RU486


奇果?

轟々と唸る熱風。逆巻く炎が破壊の限りを尽くすそこに、かつて母であったものを抱えて呆然とへたりこんでいる少女がいた。RU486  少女――二年前のシルヴィアである。  光を受けて輝いていた、美しく長い銀髪は輝きを失っている。  真っ白な雪の様な肌は煤け、豪奢なドレスは所々に綻びが見られる。  芸術的な美しさで整った顔は、紅色の瞳からとめどなく溢れ出す涙に濡れている。RU486

 母であったものの胸には、心臓のあるべき場所にぽっかりと空洞が出来ていた。  流れ出た血は乾き始めており、少しばかりの時間が経っていることを物語っている。 「どうして……。どうして……!」  シルヴィアは嘆く。  あまりにも理解できない、いや、理解したくない状況に、疑問ばかりが頭を埋め尽くす。RU486  どうして、母様が死ななければならなかったのだろうか。  どうして、私を置いて逝ってしまったのか。  どうして、どうして。

「探せ! 魔王には娘が一人いたはずだ! 探し出して討ち取れぇ!」RU486  敵の声が、焼け落ちた城に響き渡る。  かつて、魔王の城として国民を魅了していた城は、もう見る影もない。  もう、すぐそこまで己の死も近付いてきている。  このまま、今の場所に留まっていては、母と同じ末路を迎えることになるだろう。  いっそ、己の命が果てるまで、母の仇打ちをしたい。  しかし、母はそれを望まないだろう。RU486

「たとえ私が殺されるような事があっても、復讐なんて考えないで、あなたは生きなさい」

 誰よりも優しく、誰よりも強く気高かった母。  その母が、残した言葉。RU486

 シルヴィアは決意し、母に最後の口づけをして優しく横たえ、立ち上がる。  もう、迷いはない。  魔術を発動すると背には黒い翼が現れ、空へと姿を消す。  流れ落ちた心の雫が、空に輝き消えていった。RU486

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