最近入手した本.
著者は小説家だが,ふとした時に,広畑捕虜収容所の通訳だった人の日記を入手する.
そして,それを300ページに亘って掲載しているのだが,その前にこの人がどんな人だったのか,それを追ったのが,第1章の150ページ余に上る長い長いプロローグの部分.
この部分も西南戦争の裏面史というべき部分が書かれていて,中々読み応えがある.
通譯の話についても,鬼畜米英と呼んで白人を忌み嫌っていた流れに棹さして,極力捕虜達の側に立って問題を解決しようとした事が伺え,当時の捕虜収容所の状況が,余す事無く筆写されている.
因みに,中には未遂に終わったが,俘虜の脱走計画に荷担したと思われる話しもあったり.
これはどちらかと言えば,その人の血がそうさせていたのかも知れないが.