その立場上、最も多くの人間と大小様々な関連性を持つ。
幼馴染。しかしまだ幼少時、サキが政広の命によって国外亡命を目論んでいたミキの父譲治を殺す。
これを見たショックでミキは記憶障害を起こし、事実を曖昧にしてしまう。第二部で真実を突き止め、サキに突き付けるまでは、ミキの行動原理はこの事実の究明にあった。
しかしサキの堂々と開き直った態度に、ミキは父よりサキを取る。それ以降の二人の関係は単なる上下関係でもなく、女友達のそれでもなく、妖しさを増していく。
最終的には成田と共に天帝の乱まで参加したミキは、最後の最後でサキの遺志を汲み取り、敗北宣言を唱えることになる。
サキはケンの実力を高く評価していた。しかしその忠誠心には懐疑的であった。事実、政春の乱が起こるとケンは帝国を見限り、サキの統一戦役最大の障害となる。
「殲滅の龍皇」とまで呼ばれたケンは必死に抗うが、最終的には太平洋戦線にて一騎打ちを行い、サキが見事勝利して天下統一をぐっと引き寄せることになった。
サキは子龍に関してはリョウに任せていた一面がある。そのため直属の配下としながら、プライベートの触れ合いは少なかった。
サキは幼少時からオペレーション・ラストレジェンドの実行役候補に挙げられており、そのサポートのためルイと引き合わされた。
二人の相性は良く、ルイは政春の乱で戦死するまで、後方から積極的にアーリーウィングスの支援を行った。
伯父と姪であり、サキにとって政広は育ての親でもある。幼くして帝王道を叩きこまれ、実子以上に期待された。それはルイを補佐につけた点からも明らかである。
作中序盤での活躍で実力を認められると、正式にアーリーウィングスを襲名、オペレーション・ラストレジェンドの実行役となる。
政広がサキに期待を寄せたのには、早世した彼女の父親政樹の優秀さが影響している。
しかし誤算だったのは、政春の嫉妬である。政広はある程度読んでいたが、ネロの仕掛けに後手に回る。結果、多大な被害を出してアーリーウィングスは解散を余儀なくされる。
その後一夜革命でサキが復権を果たすと、サキは政広に枢機卿の座を迫る。これは政広には想定外の勧告だったが、跳ね返すだけの材料はなく、言われるまま禅譲する。
これ以降、政広は表舞台から遠ざかり、一族の不満分子潰しで地味にサポートに徹した。
隠れ従兄妹である。もっとも、成田はアーリーウィングスに配属されてすぐに、自分から秘密をばらしている。
ストイックな成田にサキの言動は感嘆に値するように映り、忠実な部下となる。サキの方は政広から派遣された成田に当初は不信感を抱いていたが、すぐに打ち解ける。
以来二人は良好な関係を築いた。表立って行えない裏の仕事もこなす成田は、サキにとってミキと並ぶ懐刀であった。
サキは当初よりレオナルドを尊敬していたし、スラヴ統一連盟戦での活躍で、レオナルドもサキを認めることになる。
またこの裏にはレオナルドがサキの父親、政樹に憧れていたという事情もあった。
一夜革命後はレオナルドは説得されて事実上サキの傘下に入り、その覇道に大いに貢献した。
しかし天帝の乱では意見を異にし、レオナルドは地上からリョウ率いる討伐軍をサポートして、勝敗に多大な影響を及ぼした。
サキはジーンの戦闘力を高く評価しており、第二次日本討伐を任せたほどだった。ジーンも期待に応え、見事リュウを破って見せる。
しかし天帝の乱では対立し、ジーン抜きでは結果が変わったかもしれないほどの活躍をされた。
伊万里がサキに傾倒していったのはショウを見限ってからである。
その後の忠誠心は高まる一方で、伊万里が自力をつけていったこともあって、天帝の乱では天帝十二聖君筆頭まで務める。
残念ながら伊万里はショウに敗れるが、最後までサキに忠義を尽くした数少ない少女である。
物語序盤ではサキはラインハルトに非常に助けられた。統一戦役でも活躍している。
その功績から聖夜の晩餐会にも招待されるが、偽装死を伝えられなかったことからラインハルトは天帝の乱には参加せず、フォリス帝国軍人としての行為を全うすることになる。
サキはハインリヒを良い戦士(ライダー)として認識していた。またショウら若い面子と異なり、軍人として成熟している面に関しては、ラインハルトに次ぐ評価さえしていた。
ネロとその部下達にとってサキは特別な存在だったが、サキにとっては敵対勢力の一つに過ぎなかった。
ただしネロの反帝国運動はかなり激しいものであり、この対応に窮したことが聖夜の晩餐会開催の原因にも繋がるので、そういう意味では運命のライバルとも言える。
序盤のライバルである。が、この時点ではサキが一騎士団長に過ぎなかったこともあり、そこまで深い因縁を持つことはなかった。
