民法 / 総則


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通則(信義誠実の原則 権利濫用の禁止)

  • 第1条
    1. 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
    2. 権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
    3. 権利の濫用はこれを許さない。
信義則の原則
 当該具体的事情のもとにおいて、相互に相手方から一般的に期待される信頼を裏切ることの内容に誠意を持って行為すべきという原則。
権利の濫用禁止
 一見正当な権利行使に見えても、具体的な事情を考えてみた場合には、権利の社会性に反し、権利行使としては是認できないような行為を禁止すること。
  • 参考判例 宇奈月温泉事件(大判昭10.10.5)
     宇奈月温泉郷では、B社が設置した引湯管がの土地をわずかにかすめていたところ(全長7500mの引湯管のうち約6mがの土地にあった)、からその土地を買い受けたAB社に対して、その土地の高額での買取を請求したところ、B社がこれを拒否した。そこでAB社に対して、その引湯管の撤去を求める訴えを提起した。
     Aの請求は所有権にも度尽く妨害排除請求として、一見正当な権利行使のようにも思えるが、判例は、権利の濫用に該当するとして、請求を棄却した。
  • 第2条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

権利能力

  • 権利能力
    • 私法上の権利・義務の帰属主体となる地位・資格を言う
    • 民法上は、原則として自然人と法人にのみ権利能力が認められる
      ⇒飼い犬などのペットには家屋の所有権などを与えることはできない
  • 権利能力の始期と終期
    自然人の場合には、出生により取得し<3条>、死亡により喪失する
  • 胎児の例外
    以下の項目に関してだけは、胎児について既に生まれたものと扱う旨を規定している。
    1. 不法行為に基づく損害賠償請求<721条>
    2. 相続<886条>
    3. 遺贈<965条>

意思能力

  • 自己の行為の結果を弁識するに足りるだけの精神能力をさす。
  • 意思能力がない者としては、幼児や重度の精神疾患者、泥酔者などが挙げられる。
  • 民法上は、この意思能力を欠く者の法律行為の効果について明文はないものの、一般的には、意思能力のない者の行った法律行為は無効となると理解されている。

行為能力

  • 単独で確定的かつ有効な意思表示ができる地位・資格をいう。言い換えれば、一人で有効な取引などを行うことができる能力のこと。
  • 民法は、この行為能力が不十分な者を制限行為能力者として、特別に保護している。
    具体的には、制限行為能力者を未成年者、成年被後見人、被補佐人、被補助人と定めて、これらの者に法定の保護者を付すこととしている。
  • 制限行為能力者が、その保護者の同意などを得ずに、単独で、一定の法律行為を行った場合には、その法律行為は取り消しができるとした。この取り消しは、善意の第三者にも対抗することができる
     ex: 親の同意を得ずに勝手に物品を購入する契約を締結した場合には、後日、その売買契約を取り消すことができる。
    • 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。<121条>
      • 受けた利益から債務の弁済または生活費に支出したときは、これも返還の義務があるのに対し、賭博等に消費し利益が現存しない場合はその部分の返還義務を負わない
    • 悪意の受益者は、その受けた利益に利息を伏して返還しなければならない。<704条>

未成年

  • 意義・法定代理人
    • 未成年とは20歳未満の者を言う<4条>。ただし、婚姻した者は成年者として扱われる例外がある<753条>。
    • 未成年者には法定代理人が付される。通常は親権者がなるが、親権者が無いような場合には、未成年者後見人という特別な代理人が付される。
    • この法定代理人には、未成年者の行為に対する代理権・同意権・追認権・取消権が認められる。
  • 制限の内容
     原則として未成年者が単独で行った行為は取消が可能である<5条>。
     なお、以下の行為については未成年者が単独で行うことができる(つまり取消不可)。
    1. 単に権利を得、義務を免れる行為
    2. 法定代理人が目的を定めて処分を許した財産の目的の範囲内での処分、目的を定めないで処分を許した財産の処分行為
    3. 営業を許された未成年者の営業に関する行為

成年被後見人

  • 意義・成年後見人
    • 成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所によって後見開始の審判を受けた者を言う<7条>。
    • 後見開始の審判により後見が開始されると、保護者である後見人がおかれる<8条>。
    • 後見人は、代理権・追認権・取消権を有するが、同意権は有しない
  • 制限の内容
    • 原則として成年被後見人の行為は取り消すことができる<9条>。ただし、例外的に日用品の購入その他の日常生活に関する行為は取消の対象とはならない。
    • 成年後見人は同意権がないので、成年被後見人が、後見人の同意を得て行った行為でも、取消が可能である
    • 利益が相反する行為の取り消しについては、成年後見人は特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならず、取り消すことはできない。

