PLC問題 / 関西の理事の意見(初版)


理事の意見・・他の理事が沈黙する中、1名の理事がWEB上で意見を発表した。

初版の文章。

平成18年8月23日に行われた「電力線搬送通信設備の技術基準等の整備に関する無 線設備規則の一部改正案」に対する電波監理審議会の意見聴取に関し、この席でJAR Lが述べた意見について多くの会員からなぜ反対から賛成に回ったのか、事前に会員に 諮られずになぜこのような結論に至ったのかと、強い抗議と経緯の説明を求められまし た。JARLの経緯説明は下記に掲載されています。

http://www.jarl.or.jp/Japanese/2_Joho/2-7_plc/060823chomonkai.htm

JARL理事関西地方本部長である私宛にもこの件に関し多くの抗議があり、説明 を求められています。理事としての発言は、それなりに意味を持つものであり当然責任 に及ぶものですから慎重にならざるを得ませんが、関西の有志からも同様な問い合わせ が多いこともあり見解を述べさせていただきたいと思います。 理事会の中で私は信念として、議案の賛否に関し毎回明確な意思表示をしていますが、 評決の結果に対してはその決定に従います。これは執行部一員として当然の義務でもあ ります。 しかし、私見としては本来理事会において重要な議決に関しては理事が各々どのよう な意思表示をしたかをある程度会員に知らしめる必要を感じます。これは私がそれを求 める場面に接することがあり、何より理事たる私の信任者である会員、特に関西地方本 部内に在住する会員には誠実に対応したいからです。

これは私自身の意志で、JARL定款に定める地方本部区域毎の理事に立候補し、幸 か不幸か信任を得て現状に留まっている立場からも当然だと思います。 特に今回のように重要な懸案に際しては、誤解を恐れることなく会員に最低限の情報 でも可能な限り送り届け、理事としてどのように関わったかの説明義務があると感じま す。 これは国政に携わる議員が地元有権者に対して報告会として行われている慣習と同じ ものであり理事として当然の責務です。これらの行動が希薄である現状が今回の説明不 足と誤解や思惑違いを生じさせる結果を招いているのではないかと考えます。 今後は、JARLとして重要な判断に際しては適切な対応と事務的な処理はより慎重 に行うべきものと考えます。今回、私個人の意志をもって行う必要最小限の情報提供が JARL運営に障害となるもでは無いことを信じ、一応の立場と断りを述べた上で本論 に入ります。

今回、私に受けた抗議の趣旨は以下のものです。 「PLCに関し、終始反対の立場を貫いてきたJARLが第488回理事会において何 故賛成に転じたのか・・・」これに尽きると思われます。

PLCの実用化はアマチュア無線家にとって何の利益もなく、不安要素を誘発する迷 惑な事業である、方やこれらを推進する側は、営利と国民性利便に集約された論理を掲 げその導入を推しはかってきました。その背景と根拠は政府が打ち出したe-Japan戦略に 基づくものです。 当初このPLC問題にいち早く気づいたアマチュアの有志は、計画発表の年のハムフ ェア会場などで当事の専務理事などに問題点を指摘し、私も同時に要請を受けました。 その時点で、これらを打ち砕くためには、感情論や抗議だけではなく定量的なデータ を蓄積して実験による科学的な根拠による阻止を図らねばならないという結論で行動を 開始しました。 ついてはJARLの看板として活動したいので、小回りの効くJARL関西地方本部 管内で実験を計画し、大阪大学で最初の実験を開始しました。 JARLが始めたPLC断固阻止の実働隊が動き出した記念すべき瞬間でした。そして この実験はJARL本部に引き継がれ継続してしかるべき成果を得ました。

その後の、賛成反対派双方の論争は記録にある通りですが、一進一退を繰り返した結 果、一時的にもJARL実験の結果や分析等が評価され、電力線搬送通信(PLC)の短波 帯への規制緩和は2002年時点で見送りとなりました。これをアマチュア側の勝利と評 価した人も多くいました。 しかし、推進派はその膨大な資金と経済背景を根拠に一時撤退したかに見えましたが予 想通りその後、再びe-Japan計画の中で推進・規制緩和の対象として取り上げられ再浮上 してパブリックコメントの募集など新たな局面に入ったものです。

