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第1話 : STEINS;GATE 第1話 "始まりと終わりのプロローグ -Turning Point-" より

テーマ曲 : Hacking to the Gate

【アバン】

ナレーション。

「戦いの歴史は終わらない。人類は21世紀中盤から後半にかけて行われた第三次世界大戦を経て核という大量破壊兵器の根絶をこそ成し遂げたものの、代用するかのごとく戦武?という名の巨大人型ロボット兵器を戦場に投入した」 「対話と共存による一時の平和は途切れ、今ここに第四次世界大戦の幕が切って落とされようとしていた」

イチ?政行?から命を受ける。

・(明示されないが)イチが政行に伴われて初めて皇帝へ謁見した直後である。 ・イチが政行の後について、政務室に入る。 ・豪華ながらも嫌みがなく機能的な政務室で、椅子にどんと腰を下ろした政行がイチに命令を下す。政行の風体。40絡みの男性であること。 「さあ行け。わしにとっては終わりの、そしてお前達にとっては文字通り始まりのプロローグとなろう。今こそ帝国?と世界の歴史を動かし、時代の勝者となるのだ」 ・イチが僅かに間を置いて低い声で答える。イチのおよその年齢、風貌の描写。毅然とした立ち姿であること。中世西洋の貴人のような華美な衣装に身を包んでいること。 「はい。それでは行って参ります。伯父上」


ハバロフスクで軍事衝突が起こる。

フォリス帝国?ハバロフスク?近郊。号砲が鳴り、無数の銃声が飛び交う。 ・火線に、複数の戦武?の姿。戦武に関する描写。装甲は焦げ茶色。頭頂高16〜18M前後の人型ロボットであること。

ナレーション。

「時に西暦2138年1月。歴史は大きなうねりとなりて、地球全土を1つの世界へ収束させようとしていた」


【Aパート】

帝都ヤクーツクからハバロフスクへ南下する道で、ショウリョウミキと出会う。

・裏寂れた、しかしよく整備された街道を一台の車がかっ飛ばしている。運転席にショウ、助手席にリョウがいる。二人の見た目年齢と容貌。車は右ハンドルであること。 ・いかに帝国では15歳以上で運転免許証を得られるとはいえ、それにも足らないように見えること。実際にその条件を二人とも満たしていないこと。 ・だだっぴろい大地が広がる街道脇向かって左側に、手を振っているミキが見える。その脇には一台のバイク。 ・ショウとリョウが相談の上、ミキの前で停車する。 「見なかったことにするわけにもいかねぇだろ」 ・ミキが元気よく挨拶し、互いに自己紹介する。ミキへの応対は開けた窓越しにリョウが行う。 「あたし、鳥内実季。気軽にミキって呼んで」 「僕は竹内良太。彼は高谷将一」 ・ミキが大きく笑顔で頷く。 ・ミキがヒッチハイクを頼み込み、ショウは警戒するが、リョウがすんなりと受け入れる。 「ハバロフスクに行くんでしょ? 乗せてってよ」 「だってさ」 「おいおい。いくらなんでもそりゃ虫が良すぎじゃねぇか?」 「ただとは言わないわよ。それなりのお礼はするわ」 「いいんじゃない? だって、今さら置いてけぼりにするわけにもいかないでしょ」 「ちっ」 ・ミキが半ば強引に後部座席に乗り込む。 「ではでは短い旅路ではありますが、どうぞよろしくお願いしまーす」 ・ミキが開けた後部座席の扉をショウが運転席から閉め、車が発車する。

ハバロフスクを日本軍が強襲する。

ケン子龍の通信。同時作戦について再確認する。ケン視点。ケンが戦武のコックピットに座っている=ライダーであること。 「手筈通りにいくぞ。いいな?」 「了解している。そちらは南から、こちらは東から」 ・ケンと子龍の二人が率いる部隊がハバロフスクを二点同時に強襲する。 ・ケンが赤い機体?を駆り、銃器と長剣を器用に使いこなして敵の戦武を次から次へと豪快に斬り捨てる。ケンを先頭に、複数の戦武が防衛ラインを突破し、市街地へと侵入する。


