラクター達にとっては)曖昧であることは許容するとしても、読者にとっても曖昧では宜しくない。

理由として考えられるパターン

ここでは、考察のため、最終的にはありえないと結論付けるものも含めて列挙していく。

  1. 自分の力を誇示したかった。
  2. より強固な形で世界を統一したかった。
  3. "世界の敵"になった上で真剣勝負がしたかった。
  4. 敗北まで含めた演出だった。
  5. 皇帝(朝霧司(4代目))と示し合わせのうえ行った茶番だった。
  6. イチによる地球統治は実は限界に達していた。

一つ一つのパターンについて検証していく。


自分の力を誇示したかった。

  • ショウやリョウを打ち倒して、地球連合も全部叩き潰して、最終的に地球全土をもう一度自らの手で統一するのが最終目的の大魔王ということになる。→ラスボスに相応しい思考と考える。
  • イチは自己陶酔型のキャラクター、ということになる。→それはそれで問題ない。
  • そこまでする必要があったのか?→イチの性格を歪ませればいくらでも可能である。
  • 他の手段はなかったのか?→同上。
  • 幼稚すぎやしないか?→もっともである。イチのキャラクター性としては相応しくない。

→理由づけとしては簡単。問題は発想が幼稚すぎること。ちっちぇ。

より強固な形で世界を統一したかった。

  • 前提としてミキのおなかの中には子供がいて、イチはその子供に自分の後を継がせたいと考えていたとする。
    前提としては問題ないイチが男性であることが条件。女性にするなら使えない。
    イチとミキの5年間は変えない。また2世のことまで考えて統治者になる、というのは不思議な話ではない。
  • 他の手段ではダメなのか?
    →考えられるのは帝位の禅譲、あるいはもっとシンプルなクーデター(簒奪)の2通りであろう。
    (皇帝が女なので)婚姻によって帝位を引き継ぐことも可能だが、これだと2世の問題が解決しない。ミキの子供でなければならない
    →全て実行は可能な状態にあった。=やれば成功する力関係にあった。
    →ではなぜそうしなかったのか?
    • 禅譲:この場合、皇帝は生き延びることになる。そうなれば(程度はともかく)元皇帝としての力は温存される。
      →イチの威が轟く間はいいが、権力に陰りが見えた場合、さらには死後に「朝霧家を担ぐ派閥」が出てきかねない。
      →これを嫌ったと考えるのは自然である。
      NG
    • 簒奪:一見、これで良さそうに見える。皇帝も邪魔ならば殺してしまえばいい。世間の顰蹙を買うのは大げさに乱を演じて見せたって一緒であり、意味を持たない。
      OK??
      →それでもなお乱に至る道として考えるとしたら、後顧の憂いを断つことである。イチの行動には2つのメリットがある。
      • 死を偽装することで自分に対する反対勢力を炙り出せること。
      • あえて大げさに戦うことで、反対勢力を一掃できること。
        →あくまで戦争に勝てることが条件だが、これらは無視できない因子であろう。現在を犠牲にして、未来の安全に一役買っている。
        →さらに実は現在の支配体制に綻びがあったとすると、動機はより明快である。
  • ミキの行動はどうするの?
    →死ぬしかないかな。あるいは最後に「この子だってそんなこと望んでない!」か?それもなぁ……。あとはリョウかショウ(二人掛かりでもOK)が生きろと説得するか。
    →中立的に動いておき、あるいは当初案通り基地内待機にしておき、地球連合軍と直接戦わずに、最後の最後に裏切る、という手はある。ミキの裏切りによって物語的にイチに引導を渡すことになる。
    そのうえでイチの死だけは食い止めようとすればいい。(失敗するけど)

→このパターンはありうる。ミキがヒロインできないのは痛いミキも持っていき方次第でヒロインになれる。
他の反証は検討しなければいけないが。

"世界の敵"になった上で真剣勝負がしたかった。

これが最初に考えていた案である。
俺は全世界を敵に回しても勝てるんだぞ! 違うと思う奴は掛かってこい! というわけである。
→「自分の力を誇示したかった。」にも近いが、敗北も考慮に入れている点が異なる。
→イチの思考としては「勝っても負けてもどちらでも良く、どちらに転んでも世界は平和になる」というのんきな発想である。

  • イチが勝者となった場合
    イチが世界皇帝になる。乱を起こしたのは世界に認められるために(余計な?)手順を踏んだということ。
  • イチが敗者になった場合
    イチは作中で、このために随分と労力を割いている。本気で戦うことを強調するならその側面は不要、あるいはかえって邪魔かもしれない。
    →シナリオを一部変更すればよい。自分を倒せる者がいるんだから何とかなるだろう、くらいの発言をさせて。

問題点は、分かり辛いことか。イチは既に世界の実権を握っている。それ以上、上を目指す動機が弱い
→「より強固な形で世界を統一したかった。」や「皇帝(朝霧司(4代目))と示し合わせのうえ行った茶番である。」さらには「イチによる地球統治は実は限界に達していた。 」との組み合わせではどうだろうか?
→今ここ。

敗北まで含めた演出だった。

これはない。イチがあくまで勝利、あるいは勝負を目的としたのは事実であり、覆らない。

皇帝(朝霧司(4代目))と示し合わせのうえ行った茶番である。

ここでいう茶番とは「イチの敗北を含む」わけではない。単に「皇帝はイチの生存と反乱を事前に知っていた」ということである。
前提として皇帝が「もうイチが直接統治した方がいいのではないか?」と持ちかけたとする。
そこでイチは皇帝に、自分と皇帝、どちらが統治者として相応しいか勝負しようと返したとする。
皇帝側は慌てるかもしれないが、これでイチが本計画を実行に移した、と考える。
→これを(小説的に)明らかにすれば、乱のニュアンスは変わってくる。
→これも結局は、「"世界の敵"になった上で真剣勝負がしたかった。」に行きつく。
→該当項目参照。そこに+αされる形になろう。


イチによる地球統治は実は限界に達していた。

根本から問題をひっくり返す案である。
イチは確かに地球の頂点に達してはいたが、不平分子を抑え込むのに苦労していた、と前提がまず変わってくる。
→勝てば自身の支配力の強化に繋がる、負けたらそれまで(後はリョウや皇帝よろしく)という発想である。
これはこれで一考の余地はあるかもしれない。

現時点での案(2012/1/11更新)

イチは"世界の敵"になった上で真剣勝負がしたかった。ただ、それだけだと弱いので、補強策として、その理由を2世に求める←女性化するなら使えない。
イチの地球統治は実は限界に達しており、(皇帝と示し合わせたうえで?)、「自身の権力の強化(真の地球統一)」か「統一支配の放棄」のどちらに転んでも良い、と考えていた、とする?
 
イチが男性か女性かで話は変わってくる。そちらの解を先に導き出すべきか?