【質問】 シナ事変では初めから300個師団総動員して,蒋介石毛沢東の首をとったほうがよかったのでは?


 【質問】
 太平洋戦争の戦費は,シナ事変の10倍,戦死者は5倍.
 太平洋戦争前は50個師団,戦争末期は300個師団.
 それだけの予算と兵員の余力があるなら,初めから300個師団総動員して,100万や200万戦死してもいいから,遮二無二重慶延安に突撃して,蒋介石毛沢東の首をとったほうがよかったのでは?
 いくら米英ソが非難しても,中国全土が傀儡政権で統一されたら,戦争の火種もなくなるはず.

 【回答】
 1年ごとに取得出来る予算とリソースは限られています
 債券発行などで,予算は短期的にはまあ如何にかなるとしても,リソースの問題が解決する訳ではありません.
 債券発行も実際には,一度に大量に発行してしまうと,誰も買いません.
 また,通貨供給量を極端に増やすと,ハイパーインフレになりますね.

 なので,最初から一気に戦力を6倍にする,という事は不可能なのです.
 時間をかけてゆっくり増やすしかありません.
 むしろ,8年でそこまで増やすのは,かなりの無理に無理を重ねています.
 300個師団といっても末端まで武器がいきわたってなく,陣地構築など土木作業で終わったという人が,かなりいます.

 そして,戦力が増えたと言っても,兵站の問題があります.
 補給を確保出来なければ,6倍の兵数を持ってしても,戦力としては1倍にもならない,という事もあるのです.
 重慶は雲南にも近い中国の奥地で,山奥ですから,300個師団の兵力を支えるだけの補給路を短期に敷くのは,当時の日本では不可能でしょう.

 元々,日中戦争は日本にとって予期せぬ出来事であり,侵攻の準備は全く行っていませんでした.
 事前の準備をしない状態で始まった戦争なのです.

軍事板,2010/12/02(木)

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