台詞 / 戦国史 / 0101



一章 第一話
河越夜戦

応仁の乱の後…
幕府の権威は失われ、
各地で名だたる英傑が台頭。

彼らはおのおのの志のもと、
乱世に天下の覇を競い、
数多の戦を繰り広げた。

後の世に言う戦国時代である。

そのまだ時浅い頃、
関東では関東管領の山内、扇谷の両上杉家と
古河公方が権力争いに明け暮れていた。

北条早雲は、その隙を衝いて相模を平定、
一躍大名にのし上がった。

二代当主・氏綱はさらに版図を広げ…

「相模のうつけ」として知られる氏康が
三代目の当主となった。

これを好機と、
関東管領の両上杉家と古河公方は
連合して反撃を開始。

上杉家の本拠・河越城を取り返すべく
大軍で包囲する。

兵数差は歴然、落城は時間の問題であった。

だが氏康は、逆に敵の慢心を衝く。

相模より兵を率い、夜襲を決行した。


【北条氏康】
 上杉家の油断しきっている大軍を奇襲する。
 まず、油断してのこのこ出張ってきやがった
 小幡憲重長尾憲景長尾宣長を討ち取る。

 そしたら、勢いに乗って急襲だ!
 関東管領・上杉憲政を叩きのめすぜ!

 そのあと、河越城綱成を救援だ。
 無事、伊草詰所まで連れ出さねえとな。

 とどめに上杉朝定を片付けりゃ、勝ちだ。
 無事、の囲みから、綱成救い出して、
 ついでにいただくぜ、関東の覇権をよ。


【北条氏康】
 尻尾巻いて退きやがったか。
 ザマあねえな。

 んあ? 貴様…
 ああ、新武将か。

 上出来だ。よくやった。

【風魔小太郎】
 クク…よく働く…
 血に飢えた犬のようよな。

 そして敵味方、将兵ともに言っておる…
 それを束ねる北条氏康
 まさに獅子、とな。

 クク、
 うつけの名、見事返上できたではないか。

【北条氏康】
 ド阿呆が。

 うつけにすら勝てねえ奴に
 関東を治める器はなかったってだけさ。

 しっかし、信玄って胡散くせえ野郎に
 っていう怖ええ嬢ちゃん…
 油断ならねえな。

【風魔小太郎】
 クク…関東の覇権争いも
 次なる高みへ進むということ。

【北条氏康】
 胡散くせえ覇権なんぞ興味はねえ。
 だが、そこにうちの民や兵が、
 巻き込まれるとなりゃあ話は別だ。

 いいか、てめえら。

 勝て。

 この乱世の終わりまで、な。