被保佐人

  • 意義・保佐人
    • 精神上の障害により事理弁識能力が著しく不十分である者で、家庭裁判所により保佐開始の審判を受けたものをいう<11条>。
    • 被保佐人の保護者は保佐人である<12条>。
    • 保佐人には、同意権・追認権・取消権が認められるが、代理権については、一般的に認められず、被保佐人の申立てまたは同意を要件として、当事者などが申し立てた特定の法律行為についてのみ代理権の付与がある<876条の4>。
  • 制限の内容
     被保佐人は重要な財産上の行為(<13条>に列挙されている行為)及び家庭裁判所が審判により定めた事項を単独で行うことができず、保佐人の同意が必要となる(同意を得ないで行った行為は取消可能)。

被補助人

  • 意義・補助人
    • 被補助人とは、精神上の障害により事理弁識能力が不十分である者で、家庭裁判所により補助開始の審判を受けた者をいう<15条>。
    • 補助が開始されると、保護者である補助人がおかれる<16条>。
    • 補助人には、同意権・追認権・取消権があるものの、一般的な代理権は有しない。ただし、被補助人の申立てまたは同意を要件として、当事者などが申し立てた特定の法律行為について、家庭裁判所が補助人に代理権を与えることも可能である<876条の9>。
  • 制限の内容
     被補助人は、家庭裁判所の審判によって定められた特定の財産行為について、単独で行った場合には(補助人の同意を得ていない場合)、これを取り消すことができる<17条4項>。

制限行為能力者まとめ

種類内容規制取消人保護者保護者の権限
同意権代理権取消権追認権
未成年者20歳未満の人、但し、婚姻擬制と営業の許可の制度がある<原則>
保護者の同意がなければすべて一人でできない
(両親がいれば両者の同意が必要)
<例外>
一部は取消不可注1
)椰
⊃童⊆
8絽人

後見人
成年被後見人事理を弁識する能力を欠く常況にある者<原則>
日用品の購入など日常生活に関する行為以外の行為
 ⇒取消可
)椰
∪年後見人
成年後見人
=法定後見人
×注2
被保佐人事理を弁識する能力を著しく不十分な者<原則>
すべての取引を一人ですることができる
 ⇒取消不可
<例外>
次の重要な行為だけ保護者の同意が必要。
同意がなければ取消可。注3
)椰
∧欹歓
保佐人
被補助人事理を弁識する能力を不十分な者当事者が申し出た範囲内で家庭裁判所が定めた「特定の法律行為」)椰
∧篏人
補助人

注1

  1. 単に利益を得、または義務を免れるべき行為
  2. 処分が許された財産の処分 ex.小遣い
  3. 保護者が未成年者に営業を許可した場合、その営業に関する行為

注2

成年被後見人に同意を与えても意味が無いので、当然、保護者の権限として同意権もない。そのかわり、成年被後見人には何もさせず、成年後見人が代理権によって全面的に面倒を見るのである。従って、たとえ後見人が同意しても、成年被後見人単独では有効な法律行為はできない。

注3

  1. 借金をしたり、他人の保証人になること
  2. 相続を承認したり放棄したりすること
  3. 不動産その他重要な財産に関する取引
  4. 5年を越える宅地の賃貸借
  5. 3年を越える建物の賃貸借
  6. 建物の新築・改築・増築・大修繕を頼むこと 等

相手側の催告権<20条>

  • 意義
     制限行為能力者の相手方は、制限行為能力者が単独で行為した場合には、いつ取り消されるのか分からず、不安定な状況におかれることとなり、速やかにこの状況から解消させるために、民法では、制限行為能力者の相手方に催告権を与えて、制限行為能力者側に取消をするかどうかハッキリとした確定を要求できることとした。
  • 内容
     制限行為能力者の相手方は、催告の受領能力があり、取消・追認をなし得る者に対して、1ヶ月以上の期間を定めて確答を促すことができる。
     そして、催告に対して確答が得られればそれに従うことになるが、もし催告を受けた者が返事をしなければ、以下のようにみなされる。
    1. 催告を受けた者が単独で追認ができる場合→追認したとみなす
    2. 催告を受けた者が単独で追認できない場合→追認拒絶をしたものとみなす

