- ナムコ/namco
- 業務用ビデオゲーム
- 1999.4-2000.2
- 楽曲制作
- ゲーム中BGMは全てチーム所属国の「民謡」の応援歌版
- 「オーレオレオレオレ」を始めとするサッカー絡みの曲がどうしても好きになれない自分がサッカーゲームの曲をどう書くか、これは別の自分からしてみれば大変興味深かった。
- まず、ゲーム中に通常の楽曲を鳴らす事は考えていなかった。が、効果音のみでは寂しい。ということで応援歌、という括りで楽曲を書こうと思った。
- プロトタイプ版では、オリジナルで応援歌を書いてみた。メロディーを作成、開発スタッフに何度も歌ってもらい収録し、これらを全て重ね大人数で歌っている感じに仕上げた。単純な発想にも関わらず、大観衆感が出た。
- しかし、このまま国別に20以上書き下ろすのはあまりにも芸が無い上にまったくモチベーションがあがらないと思った。なにか良いアイデアは無いかと試行錯誤中にJリーグの某チーム応援歌をネット上で発見し、これが特にひどい曲だったのだが、試聴していた時に、ふと「その国に古くから伝わる曲を応援歌風にして鳴らせば面白いのではないか」と思いついた。
- この考えの決定打となったのは音楽の時間に習う「さくら」が応援歌としてスタジアムに流れたら面白いな、という考え。
- それからこのゲームに登場する全ての国の民謡を調べ、応援歌になりそうな楽曲を選出、片っ端から歌の収録をしていった。
- この収録にはプロジェクトスタッフのみならず、サウンドスタッフを始め、他のプロジェクトのスタッフにも忙しいところを協力してもらった。
- 同じフレーズを5回以上歌うという、なかなか集中力のいる収録だったが、どのスタッフも嫌な顔一つせず、というよりも極めて楽しそうにやっている姿が印象的で、収録している自分も楽しくてしょうがなかった。おかげでどの曲も非常に良いものになった。今でも大変感謝している。
- 全て著作権消滅曲ということだったのだが、念のためJASRACのスタッフに調査を依頼したところ、まだ権利が残っている楽曲や、権利不明の楽曲が数曲発見された。
- これが判明したのが締め切り近くだったため別曲の収録は不可能だった。そこで、既に収録済の楽曲をRycycle!でチョップし組み替えて新たに曲を作った。あまりにも豪快な方法だったので製作前は不自然になるかもと恐れたが、予想に反し他の曲と比べても全く遜色ない自然なデキとなったので安心した。
- 自分が担当した純粋な書き下ろし曲はエントリー曲とアトラクト曲のみだったが、どちらも大変気に入っている。どちらもエレクトリックな要素は完全に排除したブラジリアンな感じの楽曲。
- プロジェクトの雰囲気が非常に良かったのを覚えている。スタッフ全員でフットサルをやったのが懐かしい。その日のために延ばした髪にパーマをかけて自分のイメージするJリーガー風にしたのだが、当日はちょっと恥ずかしくてヘアバンドでまとめて誤魔化していた。
- プロジェクトで作ったユニフォームは、今でも宝物だ。
佐野電磁業務履歴
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