ケンVSイチ

・快進撃を続けるケンの部隊の前に、黒い機影?(イチ)が単騎で現れる。 ・黒い機体(イチ)がケンの部下達を屠っていき、その勢いにケンも一瞬怯む。 ・ケンがその場を引きうけ、部下達に迂回して主要施設を叩くように指示を出す。 ・ケンとイチが一騎打ちを行う。攻守に渡って大剣一本で戦うイチに対し、ケンは剣と実弾の両方を用いて戦う。 ・近距離から一気に間合いを詰めた両者が交錯するが、互いに損傷は軽微。イチが後退し、ケンは無理に追わずに見逃す。


【Bパート】

ミキの正体

・ショウ、リョウ、ミキを乗せた自動車がハバロフスク近郊で都市部から上がる煙を観測し、停車する。 ・ショウがミキを降ろそうとするが、リョウがその必要はないと切り返す。 「君も、僕らと同じ場所に行きたいんでしょう?」 「ま、そういうことね。ここからはあたしに運転変わってもらえる? その方が速いと思うから」

子龍の部隊が順調に進軍していく。

蒼い機体?を駆る子龍の指揮の元、戦武の部隊が帝国軍と交戦しながら、街に被害を与えていく。 「油断するな。敵の戦力はこんなものじゃない。都市機能にダメージを与えつつ、本隊をおびき出すんだ」 「はっ」 ・子龍にケンからの連絡が入る。 「子龍。そっちはどうだ?」 「問題ない。そちらの状況は?」 「よくわからん機体にかく乱されたが、何とか追い払った。そちらに行くかもしらん。真っ黒でシャープなフォルムの機体だ。武装は近距離のみのようだが……。気をつけろ。並みのライダーじゃない」 「死にたくなかったら、か?」 「ああ。そうだ」 「わかってるよ、ケン。俺もこんな場所で死にたくはないからな」 ・通信を切った後、子龍が一呼吸して周囲を索敵する。

混乱に見舞われた帝国軍基地にイチが戻り、ミキがショウとリョウを連れてやって来る。

・黒い機体(イチ)が基地の兵器庫に帰還する。 ・ハッチが開いてイチが姿を覗かせる。 ・機体から地上に降り、ヘルメットを取って額の汗を拭うイチに、八中?が駆け寄る。 ・八中がイチの心配をし、単騎で出て行ったことに叱責する。 「あなたは重要なお方なのです。くれぐれも御身を案じ、こんな無茶な真似は控えて頂きたい」 ・イチが開き直りを見せ、戦況を問う。 「他に戦力がなかったんだ。仕方ないだろう」 ・八中が苦虫を噛み潰したような表情を見せる。 「ミキから連絡です。彼らが基地付近まで到着した模様です」 「速やかに入れてやれ」 ・ミキが運転する一台の車が兵器庫、イチや八中が見守る前に全力で突っ込んでくる。イチと八中が呆気に取られる。 ・車の中からショウとリョウが姿を現す。イチがすぐに冷静さを取り戻す。 「二人ともよく来てくれた。しかし残念ながら、今は歓迎会をやっている余裕はなくてな」 「わかっています」 「俺らの機体は?」 ・イチが顎で兵器庫の壁ぎわに並べられた疾風?を指す。疾風の塗装と他戦武との差異について。一機は真っ白、一機は白をベースに所々、青字のラインが引かれていること。 「すぐに出ます」 「おう。行って来い」 ・ショウとリョウが疾風に向かって走り出す。



【Cパート】

ショウとリョウが疾風で出撃する。

・ショウ、リョウの順でコックピットが映し出される。二人ともライダースーツは着ていないが、ヘルメットだけは被っていること。 「高谷将一、疾風、出るぞ!」 「竹内良太、疾風、出ます!」 ・基地の格納庫を出た二機の疾風が大空に向かって飛翔する。 ・イチとミキが空高く遠ざかる疾風の後ろ姿を並んで見送る。イチが笑みを浮かべる。 「さて、これが本当のプロローグだ。始めよう。俺達の伝説を」


登場人物