制限行為能力者の詐術<21条>

 制限行為能力者が、詐術を用いて、自分が行為能力者であることを相手方に誤信させようとした場合には、制限行為能力者は、その行為を取り消すことができないこととされている。

法定追認<125条>

 取消可能な行為でも、以下のような、一般社会通念上、追認を認められるような一定の事実があった場合には、取消権者の意志とは関係無く、追認があったものとみなされる。

  1. 全部または一部の履行
  2. 履行の請求
  3. 更改
  4. 担保の供与
  5. 取り消すことができる行為によって取得した権利の全部または一部の譲渡
  6. 強制執行

取消権の期間制限<126条>

 取消権は追認することができるときから5年で短期消滅時効にかかる。
 また、行為の時から20年経過すると消滅する。この20年は不変期間であり、いかなる場合でも伸長しないものと考えられている。

失踪宣言

 ある人の生死が不明である場合に、一定時間の経過によって、一応その者の死亡を擬制する制度。以下の場合に利害関係人の請求により家庭裁判所は失踪宣告をすることができる。

  • 普通失踪
    • 要件:不在者の生死が7年間明らかでない場合
    • 効果:7年間の期間が満了したとき死亡したものとみなされる
  • 特別失踪
    • 要件:戦地に臨んだ者、沈没した船舶中にいた者、その他死亡の原因足るべき危険に遭遇した者の生死が、戦争のやんだ後、船舶の沈没した後、またはその他の危難の去った後、1年間明らかでない場合
    • 効果:危難の去った後に死亡したものとみなされる。(遡及する)

法人

  • 法人とは、自然人以外の者で、法律上権利義務の主体となる者のこと
  • 設立は、法律の規定によってのみ認められることとした<33条>。(法人法定主義)
  • 目的に応じて、公益法人と営利法人に分類される。
    • 公益法人:学術や慈善などの公益に関する社団または財団であり、営利を目的としない
    • 営利法人:その目的が鋭利に関するもので、社団法人と財団法人に分類される。
      • 社団法人:人の団体に権利能力が与えられたもの
        社員総会・理事・監事の三機関がおかれ、基本ルールとして定款が必要となる。
      • 財団法人:財産に法人格が与えられたもの
        理事・監事の二機関がおかれ、基本ルールとして定款が必要となる。
  • 以下の事由が発生した場合に、解散・生産により消滅する。<68条>
    (法人が事業継続を休止し、財産を整理するために存続することを解散といい、解散後に財産整理をすることを清算という。この清算が終わると法人は消滅する。)
    1. 定款または寄付行為で定められた解散事由の発生
    2. 法人の目的である事業の成功または成功の不能
    3. 破産手続開始の決定
    4. 成立の許可の取消
    5. 総会の決議(社団法人特有)
    6. 社員が欠けたこと(社団法人特有)

法人設立の各主義

類型具体例内容
特許主義日本銀行設立するには特別な法律の制定が必要
許可主義民法上の公益法人主務官庁の許可が必要
認可主義学校法人
生活協同組合
法律の定める要件を満たして、主務官庁の認可を受けることにより成立
(要件を具備している場合には、認可されるので、許可主義よりも設立が容易)
認証主義宗教法人
NPO法人
主務官庁の認証を受けることにより成立
準則主義株式会社
労働組合
中間法人
法律の定める一定の要件を満たせば、当然に法人となる。
但し、登記などの必要がある。
強制主義行政書士会国家が法人の設立を強制する

  • 民法上では物を有体物に限定している。ここでいう有体物とは、一般的には液体・気体・固体を指す。
  • 物の分類
    • 動産・不動産
       土地及びその定着物を不動産と言い、不動産以外の物を全て動産とする<86条>
    • 主物と従物
       従物とは、独立した物であるものの、客観的・経済的には他の物(主物)に従ってその効用を助ける物をさす。 ex:瓶のふた、刀の鞘など
       従物は主物の処分に従うとされる。<87条2項>
    • 果実
       果実とは元物から生じる経済的利益をさし、以下の二つに区分される。
      • 天然果実:物の用法に従って収取する産出物 ex:果物、鉱石など
      • 法定果実:物の使用の経済的退化として受け取るべき金銭債権など ex:地代、家賃など

