【回答】
簡単に言うとね,周辺警戒が必要なときに,素早く歩兵が装甲車から降りて,戦車の周囲に配置する.
つまり歩兵は装甲車で,戦車と一緒に素早く移動し,警戒が必要な場所までついていくの.
機甲戦闘の最中は,歩兵が戦車の回りにいるのは無意味だし危ない.
例えば,市街地とか起伏の激しい地形とかでは,移動速度を落として歩兵を下ろす.
平坦な地形で敵戦車と戦闘する場合は,歩兵は邪魔にならぬよう装甲車で待機する.
そんな使い方.
敵陣地に突入した戦車の先鋒が,敵の弾性防御で左右から袋叩きにされるのを防ぎたいときは,乗車戦闘.
戦車のすぐ後ろから歩兵戦闘車もついてって,一緒に敵陣に乗り込む.
乗り込んだら即座に歩兵を下ろして展開する.
ちょっと前までは,乗車したまま銃が撃てるように,ガンポートを四方八方に開けてたんだけど,防御上の弱点になるので,最近ではそれは諦めている.
そもそもの前提として交戦距離という概念があって,歩兵(小銃手)のこれは0mから300mぐらいとかなり短い.
ただ,そういった相手の懐に入ってしまうと,広い視界と柔軟な運用性を活かして活躍する事ができるし,潜んでる敵の歩兵を狩る事もできる.
さらに,敵の榴弾砲や航空支援は,この距離に入られると,味方を巻き込む恐れがあるので使いにくい.
しかし歩兵は機動性で劣るから,機甲部隊との移動速度が違いすぎて,協同前提の運用をしにくいし,防御が脆弱だから膨大な出血を覚悟しなきゃならない.
だから歩兵をトラックに乗せて,機動力を補ったのが自動車化歩兵.
APCに乗せて,機動力と防御力を補ったのが機械化歩兵.
そしてこのAPCに便利さや自衛能力を求めて,そこそこの火器(主に機銃)を搭載する事があったんだけど,それを強化する一方で防御力も一緒に高めて,自衛力強化と乗車状態での打撃力の発揮をも目論んだのがIFV.
で,このIFVは敵が機甲部隊でもある程度自衛できたり,そこそこ戦える能力をもってるので,そういう戦場に投入されやすい随伴歩兵を乗せるにはうってつけだった.
また,イスラエルは随伴歩兵進化の別の答えとして,APCの防御力を中心に強化した,というか旧式戦車の防御を更に上げてAPCに魔改造する道を示したりもしてる.
大事なのは,高速移動が必要な局面で,歩兵も高速移動できるってこと.
それが機甲師団の最大の強み.