さて、JARL理事会で今まで何を議論してきたのかという疑問についてですが、JA RLは過去からPLC問題はアマチュア無線にとって存亡にかかわる問題であり決して受 け入れるべきでないという認識は私を含めて全員の理事の見解は同じでした。その思いは 今も変わりません。 問題の第488回理事会は、確かに「電波環境関係での電力線搬送通信(PLC)と電子 タグ(RF-ID)」に関する議題に及びましたが、この時点で明確にJARLが賛成に転じる という結論は出ていません。

では、何故今回の結論の根拠に理事会で決定されたという説明があったのかということ になりますが、PLC論争の攻防の中でその議論の背景が単なる技術論争だけではなく、 高度な政治背景にまでおよぶ状況が見え隠れし、すでに論争の土俵も限られきたのではな いかという印象を受けました。 反対を貫く姿勢はこの時点でもいささかも変わっていなかったと言えますが、今後の折 衝の中で非常に大きな力による戦術転換も視野に入れて臨機応変に対応する必要が生じた と理解し、これらについては実務担当部署に一任した形式になったのは事実です。 一部の理事が、問い合わせに対し理事会では決められていないと答えたのはこの為だと 思われます。不本意ながら、本来理事会ですべての対応が決められるのは当然ですが、 JARLの慣習とその特殊性の中で緊急性を求められる場合は在京理事等の判断に委ねる ことも多くありました。

そして今年のハムフェア会場において、事前に漏洩したのか8月23日の電波監理審議 会のJARL意見文書が掲げられ混乱を見たものです。 理事として屈託のない意見を申しあげれば、この重要な文書が例え慣例であっても理事 者には事前に了承を得ずしかも突然ハムフェア会場の壁に張り出されたのは屈辱的なもの です。

内容に対する衝撃より、私自身のふがいなさを責めるものでした。専務理事理事会で承 認を受けたというならなおさら配慮のないものであり、今なお心外な思いの中にいます。 多くの意見にあるように、今回の問題がいかなる事情があるにせよ、いきなり原案賛成 と表現する前に何らかの事前説明があってしかるべきだという意見には賛意を表します。 ただ、私として冷静に判断すると今回のJARL判断(原案に賛成・・)は、単なる反 対を貫くだけでは対応できない高度な政治力(水面下での圧倒的な力の差)に対応する一 つの手法であったことは事実だと理解しています。 うがった見方かも知れませんが現時点で、前戦から一時後退しても、相手の動きを見極 めて再度果敢に挑戦するという戦略を選んだと考えています。一時的に不利となった推進 派がとった手段と同じです。 ただ、JARL側の選択とその手順は、一部の者しか知らないしかも事前通告さえ無い 印象を与え、この乱暴な手法が、方針転換が招いた不信感に増長され騒ぎを大きくしてい ることは歪めません。 一番懸念することは何よりこのPLC阻止に懸命に働いていただいた多くの仲間を、体 面上JARLと距離を置く立場に追いやったことです。 JARLを御旗にアマチュア無線のために活躍した有能な人材に手を引かせる現実を与 えたJARLはこれにより最も大きな痛手を被り大きなエネルギーを失ったといえます。

PLC問題はこれで決着したわけではありません。技術的な問題もさることながら論理 的矛盾や基本的な問題など果敢に取り組むべき課題が山積しています。 反対を主張するアマチュアの動きはいささかも衰えていません。私自身心情的には阪大で の実験からスタートした仲間と今後も協力してまいりますが、反対だけを主張してすべてを なくす選択よりも、社会的存在を主張するJARLが今後目論む近未来に適切に対応できる 組織のために、新たな生き残りをかける道を選んだと理解しています。

何よりも今すぐ準備しないといけないことは、PLC製品が市場に出た場合その技術検証 と、約束したアマチュア無線への妨害阻止に向けて問題発生時に速やかに対応ができるしか るべき窓口(機関)の設置を強く求めこの実現を目指さねばなりません。 今回の選択が失敗か否かはやがて歴史が証明しますが、本質を離れた議論に陥ることなく 一部の場外乱闘気味の論争は極力避け、未来のアマチュア無線の存続に鋭意努力を重ねなが らこの事態を乗り越えて行きたいと考えています。 その為には、JARLは丁寧に説明義務を果たすことが何よりも大切でです。 ご意見がございましたら何なりとお寄せください。

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