大きな分類法として実験したい航空機のスピード域により分けるやり方があります。スピードが遅い順から、低速風洞(マッハ0.5以下:車とかもここに入ります)、高速亜音速風洞(マッハ0.5〜0.8:ジャンボジェットくらい)、遷音速風洞(マッハ0.8〜1.2:音速を超えました!)、超音速風洞(マッハ1.2〜5:ロケットとか?)です。もちろん人力飛行機は低速風洞です。
人力飛行機の巡航速度は7m/sくらいですから、マッハ0.002です。超低速風洞と呼んでもいいかもしれません。
風洞には送風機により連続的に風を送る連続式風洞と、タンクに高気圧の空気をためてそれを放出し風を起こす間欠式風洞があります。間欠式は超音速以上で使われているものなので、人力飛行機用には適しません。
連続式は、風洞は吹き抜け式と回流式に分けられます。回流式とは使い終わった気流を送風機の吸入口にもどし、気流を循環させる方式です。そうする事で送風機の負担を軽くする事が出来ます。吹き抜け式とはそのまま排気をする方式です。線香の煙などを使い気流の可視化を図るときには巡回式は(空気が汚れてしまうので)使えませんから、吹き抜け式を使います。
このプロジェクトでは、設置スペースの問題もあるので、比較的コンパクトにまとめられそうな吹き抜け式を選ぶのが妥当だと思われます。
低速風洞には吹き抜け式と回流式があり、吹き抜け式にはエッフェル型風洞、NPL型風洞、回流式にはゲッチンゲン式風洞など色々な種類があります。
牧野光雄、航空力学の基礎(第二版)、産業図書