記述の集積 / ゲヘナに関する記述


hatena:ゲヘナ

ゲヘナと地獄

54 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/03/02(木) 23:58:23
紀人になった者はどこにいったのか。
ゲヘナは地獄の主になったというが、どこに地獄があるのか。

by 一行記述スレッド 54

59 名前: 2人 投稿日: 2006/03/03(金) 16:35:01
ゲヘナは2人いるという。1人のゲヘナは古神、1人のゲヘナは新神。
古神ゲヘナは弱い神であったが、優しい神でもあった。
創世初期の薄暗く冷たい風が吹く世界で怯えながら生きるものたちに暖かい楽園を用意した。
しかし古神ゲヘナは弱い神であったので犠牲無しに楽園を造れなかった。
古神ゲヘナはその身を2つに裂くと、片方を空にもう片方を地上にした。空から降った血の雨が地上に植物を生えさせた。
新神ゲヘナはただの人間だった。しかし「我が身は人形。父母の血を混ぜた土塊で創られた」と語る者だった。
荒ぶる心を持って新神ゲヘナは楽園に乗り込んだ。
今ではゲヘナは地獄と呼ばれている。

by 一行記述スレッド 59

モロレク(ゲヘナとルスクォミーズ)

98 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/03/08(水) 14:54:20
「悪鬼」とはモロレクのことである。彼らの忌まわしき始祖は
ゲヘナとルスクォミーズとの間に生まれた。

by 一行記述スレッド 98

ゲヘナの民の語り

53 名前: 世界の始まり 投稿日: 2006/03/02(木) 23:48:19
闇の中を一筋の稲妻が投擲された槍のように走りました。
これが世界の始まりです。
世界とは稲妻の瞬きに過ぎません。
捕らえられたゲヘナが語ったこと。

by 一行記述スレッド 53

21 名前: ゲヘナの一人 投稿日: 2006/03/02(木) 23:53:51
世界とは思考する虚無だ。
それはある日、思考することを覚え、物を考え始めた。
この思考の泡が世界であり、我々だ。
我々は虚無の頭の中にいるのさ。
虚無が考えるのを止めたら、文字通り、雲散霧消だ。
くだらないくだらない。

by 汎用記述スレッド 21

幸せな一日

幸せな一日
 ゲヘナに流布している物語群を分析したクロフェは、そこから抽出された神話構造を「幸せな一日」と名付けた。

 クロフェによれば、裏切りと暴力に包まれた苦痛と憎悪の日々を送るゲヘナの民に生を維持させているのは、心から満たされ、欠けるところなく幸せだと感じられる日が一生に一日だけ存在するという根本思想である。ゲヘナの民にとってそれは生の意味そのものであると同時に、生の終着点でもある。幸せな一日は一度きりであり、一日が過ぎてしまえば残されているのは無限の苦悩と、二度とやってこない一日という絶望である。

 そのため、幸せな一日を見付けた多くの者は自ら命を絶つ。自分に幸せな一日を与えてくれた者の前での自殺は、ゲヘナの者にとっては最大限の感謝と喜びの表現である。

 クロフェの研究により、救いのない狂った物語と見倣されてきたゲヘナの物語の多くが新たな解釈を加えられることとなった。心中や後追い自殺はゲヘナの世界観ではハッピーエンドなのである。それはゲヘナではあまりに自明であるがために、物語の内部で説明がなされることはない。われわれの物語で、「王子様とお姫様は結婚しました」が幸福な結末を意味するのと同様である。

 幸せな一日は今日のゲヘナ研究に大きな進展をもたらした。ゲヘナの鎮圧に物語群の調律が注目されたのはクロフェの功績による。ゲヘナの狂暴性の原因は、死を強要することで代償行為的に幸せな一日を与えた満足を得ようとしているためと考えられたからである。

by ゆらぎの神話 ポータル - 幸せな一日

リリス

60 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/03/03(金) 17:43:11
【リリス】
 ゲヘナの民の一種。
 そのすべてが女性で総じて人間離れした美貌を持つが、関わったものは必ず不幸になるとされる。

by 一行記述スレッド 60

62 名前: 【リリス】 投稿日: 2006/03/03(金) 20:00:16
下層民の中にゲヘナが多いとされる。それは体制への鬱屈が溜まったものがゲヘナの思想に染まるからだ。
リリスと呼ばれるものは都市部の売春婦に対する蔑称と言われる。

by 一行記述スレッド 62


ワリバーヤ王朝とゲヘナ

132 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/03/10(金) 21:20:03
【刀】は東方由来の武器である。第5代ワリバーヤ王カカーブンはゲヘナの弾圧と処刑のために切れ味の
良さで知られていた刀に目をつけ、東の国から技術者を招きワリバーヤ王国の剣術に適した形に改良させた。

