【回答】 それ,旧説の派生だろ.
アイヌは縄文系とシベリア方面の住民の混血で,原日本人というわけではないはずだぞ. それに,弥生人が縄文人を駆逐したという話そのものも,今ではほぼ否定されてる.
もともと,縄文文化と弥生文化は断絶した異文化なのか,連続性があるのか,という点では議論が分かれていた.
発掘事例が少なかった頃には,連続性を見いだすのは難しくて,まったく異なった異文化としか思えない状況だったが, (というのも,縄文遺跡は関東から東北に多く,弥生遺跡は西日本に多くて,同一地域での変遷を追跡するのが昔は難しかった) 発掘事例を積み重ねて,地域内の文化的連続性とか,同一時代の地域差とかを分析できるようになってくると,縄文文化と弥生文化は連続性が大きい,断絶する要素は少ないと分かってきた. 稲作の導入を含む社会的変化に応じた文化的変遷が,縄文と弥生の違いの中心であって,人種差・民族差があったとは考えがたいのではないか,とまで言われるようになってきた.
縄文文化の要素の残存状況から見れば,渡来系弥生人の人数は,在来の縄文人よりも大幅に少なかったはずだ,とまで言われている. 現存DNAの分析では,縄文系と思われる遺伝子と,渡来系弥生人によって持ち込まれたと思われる遺伝子とが,ほぼ拮抗するレベルだと思われているにもかかわらず,文化の変遷からは,渡来系弥生人の人数は少なくて,日本列島の文化に目立った変化を与えるのは難しかった,としか考えられない状況となったわけ. これでは駆逐説は成り立たないんだよ.
それと,縄文文化の衰退は,弥生人の渡来より何百年も早くに起こった事件らしい.
日本史板,2011/04/05(火)〜04/06(水) 青文字:加筆改修部分