法律行為

意思表示総説

意義

意思表示とは、一定の法律効果に向けられた意志の外部への表明を言う。


意思表示の過程

  1. ある物が欲しい、と思うなどの動機
  2. その物を購入しようと考えるなどの内心的効果意思
  3. 店の店員に購入したいと告げようと思うなどの表示意志
  4. 実際に店員に告げる行為などの表示行為

民法では、意思の不存在として、心裡留保、虚偽表示、錯誤を規定し、瑕疵ある意思表示として、詐欺、強迫を定めている。

心裡留保<93条>

意義

表意者が真意ではないことを知りながらする意思表示をいう
⇒要するに嘘をつくこと

効果

原則として有効
例外として、相手方が悪意または有過失の時には、その意思表示は無効となる

善意の第三者との関係

虚偽表示に関する94条2項を類推適用して、心裡留保による無効をもって、善意の第三者に対抗できないとされている


虚偽表示<94条>

意義

相手方と通じて真意でない意思表示をすること

効果と善意の第三者との関係

虚偽表示による意思表示は原則として当事者間では無効
但し、民法94条2項で、無効を善意の第三者に対抗することができないとしている
※この94条2項は権利外観法理に基づく規定であり、これを類推適用することで、善意の第三者を保護するという目的がある。

権利外観法理
権利者が実際の権利関係とは異なる虚偽の外観を作り出した等の責任がある場合に、そのことを過失無く信じた第三者を保護するために、虚偽の外観通りの権利関係を認めると言うこと。民法中には、これを一般的に定めた規定は無い。

錯誤<95条>

意義

表示行為から推測される意思(表面上の効果意志)と内心的効果意思とが一致しない場合で、かつそのことを表意者がしらないこと
⇒簡潔にいうと、勘違いのこと

錯誤には一般的に以下の三種類がある。

  • 内容の錯誤
    • 物Aを物Bと思い込んでいるような場合がこれに該当する
  • 表示の錯誤
    • 言い間違い、書き間違いがこれに該当する
  • 動機の錯誤
    • 動機から内心的効果意志に至る過程において錯誤がある場合がこれに該当する
      • 稀少品だと思って物を購入したが、実はその物は稀少品で無かったというような場合
    • 動機の錯誤は本来、民法95条の錯誤には当たらないが、その動機の内容が表示されていれば例外的に民法95条の適用を認めるというのが判例の考え方となっている。
      • 但し、多くの場合、動機が契約に表示されることは少ないため、事実上、動機の錯誤が保護される可能性は低いとされる

要件

錯誤の成立には以下の二つが要件として存在する

  1. 法律行為の「要素」に錯誤があること
  2. 表意者に重大な過失がないこと
    • 通説や判例によると、相手方が錯誤に対して悪意であると認定された場合はこの限りではない
要素の錯誤
その食い違いを認識していればそんな意思表示はしなかったし、一般人もしないであろうという程度の「食い違い」のこと

効果

  • その意思表示は無効となる
  • 錯誤による無効は、表意者はまたは承継人だけが主張でき、相手方や第三者が主張することは原則として認められない
    • 例外的に、債権保全の必要性があり、表意者も要素の錯誤を認めているときは、表意者自ら無効を主張する意思がなくても第三者は無効主張できる(最判昭45.3.26)

詐欺<96条>

  • 欺罔行為(騙す行為)によって人を錯誤に陥れ、それによって意思表示させること
  • 詐欺による意思表示は取り消しうるが、善意の第三者には対抗できない
  • 第三者が詐欺を行った結果として相手方に瑕疵ある意思表示した場合(第三者詐欺)においては、相手方がその事実を知っていたときに限って意思表示を取り消すことができる
    • AがBの欺罔によって、物をCに売却させるような場合、Cが『AがBに騙されていたこと』を知っていた場合に限り、その意思表示を取り消すことができるということ。

強迫<96条>

  • 他人に畏怖を与え、かつその畏怖によって意思を決定、表示させようとして害悪をする行為のこと
  • 民法上の効果の発生には、その告知行為によって意思決定がなされたことが必要
  • 強迫の場合、意思表示の取消が可能であると同時に、詐欺の場合と異なり、善意の第三者を保護する規定もない

