拡張ボード / BWCユニット


BWCユニットCFL-243

BWC(バンドワイズコントロール)とは、「受信IFフィルタの中心周波数を変えずに通過帯域幅を連続的にコントロールする」(取説より引用)機能。それを実現するのがCFL-243である。 BWCと書くからわかりにくいのであるが、受信IF帯域を絞っていく機能だ。メーカーによりWIDTH・PBT・スロープチューンなどとも称されて各社で狭め方は多少違うが、BWCはいわゆるVBTタイプ(両側からほぼ均等に狭めていく)に相当する。

SSB/CW/FSKで動作する(AMでは動作しない)。SSBでは音声帯域1500Hzに向かって狭めているとか。

BWCユニットのイネーブル

本ユニットを含む多くのオプションユニットは挿入するだけでは認識・動作しないため、ユーザー定義で設定してやる必要がある。

  1. 「MEMO」+「FUNC/HAM」スイッチを押すとユーザ定義モードに入る。
  2. テンキーで「2」「3」と入力して定義番号を「23」とし、「ENT/kHz」ボタンを押すと、「23」(CFL-243 BWC UNIT)の設定が可能となる
  3. メインダイアルを回して「0」から「1」(enable)に変更し、「ENT/kHz」ボタンを押して確定。
  4. 「MEMO」+「FUNC/HAM」スイッチをもう一度押して通常操作に戻る。

使い方。

  1. 通常はBWCツマミを反時計回りに回し切り、PBSをセンターにした状態。
  2. BWCを時計回りに少し回すと帯域が狭まるので、目的信号(あるいは混信のある位置)を考えながらBWCとPBSを調整する。

回路構成

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  • 2nd IF(455kHz)から400kHzに変換し、400kHzのIFフィルター(実質的な3rd IF)を通し、また455kHzへ変換し直している。
    • 実際には855-856.7kHzで逆ヘテロダインして400kHz IFのXFを通し、もっかい855-855.8kHzと逆ヘテロダインすることで455kHzに戻している。
    • この辺りはすべてDDSで制御するので、周波数についてはほぼ無調整のボードである。
  • 混信除去の有効な回路ではあるが、ミキサーが2か所も増えることになり、受信機の高周波特性としては悪くなる方向である。
  • BWC以降は、ミキサーで357kHzを除算し、98kHz (3rd IF)へ。

BWC機能のメリット・デメリット。

メリットは上記の通り。

デメリットとしては、受信IFがもう一段増えることになるので、135の重要な売りのひとつである音質が幾分悪くなる。音質重視で135を使う向きであれば、使わないほうがいいかもしれない。

上記の通りメニュー設定でいつでもOFFにすることができるので、用途に応じて適宜ON/OFFすべき。


本オプションの重要性:◎

JST-135をDXingなどに本格的に使う(SSB/CW)なら是非とも入手したいユニットだ。

  • なにしろこれが内蔵されることで重要な混信除去機能VBTが加わるのだ。言い換えれば、これがないとJST-135の初期装備であるPBS(いわゆるIF SHIFT)とノッチだけとなり、QRMの際は結構厳しい戦いを強いられることとなる。
  • ただし、昨今のDSP機のように、センターに向かって上下から完全に均等に帯域が狭まっていくわけではないので、PBS(パスバンドシフト;IF SHIFT)とあわせて調整必要。
    • SSBでは、デフォルト内蔵のメカフィルのみの状態で800Hzぐらいまで帯域が狭まる。
    • CWの場合、オプションのナローフィルター(クリスタルフィルター)を実装した状態で、BWCのフィルター(こちらもクリスタルフィルター)と両側から狭めていくと、共に低IF周波数でシャープな特性のフィルターどうしでせばめるのでかなり切れが良い。PBSと組合わせることで、帯域100Hz程度で信号を浮かせることができる。

余談。

  • 発売当時の定価は43,300円。高っ!
    • ちなみに本体の定価は198,000円でした。1機能の追加に本体の1/5以上の投資をする人はどれだけいるのだろうか。