サキにとっては大事なミキの母親……なのだが、フォローしている様子は見受けられない。そのため唯衣は政春の乱、天帝の乱の二度、身柄を拘束されることになる。
サキは四大女王に敬意を払っていた。一夜革命後に美憂が許されたのもそのためである。
美憂の方はその時の恩義に残りの人生を賭けるようになった。元から自分の幸せには無頓着だった性格が、色濃く出ることになる。
太平洋戦線でナギサがサキの部下として登場する。描かれるのはその場面くらいである。
サキは整備兵としてのトモエも、ミキの親友としてのトモエもよく知り、よく信頼していた。
彼女をはじめとした多くの部下の死が、サキを覇道へと走らせる。
直接の関係はない。麻衣は天帝の乱で一市民としてサキを拒み、兄とショウを助ける。
麻衣は政春の乱でとばっちりを食らっているので、これにはまったく伏線がなかったわけではない。
サキは一人の帝国臣民として、司を頂点とした世界を思い描いていた。それが崩れた結果が、聖夜の晩餐会である。
サキとしては司に多くを求めてはおらず、司が皇帝失格であったということではない。ただ世界を治めるには自分の方が相応しいと判断しただけである。
政春に否定的だった瞳はサキを庇うが、それが死に直結する。
政春の乱は大いなる僻みである。政春ほど作中を通じて純粋悪として描かれる人物もいない。
政臣のはっきりしない態度が、結局サキの支配から逃れる、という選択肢を選ばせた。
優柔不断だった政臣がただ一つだけ持論を曲げなかったのが「サキに投降しないこと」だったのは、彼なりの最後のプライドである。
大宮政広の子供達の中にあって、最もサキを素直に評価していたのが政宗である。
そのため政宗は聖夜の晩餐会までは、サキを支援する方向で立ち回った。
しかしサキの偽装死後は枢機卿としてサキの期待に応えることができず、天帝の乱の直接的原因にもなった。
アーリーウィングスにて王国を滅ぼし、自害へと追い込む。
アメリカ東海岸戦線での勝利後、虜囚とする。その身は幼くとも、王の血を引く者として聖夜の晩餐会にて処刑を提案されるほど危険視された。
成田の働きにより捕らえる。サキはヴィルヘルムの存在については全土統一以前から不安材料として捉えており、聖夜の晩餐会では処刑対象の一人に挙げられた。
サキにとって優樹は敵国の首長でしかなく、深い関係はなかった。
しかしサキの攻勢で優樹が死を選んだことが、後々天帝の乱で真緒に行動を起こさせる原動力になる。
サキにとっては大きな障害の一人だったが、自滅する形で崩れてくれたのでリョウを派遣して楽にEAU制圧を果たすことができた。
天帝の乱でパッと出で暗躍する。Jrがネロとリョウを繋いだことは、宇宙決戦に少なからず影響を与えた。
サキが太平洋戦線の後もテンレス・タオを生かしておいたのは、その支持層がそれなりにいたためである。
逆にそれゆえに、聖夜の晩餐会では殺害対象として指名した。
本体とクローン。ゼロは己の任務にただ忠実であり、サキもそれを疑うことは一切なかった。
主に成田を通しての関係になる。とは言え、サキの実力は認められており、どのメンバーとも関係は良好だった。
敵になったり味方になったり忙しい間柄だが、互いに高く評価していたことだけは事実である。
趙耀邦の場合、それが有り余って、サキの死後も抵抗を続ける、という物語のフィナーレを演じることになってしまう。
政広が手駒としようとしたサキと政臣の配下にあった紅との距離感は実に微妙なものであった。
と言うのも、政臣の態度がはっきりしなかったためである。そのため、一時はアーリーウィングスに参戦した紅が、政春の乱に先駆けて呼び戻されたりしている。
最終的には紅自身がサキと戦うことを選び、太平洋戦線でナギサの前に散った。
天帝の乱において、最も不純な動機でサキ陣営に与したのが恭介である。その目的は「教え子達を守ること」だった。
しかしサキはその実力を認め、天帝十二聖君にも抜擢している。この辺りにサキの実力主義が窺い知れる。
ルスランにとってサキは狂信とも言える信仰の対象であった。そのため若く学生という身分でありながら天帝の乱に参加している。
サキを慕った若者は伊万里だけではなかったということである。
実の両親。だが幼くして死別しているためサキにはほとんど記憶や感慨はない。サキはむしろ政広を育ての親として強く意識していた。
政広に引き取られたサキのファーストミッションが譲治の殺害であった。
これには単に譲治を殺すこと以上に、親しい者を殺す、というプロセスをサキに踏ませることに意味があった。
このことが後々ミキの人生を狂わせていくのだが、そこまで予測した者はいなかった。