四谷阿部之
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- 暴走した平田残雪の霊の後を追った。
平田残雪の霊に、「夜の蝶」の続きを書いてくれるように頼まれた。
この五年、一枚も原稿が書けていない。
世間からも忘れられ、出版社からも見放され、「夜の蝶」にすがりついた。
夜な夜な仕上がってくる名作を黙って自分の物にした。
「夜の蝶」が大ヒットし、大金を手にしてはじめて、他人の作品で名声を得たことに罪悪感を感じた。
最終巻が書き始められる前に魔法律家を呼び、平田残雪が長い長い月日大事にしていた思いを奪おうとした。
そのため、自分には続きを書く権利はないと伝えた。
しかし平田残雪に「夜の蝶」を託され、最後の文を次のように考えた。
―幸せは、夜の蝶の様に脆く儚いからこそ、この世でただ一つのかけがえの無い幸せになる。
その後テレビに出演し、「夜の蝶」のテーマについて「生きる喜び」と答えた。(第19条)
四谷先生の大冒険 †