意思表示まとめ

種類内容効果(契約がどうなるか)第三者に対して
詐欺他人に騙されること取り消すことができる善意の第三者には対抗できない
強迫他人に脅されること取り消すことができるすべての第三者に対抗できる
虚偽表示二人で嘘をつくこと無効善意の第三者には対抗できない
錯誤勘違いをすること―轍畆困ないこと
⇒彖任虜誤であること
上記2つの条件を満たせば無効
すべての第三者に対抗できる
心裡留保自分一人で嘘をつくこと原則は有効
但し、相手方が悪意の場合は無効
無効の場合、善意の第三者に対抗できない
無効
その法律行為の効力が初めから発生しないこと
取消
取消を行うまでは有効であるが、取消を行ったときには、行為の当初から無効と扱われること

代理

代理の意義

代理制度
本人と代理関係にある他人(代理人)が、本人のために意思表示を行い、またはこれを受けることにより、法律行為の効果を本人に帰属させる制度

 代理には、法律の規定により代理権を与えた法定代理と、本人が自分で選んだ物に対して代理権を与える任意代理がある。
 両者の違いは下表のものがある。

法定代理任意代理
意義法律の規定により発生 ex. 親権者・後見人本人と代理人の契約により発生
代理権の内容法律により定まる契約により定まる
復任権いつでも復代理人の選任権が与えられる本人の承諾がある場合
またやむを得ない場合のみに選任権が与えられる
代理権の消滅事由)椰佑了猖
代理人の死亡
B緲人の破産手続開始の決定
ぢ緲人の後見開始(選任後に後見開始となった場合のみ)
 
)椰佑了猖
代理人の死亡
B緲人の破産手続開始の決定
ぢ緲人の後見開始(選任後に後見開始となった場合のみ)
ニ椰佑稜忙瑳蠡崖始の決定
復任権
復代理人を選任する権利
  • 復代理
    • 復代理人とは、代理人から更に選任された代理人のこと
    • 復代理人の権限は、代理人の権限の範囲に限定される
    • 復代理人が選任されても代理人の権限が消滅するわけではないが、逆に代理人の権限が消滅すれば復代理人の権限も消滅する
    • 復代理人の行為の結果は、あくまで本人に帰属する。
      ⇒復代理人は代理人の代理人ではなく、本人の代理人ということ

代理の要件

  1. 顕名
  2. 代理権の存在 の二つの要件を充たすことが必要とされる。
顕名
代理行為の際に、代理人であることを明示して行うこと
  • 顕名が無い場合には、その代理行為は本人に帰属せず、代理人自身が自分のために行った行為と評価される。<100条>
  • 代理人の資格については、民法上は特に定めがなく、制限行為能力者でも代理人に就任ができるとされている。

無権代理

意義

  • 代理権がないにもかかわらず、ある者が勝手に本人の代理人として振る舞うこと
  • 本人が追認しない限り、本人に効果は帰属しない。<113条>

無権代理における相手方保護の制度

民法では無権代理の相手方保護のために、催告権、取消権を規定している。

  • 催告権<114条>
     相手方は本人に対して、一定期間内に追認するかどうかの確答を促すことができ、もし、本人がその期間内に確答しない場合には、追認拒絶であるとみなされる。
  • 取消権<115条>
     無権代理について善意の相手方には、本人が追認するまでの間、無権代理人との行為を取り消すことができる。

無権代理における無権代理人の責任<117条>

  • 本人が追認せず、かつ相手方が取消権を行使しなかった場合には、無権代理人は、相手方に対して責任を負うことになる。
    • ここでいう責任とは、相手方の選択に従って、履行または損害賠償の責任を負うと言うこと<117条1項>
  • 相手方が無権代理について、悪意または有過失である場合や、代理人が制限行為能力者である場合には、無権代理人は責任を免れる。<117条2項>
  • 本人による追認または相手方による取消権の行使があった場合は、無権代理人は責任を負わない。

無権代理と相続

無権代理行為が行われた後に、相続が発生するケースについて

  • 無権代理人が本人を単独で相続した場合
     相続によって無権代理人と本人の地位が融合して、無権代理行為の瑕疵が治癒され、無権代理行為は当然に有効となる(最判昭40.6.18)
  • 無権代理人が他の共同相続人と共に本人を相続した場合
     追認権は全ての共同相続人に不可分的に帰属するとして、追認または追認拒絶は、相続人全員が揃って行わないとならないとされ、無権代理人の相続分に相当する部分においても、当然に有効とはならない。ただし、無権代理人を除く全相続人が追認の意思を示しているにも関わらず、無権代理人だけが追認拒絶を行うことは許されない。(最判平5.1.21)
  • 本人が無権代理人を相続した場合
     相続人である本人が無権代理行為について追認を拒絶しても信義則には反しないとして、被相続人の無権代理行為は一般に本人の相続により当然有効となるものではないとした。しかし、相手方の追認請求を拒絶することもできるても、無権代理人の責任も相続の対象となるため、その責任を免れることはできない。(最判昭48.7.3)

