雑居ビルの女の子の霊


雑居ビルの女の子の霊
関連:五嶺


  • 霊燐の霞むうち階段の踊り場あたり見えた小さな影。
    傍らの壁に半身を隠して、五嶺エビスをうかがっていた。
    見られていることに気付くと姿を消してしまった。(「五嶺霊異記」/『七色の魔声』<P151>)
    先ほどは1階から上を、今度は4階から下を見ている格好だが、同じように右半身を隠していることを不思議に思ったエビスが、その体が直接壁から生えていることに気付いた。(「五嶺霊異記」/『七色の魔声』<P1157-158>)
    地階のドアの縁を掴み、右半身をエレベーター内部の壁にめり込ませたまま、瞬きしない目でエビスをまっすぐに見ていた。
    「わたしのゆびわたしのゆび……」と呪詛を唱え続けており、その手には中指と人差し指がなかった。
    さらに「かえしてかえして……」と唱え続けた。(「五嶺霊異記」/『七色の魔声』<P172>)
    火焔竜の刑に処された後、本体である二本の子供の指が見つけられ、エビスはその姿を思い出した。(「五嶺霊異記」/『七色の魔声』<P177-178>)
    五嶺曰く、かつてエレベーターで命を落とし、失った指を求める念の強さが他の浮遊霊を引き寄せたらしい。
    ただし、雑居ビルではそのような事件はなかったため、何者かの手で指が運びこまれたらしい。(「五嶺霊異記」/『七色の魔声』<P189>)