by 一行記述スレッド 132

49 名前: 【ブラーサーム】 投稿日: 2006/03/11(土) 16:25:45
ワリバーヤ王朝第8代国王。彼の代にアルセス教復興運動が興り、ブラーサームもそれに心を
動かされ認めたために、世俗化が進んでいたワリバーヤ王国は再びアルセス教化する。
ブラーサーム王は国中からゲヘナの血で汚れた【刀】を集めさせ、
英雄神アルセスと建国王ディスカレイルと聖ポルポフォンを讃え平和と繁栄を願う巨像を作らせた。
これが世に言う【刀狩】である。近世トルクルトアにまとめられた『アルセス教史』
には彼が夢の中に現れたアルセス神に命じられて刀狩を行ったという伝説が紹介されている。
彼は「忌まわしき道具は滅びなければならない」と主張し最終的には国中の全ての刀を像に変えようとした。
彼は【刀】を悪魔の道具とみなしていたらしく、【刀】の製造を禁止し製造技術を弟子などに教えることを禁じた。
さらには【刀】製造に関する書物の焚書を命じ、これらの禁を破る者には死罪をもって対応した。
ワリバーヤ刀の製法のほとんどが現在に残ってない理由には、
刀職人の間の秘密主義もさることながら、この王の徹底した政策によるところが大きい。
【刀】そのものはそれまでにも大量に作られ、また多くの愛好者が国内外にいたため
現存するものも多いが、それでも現代の多くの刀剣ファンにとって彼は呪詛レストロオセに匹敵する大悪魔である。
彼はゲヘナに対しても寛容な政策をとった有徳の君主ではあるが、ワリバーヤ国内に混乱
を招き他国に付け入る隙を与えた暗君でもある。そうでなくとも【刀】という重要な兵器
を失わせた事はこの国の滅亡を早めた一因であることは否めない。
後代の歴史家のなかには彼はゲヘナの魔術のせいで狂ってしまったとする者もいる。
このような見解はブラーサーム在世中にもあったようで、彼が死に弟のアルセスバハル三
世が即位すると、ゲヘナへの弾圧はより過激な形で再開された。

(融月社刊『世界の君主たち』)

50 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/03/12(日) 01:52:16
ブラーサーム王の時代に起こった惨事
まず一つ目、【刀匠の館】放火事件・・・これにより禁を破っていない刀匠の多くまでもが死亡した。
犯人はわかっていないが、「王自身が密かに命じた」や「刀が再び作られるのを恐れた外国が行った」等、諸説ある。
二つ目、【ヘレゼクシュかぜ】の蔓延・・・5年間にわたりヘレゼクシュ一帯の住民を苦しめ、十万人以上の死者を出した。
ブラーサーム王の死とともに沈静化する。「王の乱心」と同様にゲヘナの魔術によるものとされた。

103 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/20(木) 12:50:08
【アルセスバハル三世によるラカジン派弾圧】
ラカジン派の布教を許可していたブラーサーム王が死に、
弟のアルセスバハル三世が即位するとラカジン派の信仰は禁止され、
信者には棄教が義務付けられ、それに従わない者は容赦ない弾圧がなされた。
ブラーサーム王の治世で行われた【刀狩】と王の死ぬ5年前から猛威を
振るい始めた、【ヘレゼクシュかぜ】の蔓延で社会情勢が不安定となっていた。

国内に住むゲヘナとともにラカジン派はこれらの災厄の元凶と決め付けられ
スケープゴートにされてしまった。さらに偶然にもこの疫病の分布とラカジン派の布教した地帯
とが重なってしまっていたことが「ラカジン派の暗躍を示す証拠」とされてしまい、
アルセスバハル三世の呼びかけとともに外国でもラカジン派が苛烈な迫害を受けることになる。

by 汎用記述スレッド

ゲヘナと言語

7 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/02/23(木) 10:19:49
ゲヘナとシェオルはヘブライ語。エルはヘブライ語で神(≒ヤハウェ)。エレノア・ガランドは明らかにアングロ語圏名。ユリアン・ゲウスのユリアン。リリスは言うまでもない。

by 一行記述スレッド 7

13 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/02/25(土) 03:36:57
たとえば、シャルマキヒュがヌト語であると言明したとき、ヌト語という人造言語が現に存在しているのであれば、その言明はヌト語の語彙のなかにシャルマキヒュが存在していることを示すというかたちで意味のある言明となる。しかしヌト語が実在していない今のような状況にあっては、このような言明はただ単にシャルマキヒュという名詞からヌト語という名詞へのシナプスが繋がっただけで、トールキンにおけるエルフの名のような(例えば、エアレンディルが「わだつみを愛する者」の意であり、それが彼自身の運命に直結しているといったような)有機的な意味合いを獲得することは決してない。しかしそれでいいのかもしれない。そもそも、架空言語を構築すること自体が、ゆらぎを求めるという本プロジェクトの目的に反している疑いがあるからだ。ここにおいて、本神話の各断章内においてリリスだとかゲヘナだとかいったような実在の(という言い方がまずければ、既存の)神話に存在する単語を利用することの建設的な意味が生じてくる。他の既存の神話から本神話に召喚された固有名詞は、実際の伝承現象にあるような神話間の波及的効果を暗示し、神話自体の奥行きを深めるからだ。しかしそれは慎重に行われなければならない。そういう意味で、mixi神話記述トピックの72番の書き込みは明らかに不用意であり、失敗である。わざわざシェオルをまで召喚してくることはなかった。ゲヘナはゲヘナのままでそっとしておくべきだったのだ。ゲヘナというカタカナ語はいまや本神話のなかで実在のヘブライ神話とはまったく関係のない意味を獲得してしまった。このことは、実在の神話の固有名詞の召喚においてもっとも避けなければならない悪しき例である。

by 一行記述スレッド 13