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企画案(講談社、森田案) †
- 仮タイトル 『クラウド進化論』
- 著者 小池良次(ITジャーナリスト)
- 企画趣旨
ITシステムのコストカットを実現するクラウドが大ブームになって約4年が経過した。その間、クラウドはデータセンターの合理化技術という枠を超え、高速モバイル・ネットワークの整備が本格化するとともに、スマートフォンやタブレット、パソコンなどのモバイル・ディバイスを対象とするサービスへと広がっている。
データセンターの合理化技術を、いわばクラウド進化論の第一世代とするならば、ネットワーク整備の本格化が第二世代、ディバイス・サービスが第三世代となる。
そして、いままさに突入しつつある第三世代のクラウド・ディバイスの動きによって、今後はテレビやデジタルカメラなど各種情報家電は大きくその姿を変えるであろう。と同時に、職場ではPBX(構内交換機)やプリンターなどが、クラウドによって姿を消すことになる。
これまで、日本の情報家電やオフィス機器メーカーはその技術力で高い競争力を誇ってきたが、残念ながら、このクラウド・イノベーションというべき波には乗り遅れ、対応が遅れているといわざるをえない。
本書では、まずクラウド・ビジネスの大局観を示し、そのうえで、アメリカの最先端のクラウド業界の最新事例をつぶさに紹介していき、その行方を予見してみる。そのなかで、クラウド時代において日本企業が取り組むべき「脱ものづくり」の発想の提示や、インターネットからクラウドへと深化する情報通信技術と社会変化に対応できていないマス・メディアの今後のあり方、企業だけでは乗り越えられない障害をクリアするための国家戦略について考察していく。
構成案 †
- はじめに
- 第1章 クラウド・ビジネスのいま
- クラウドの定義や全体像を解説
- クラウドの段階的発展を説明、現在の位置を示す
- 第1段階 クラウド・コンピューティング
データセンターとウェブ・アプリケーションの技術革新
- 第2段階 クラウド・コミュニケーション
高速モバイル・ネットワークの整備
- 第3段階 クラウド・ディバイス
端末と通信対象によって4象限に分けられるコミュニケーションの変革
- 第4段階 クラウド・サービス
深化する情報通信技術と社会変化の行く先
- 第2章 深化するクラウド・コンピューティング
- 急速に進むクラウド・コンピューティングの技術革新
- クラウドの仕掛け人であるグーグル、そのトップ交代の意味
- 存在感を増すパブリック・クラウドのトップ企業アマゾン
- 第3章 通信産業を大きく変えるモバイル・ブロードバンド
- データセンターとモバイル端末の超集中と超分散
- モバイル・ブロードバンドの整備により変化する通信産業と通信機器
- 日米で異なるホワイトスペースの利活用
- 第4章 クラウド・ブラックホール襲来−日本の製造業の危機
- クラウド・ブラックホールとは
- これまでのハード・ソフト一体設計で商品価値を高めてきた戦略から、ハードから高度な機能を担うアプリケーションが分離されデータセンターに集約されていくことになる現象を指す(著者造語)
- グーグル・テレビに見るアメリカ放送行政の行方
- 放送映画業界に忍び寄るクラウド・プロダクションの波
- 第5章 クラウドがマス・メディアを崩壊させる
- 既存メディアの失墜とニッチ・メディアとしての対応策
- 失速するアメリカ携帯マルチメディア放送
- 著作権法をめぐる問題
- 第6章 求められるクラウド・ガバナンス
- 日米欧に見るクラウド時代の政策論
- クラウド保護主義と国際データセンター誘致競争
- フェースブックやiPhoneに殺されるウェブ(プライバシーの壁)
- おわりに
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