表見代理

無権代理行為の中でも、一定の場合においては、本人に効果帰属させる制度

要件

成立要件には、一般的には、以下の三要件が必要となる

  • 代理権があるような外観の存在
  • その外観の作出についての本人責任
  • その外観について相手側が信頼したこと

表見代理には以下の三類型があり、それを上記の要件に当てはめると以下のようになる。

  • 代理権授与の表示による表見代理<109条>
    1. 本人が第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示する(実際には代理権を与えていない)
    2. その代理権の範囲内において代理行為が為されていること
    3. 相手が無権代理人の代理権の不存在について善意無過失であること
  • 権限外の行為の表見代理(越権行為)<110条>
    1. 代理人に基本代理権が存在すること
    2. 代理人がその権限外の行為をしたこと
    3. 相手方において、代理人に権限があると信じるべき正当な理由があること
  • 代理権消滅後の表見代理<112条>
    1. 代理行為時には代理人の代理権が消滅していたこと
    2. 以前に代理人が有していた代理人の範囲で代理行為が為されたこと
    3. 代理人の代理権の消滅につき、相手方が善意無過失であること

自己契約・双方代理<108条>

自己契約

特定の法律行為について、当事者の一方が相手方の代理人となること
⇒本人から家の売却の代理権を与えられた代理人が、自らその家を購入するようなケース

双方代理

特定の法律行為について、一人の物が当事者双方の代理人となること
⇒Aから家の売却を頼まれたBが、買い主であるCの代理人にもなってしまうようなケース

効果

自己契約と双方代理については、原則として無権代理行為として扱われる
⇒本人が不当な利益を受ける可能性があるため

ただし、本人がこれを承諾している場合には有効な代理行為として考えてよい

条件・期限・期間

条件

 法律行為の発生または消滅を将来の不確実な事実の正否にかからしめる附款を言う。

 条件には以下の二つがある。

  • 停止条件:法律行為の効力の発生に関する条件<127条1項>
     ex: 試験に合格したら腕時計を買ってあげるなど
    • 「時計を買ってあげる」という法律行為が「試験に合格したら」という仮定条件によって停止させられている、ということ
  • 解除条件:法律行為の効力の消滅に関する条件<127条2項>
     ex: 代金支払いが滞ったら、購入物を返還するなど

期限

 将来発生することが確実な事実を言う。

 期限には以下の二つがある。

  • 確定期限:将来起こることが確実であり、いつ来るかが確定している期限
  • 不確定期限:将来起こることが確実であるが、いつ来るか不明な期限
     ex: 死亡時、出世払いなど

期間

 ある時点からある時点までの継続した時の区分を言う。

 民法においては、時間以下の単位で表示される場合を除いては、起算点の初日不参入を原則としている。<140条>
 但し、午前0時から起算する場合においては初日を参入する。

時効

時効総説

 民法では、権利の上に眠る物は保護しないという考え方を採用し、かつ過去の事実の立証困難性を考慮し、さらに永続した事実の尊重という概念を認めて時効制度を定めた。

 なお、権利を取得することを取得時効と言い、権利を失うことを消滅時効と言う。

取得時効

 ある事実状態が一定期間継続することによって権利を取得することを言う。

 取得時効の成立には以下の要件が必要となる。

  1. 他人の物を一定期間、平然かつ公然に占有すること
  2. 途中で時効の中断がないこと
  3. 援用があること
援用
時効によって利益を受ける者が、時効の利益を受ける意思表示をすること

一定期間

 民法では、占有者の占有当初の主観によって区別している。

  • 善意・無過失の場合:10年間の占有が必要
  • 悪意・有過失の場合:20年間の占有が必要

 占有期間中に、数人が相次いで物を所有していた場合、自分の占有だけ主張しても、また他人の占有を合わせて主張(占有の継承)してもよい。
 但し、占有の継承の場合は前者の瑕疵も継承する。

平然かつ公然

 強暴の占有・隠匿の占有ではないということ

占有すること

 所有意思を持った占有、すなわち自主占有であること

時効の中断事由<147条>

 時効の完成には、途中で時効の中断事由が無い事が必要となる。時効の中断事由が生じた場合には、それまで進行してきた時効期間は効力を失うこととなり、中断事由の終了時から、また新たな時効が進行することになる。

 時効の中断事由には以下の物がある。

  1. 請求
     裁判上の請求と裁判外の請求(催告)がある
    • 裁判上の請求
      • 訴えを提起したときに時効中断効が生じる
      • 訴えの却下または取り下げとなった場合には中断効は生じない
    • 裁判外の請求(催告)
      • 裁判外の請求(催告)を行ってから6ヶ月以内に、裁判上の請求等を行わない限りは、時効は中断しない
  2. 差押、仮差押、仮処分
    • 差押:確定判決その他の債務名義によって行う強制執行行為
    • 仮差押、仮処分:強制執行の不能や著しく困難となるおそれがある場合に、執行機関によりこの強制執行を保全する手段
  3. 承認
     時効利益を受ける者が、権利の存在について、権利者に対して認めること
     ⇒執行猶予を求めたり、一部の弁済、利息の支払いなどが承認にあたるとされている

 また、取得時効特有の中断事由として、占有の喪失(自然中断)がある。

時効の停止

 時効の完成を猶予する制度。
 時効期間の満了の時にあたり、障害等により時効中断の措置がとりえないような場合、その原因が消滅したときから法定の期間が経過するまでは時効は完成しない。この障害には以下のような場合がある。

  • 未成年者または成年被後見人の不在<158条>
  • 離婚による夫婦間の権利<159条>
  • 相続財産<160条>
  • 天災など<161条>

取得時効と登記について

  • 取得時効完成時の所有者に対しては、時効取得した者は登記をせずとも所有権を主張できる(大判大7.3.2)。
  • 取得時効完成前に第三者が所有権を承継した場合、時効取得した者は登記をせずとも対抗できる(最判昭41.11.22)。
  • 時効により不動産の所有権を取得しても、その登記がないときは、時効完成後旧所有者から所有権を取得し登記を経た第三者に対し、所有権の取得を対抗できない(最判昭33.8.28)。ただし、背信的悪意者(時効による所有権の取得を知った上で、信義則に反するような動機・態様で譲り受けた者)は第三者に当たらない(最判平18.1.17)。

消滅時効

 ある事実が一定期間継続することによって権利を喪失することを言う。

 消滅時効の成立には、以下の要件が必要となる。

  1. 事実状態の一定期間の経過
  2. 途中で時効の中断がないこと
  3. 援用があること

消滅時効にかからない権利

 所有権、所有権に基づく物権的請求権、留置権・先取得権なども消滅時効にはかからない。
 但し、所有権は消滅時効にはかからないものの、他者による取得時効が成立した場合には、その反射的効果としてその所有権を失うことがある。

事実状態の一定期間の経過

 消滅時効は、権利を行使することができる時を起算点として進行する。つまり、権利行使が可能であるにも関わらず、権利を行使しなかったという事実状態の継続が必要となる。

 消滅時効の起算点は下表の通り。

債権の種類消滅時効の起算点
確定期限のある債権期限の到来時
不確定期限のある債権期限の到来時
期限の定めのない債権債権が成立したとき
不法行為に基づく損害賠償請求権被害者が損害と加害者を知ったとき
債務不履行に基づく損害賠償請求権本来の債務履行を請求できるとき
取消権追認ができるときから
債権者取消権取消の原因を知ったときから
相続回復請求権相続の侵害を知ったときから
遺留分減殺請求権遺留分減殺のある相続開始を知ったとき
停止条件付債券条件成就のときから
解除条件付債券債券の成立時から

時効期間<167条>

  • 債権の時効期間は10年間
  • 債権、所有権以外の財産権の時効期間は20年間

時効の効果と時効利益の放棄

時効の効果<144条>

 時効が完成すると、その効果は時効期間の最初の時点に遡って発生する
 ⇒不法行為に対する請求を受けたり、利子を支払う必要はないことになる。

時効利益の放棄<146条>

 時効利益を欲しないという意思表示で、時効完成前にはなしえない
 ⇒債権者が債務者に対して、契約時に時効利益の放棄を押しつけることもできてしまうため

時効完成を知らずになした放棄の効果

 時効完成後に債務を承認するなどを行った場合には、信義則上もはや時効を援用することはできない(最大判昭41.4.20)。